20 / 88
始まりは…
『置き手紙と - 消えた公爵令嬢 - 』
しおりを挟む
『なによー!だって、仕方ないじゃない。前世で乙女ゲームを途中までしか出来なかったんだから。……だから、ヘンリー様は途中までなら知ってるのよ。序盤の初っぱなから、やたらと謎の多いキャラで、でもヒロインのピンチをさり気なく助けたりとか…。
女の子を攫った人身売買の組織を壊滅させたりとか、もう!ヒーロー顔負けよ!!それでさり気なくみせる笑みが素敵で… ハァ…っ』
……この姉上は人を疑うという言葉を知らないんでしょうかね?
「……でも、それは殿下にも言えることでは?」
『まあ、そうよね… うんうん。あなたの言いたいことはわかるわ!アラン。殿下や他の攻略対象者ももちろん駆けつけてくれるわ!
だって、ヒロインのピンチなんだもの!でも、そのヘンリー様は毎回いろんなところで現れて… 窮地に陥るヒロインに一番に駆けつけてヒロインは窮地を救われるのっ!
……ねっ!とっても凄いんだからっ』
そう言ってポッと頬を赤らめる姉上はそのヘンリーという男をこれでもかというくらいに賛美する…。
けれど、僕からすれば怪しすぎるに極まりない。窮地に決まって一番に駆けつけるって、あまりに出来すぎていないか…。そう思わざるを得なかった。
「……姉上はもう少し人を疑うべきです」
『なによもうっ!アランってば固く考え過ぎよ?』
そんな会話も、ついには僕が睡魔に負けてその夜はお開きになった…。それがまさか、なぜもっと姉上に強く言わなかったのか翌日、自分が後悔することになろうとは… 思わなかった。
────────………
──────…
「はい?今、な…んて…?」
翌朝、父上に呼び出された僕は耳を疑うあまり、執務室で酷く憔悴し、うな垂れる父に… もう一度尋ねる。
『───ソフィアが… 置き手紙を残して家出した』
「・・・姉上が!?」
そう、まさかの姉上が… 昨日、いつものように深夜遅くに僕の部屋に押しかけてきた姉上が…翌朝の今日、まさかの家出をしました。
女の子を攫った人身売買の組織を壊滅させたりとか、もう!ヒーロー顔負けよ!!それでさり気なくみせる笑みが素敵で… ハァ…っ』
……この姉上は人を疑うという言葉を知らないんでしょうかね?
「……でも、それは殿下にも言えることでは?」
『まあ、そうよね… うんうん。あなたの言いたいことはわかるわ!アラン。殿下や他の攻略対象者ももちろん駆けつけてくれるわ!
だって、ヒロインのピンチなんだもの!でも、そのヘンリー様は毎回いろんなところで現れて… 窮地に陥るヒロインに一番に駆けつけてヒロインは窮地を救われるのっ!
……ねっ!とっても凄いんだからっ』
そう言ってポッと頬を赤らめる姉上はそのヘンリーという男をこれでもかというくらいに賛美する…。
けれど、僕からすれば怪しすぎるに極まりない。窮地に決まって一番に駆けつけるって、あまりに出来すぎていないか…。そう思わざるを得なかった。
「……姉上はもう少し人を疑うべきです」
『なによもうっ!アランってば固く考え過ぎよ?』
そんな会話も、ついには僕が睡魔に負けてその夜はお開きになった…。それがまさか、なぜもっと姉上に強く言わなかったのか翌日、自分が後悔することになろうとは… 思わなかった。
────────………
──────…
「はい?今、な…んて…?」
翌朝、父上に呼び出された僕は耳を疑うあまり、執務室で酷く憔悴し、うな垂れる父に… もう一度尋ねる。
『───ソフィアが… 置き手紙を残して家出した』
「・・・姉上が!?」
そう、まさかの姉上が… 昨日、いつものように深夜遅くに僕の部屋に押しかけてきた姉上が…翌朝の今日、まさかの家出をしました。
10
お気に入りに追加
1,384
あなたにおすすめの小説
残虐悪徳一族に転生した
白鳩 唯斗
BL
前世で読んでいた小説の世界。
男主人公とヒロインを阻む、悪徳一族に転生してしまった。
第三皇子として新たな生を受けた主人公は、残虐な兄弟や、悪政を敷く皇帝から生き残る為に、残虐な人物を演じる。
そんな中、主人公は皇城に訪れた男主人公に遭遇する。
ガッツリBLでは無く、愛情よりも友情に近いかもしれません。
*残虐な描写があります。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる