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『姉上は自分の欲に忠実だったみたいです』

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『いいな?アラン…。ソフィアが見つかるまでの間、我が公爵家の運命はお前に掛かっている──。』

公爵家の運命が… 僕に?

『私としてはソフィアが見つかるまでの間、のらりくらり殿下の繋ぎをしてほしいというのが本音ではあるが、ソフィアがすぐに見つかるという保障が無い以上、婚約破棄の件を進めるのはお前しd「わかりました!すぐに進めますね!」…そうか、嫌か』


───当然です。あんな常に何を考えているかわからない胡散臭い笑みを貼り付けているあの王太子と何が悲しくて四六時中いなきゃいけないんだ。だって、婚約から婚姻してしまえば、早い話そういうことになる。それに、王太子妃になるためのお妃教育だって……… あ。

「父上!その件ですが、姉上は王宮でお妃教育にも勤しんでたのですよね?」

『ん?ああ、そのことか…。その心配はない』


・・・え?

「どういうことですか?普通なら…」

『うむ、お前の言いたいことはわかる。ほら、あの子はお前と同じで本が好きだろう?』

「は、はぁ…」

『あの子は王宮書庫室で本を読破するために、全てを早々に完璧に熟したのだ。もはや、呆れを通り越して感嘆の域だが…。王宮の家庭教師の… 先生方お墨付きだそうだ。よって、あの子はその王太子妃になるべくのお妃教育を早々に終わらせたのだ』


「え、それじゃあ… 姉上がよく登城していたのは…」

『無論、王宮書庫室にて本を読むためだ。ただ、それだけの為にな』

「…………」

『本好きなお前ならわかるだろう?あそこには… 外に持ち出しを禁止された蔵書が保管されてる上に歴史的遺産物も慎重に保管されている。…それが自由に入ることができるんだ。それはもう、あの子にとって魅力の一つだったはず。なのに、なぜ…』

ふぅ、と頭を横に振り、悩ましげに端正な眉が寄せる父上…。なるほど、持ち出し禁止の本に、歴史的産物… 確かにこれ以上にない魅力的な話だ。
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