ざまぁ！をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

- 謎多き執事の秘密ごと -

『無自覚な気持ちと胸の痛み』

『……確かに、悪いことや教えを忘れていたり授業を聞いていなかったりすれば私は怒りますよ？でもそれは教える側としては当然でしょう。でも、人はどこかで息抜きしなければ何れ溜まり積もったストレスで押しつぶされてしまいます。…その点、ソフィアお嬢様は上手くやられていたようですが』

フッと何かを思い出したように小さく笑うレオンに驚いた。

「……そんな表情もするんだ」

なぜか、胸がモヤっとした。

「……？」

チクッと痛みを感じたけど、それはすぐに治って、それが何なのか僕にはわからなかった。そんな僕に気づいてか気づかずか、レオンはふと目を細める。


『ソフィアお嬢様もアラン様も見ていて飽きませんからね』

……レオンも前世云々の話しを姉上から何か聞いてるのだろうか？と思ったけれども僕が聞くことでもないと思ってその疑問は胸の内に留めることにした。


『───さて、』

白い手袋をはめた人差し指を上にピッと突き立てたレオンがレンズごしに僕を見つめる。

『ここからは… 補習授業といきましょうか』

そして不敵に口角をつり上げた。