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- 謎多き執事の秘密ごと -

『執事が有能すぎて怖い』

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「……僕は悪くないのに」

思わず漏れる悪態に、


『何かおっしゃいましたか?』

「な、何でもないです…」


にこりと迫り来る笑顔にゾッと背筋が冷える。


『はぁ、いいですか。本当に無茶は止して下さいよ。ソフィアお嬢様と違って、貴方はその辺は上手く周りの人間を誤魔化しているようですが』

貴方に怪我でもされたら心配で心配で… そのうち、部屋に監禁してしまうかもしれませんよ?と笑顔で脅してくるレオンに僕の顔色が蒼白になったことは言うまでもない。

『ソフィアお嬢様のことに関してはこちらでも探りを入れてみますが、』

そう言って一旦、言葉を切ったレオンの漆黒の瞳が、スッと細められた。


『いいですか。貴方は何もしないで下さい』

「え、」

まさか、そんなことを言われると思っていなかったから思わず間の抜けた声が出てしまった。

『…確かに、私は貴方に仕えるようになってまだ日は浅いですが、その短期間の間だけでも貴方の考えていることくらいわかります』


キッパリとそう告げるレオンに良い言い訳が思いつかない。否、これ以上、墓穴を掘りそうで怖い。
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