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- 死は始まりに過ぎない -
当て馬になるつもりはありません
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BLゲームの主人公もとい、ヒロインともなれば… 必然と受け側になります。即ちそれは総受けになるということ。…なにが悲しくて男に尻を追いかけられなければならないのか。
それだけは正直、ホッとしています。
そう、たとえ… この脇役がヒロインを狙う悪役キャラの取り巻きその1だったとしても、男である私が男に愛を囁かれ、尻を追いかけられる… という身の危険を回避できたんです。素晴らしいと思いませんか!?正直、そう思わずにはこの先この世界で生きていける気がしません。
そう、私がこの世界で平穏に暮らすためには先ずは目立たない。ゲームの主人公もといヒロインとも関わりを避け、その攻略対象者達とも極力近寄らない。
……そして何より重要なのは、
その主人公と敵対する悪役側に回らないことが必須。ゲームの最後では敵役の当て馬の手下その1にされ、使うだけ使われて捨て駒にされたあげく元々薄っぺらい家族にさえ見捨てられトカゲのシッポ切りされて全ての罪を被せられ死罪。その結末はあまりにも酷いものでした。そりゃあ、王子や公爵子息に手を出すなんてことをすれば当然と言えば当然でしょう。
しかし、これだけは言わせてください…
あまりにも理不尽です!!
ゲームの名前から察するとおり、これは王族によって異世界から召喚された主人公もとい総受けとなるヒロイン(男)がエルフや城に仕える魔術師団を纏める魔術師長、王様や殿下、殿下の従僕… さらには精霊王といった まさに総受けとなる物語で…
ヒロインは精霊に愛されるも、いろんなことに巻き込まれ成長し… 時には敵に捕まり、あんなことやこんなことされそうになる寸前で助けられ、愛を育み… っ私は主人公もといヒロインが着実に恋を育むための当て馬…って、あんまりじゃないですか!
私にだって、敵にだって選ぶ意思はありますし、ヒロインが愛されるために、なぜ私が敵に回って堕ちて行かなければいけないんですか。おかしいでしょう!?
――‥ だから、私は決めたんです。
幸いにも、私の見た目も野暮ったい眼鏡に、どこにでもいそうな平凡な顔つき。
普通に暮らせば関わることはない。
否、
敵ボスが誰か… 残念ながら前世でまったく興味がなかった私は姉の話の大半を聞き流してたので… その程度しか知らない。
今となっては悔やまれますが致し方ありません。過ぎたことです。
ヒロインの敵が誰かという肝心な部分は覚えていませんが、これだけは言えます!
確か、この薄っぺらい家族が鍵だったということを――。父と母が何かしら関わっていたことを。…ただ、肝心なことを忘れているようなモヤモヤ感が拭えないけれど、先ずは知識を身につけなければ… そう意気込むと、調理場のコックに残飯を貰い、毎日の日課の如く、今日も王立中央図書館へと向かった。
それだけは正直、ホッとしています。
そう、たとえ… この脇役がヒロインを狙う悪役キャラの取り巻きその1だったとしても、男である私が男に愛を囁かれ、尻を追いかけられる… という身の危険を回避できたんです。素晴らしいと思いませんか!?正直、そう思わずにはこの先この世界で生きていける気がしません。
そう、私がこの世界で平穏に暮らすためには先ずは目立たない。ゲームの主人公もといヒロインとも関わりを避け、その攻略対象者達とも極力近寄らない。
……そして何より重要なのは、
その主人公と敵対する悪役側に回らないことが必須。ゲームの最後では敵役の当て馬の手下その1にされ、使うだけ使われて捨て駒にされたあげく元々薄っぺらい家族にさえ見捨てられトカゲのシッポ切りされて全ての罪を被せられ死罪。その結末はあまりにも酷いものでした。そりゃあ、王子や公爵子息に手を出すなんてことをすれば当然と言えば当然でしょう。
しかし、これだけは言わせてください…
あまりにも理不尽です!!
ゲームの名前から察するとおり、これは王族によって異世界から召喚された主人公もとい総受けとなるヒロイン(男)がエルフや城に仕える魔術師団を纏める魔術師長、王様や殿下、殿下の従僕… さらには精霊王といった まさに総受けとなる物語で…
ヒロインは精霊に愛されるも、いろんなことに巻き込まれ成長し… 時には敵に捕まり、あんなことやこんなことされそうになる寸前で助けられ、愛を育み… っ私は主人公もといヒロインが着実に恋を育むための当て馬…って、あんまりじゃないですか!
私にだって、敵にだって選ぶ意思はありますし、ヒロインが愛されるために、なぜ私が敵に回って堕ちて行かなければいけないんですか。おかしいでしょう!?
――‥ だから、私は決めたんです。
幸いにも、私の見た目も野暮ったい眼鏡に、どこにでもいそうな平凡な顔つき。
普通に暮らせば関わることはない。
否、
敵ボスが誰か… 残念ながら前世でまったく興味がなかった私は姉の話の大半を聞き流してたので… その程度しか知らない。
今となっては悔やまれますが致し方ありません。過ぎたことです。
ヒロインの敵が誰かという肝心な部分は覚えていませんが、これだけは言えます!
確か、この薄っぺらい家族が鍵だったということを――。父と母が何かしら関わっていたことを。…ただ、肝心なことを忘れているようなモヤモヤ感が拭えないけれど、先ずは知識を身につけなければ… そう意気込むと、調理場のコックに残飯を貰い、毎日の日課の如く、今日も王立中央図書館へと向かった。
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