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- 死は始まりに過ぎない -
会長は俺の保護者か何かですか?
しおりを挟む「悠、あいつとまだ付き合ってるのか?」
飴をコロコロ舌で転がしながら、甘酸っぱいイチゴ味を堪能していると、背後から声をかけられた。
橘 悠(タチバナ ユウ)、それが俺の名前。――‥ でもって、生徒会会計とは俺のこと!
そんな生徒会役員の一人である俺の下の名前を呼び捨てにする人間は必然と限られてくるわけで…
生徒会室私物のでっかいソファに、もたれて上を見上げれば…
「かいちょー?またそれぇ??」
いつだって、キリリッと澄ました表情で男の俺から見ても羨ましいと思える整った顔、美形のこの男はこれでも俺と同級生で… 見るからに神様は理不尽だ!世の中、不公平だ!
その整った容姿は俺からすればもはや嫌みにしか思えない!!一人、悶々と悪態ついていると、鋭い双方の瞳を細め尚も言う
「あいつとは… 別れたほうがいい」
むう…っ!
「なんで… かいちょーにそんなこと言われなきゃいけないの?」
生徒会メンバーとして、それなりに仲良くなれたと思ったのに何でそんなこと言うの!?
同性だけど、俺が長年の片想いを成就して幼じみと付き合うことになったを一緒に喜んでくれるって思ったから、言ったのに…。
「……ずっと片想いだったけど、雅也に告白して向こうも同じ想いだったって言ってくれたんだよ?…なのに、別れろって酷くない?」
雅也は俺の幼じみで、俺と同じこの全寮制の男子校の学生だ。幼等部の頃から意識し始めて、…だけど、同性という壁が立ちはだかり、ずっと告白できずに、ただ日々想いを募らせていった。
…だけど、いい加減この気持ちに踏ん切りつけようと思って、高等部に入って半年、玉砕覚悟で告白したら、向こうもずっと俺のことを好きだったって!OKをもらえた。
嬉しくて、
何かと面倒を見てくれる…っていうか、何かと気にかけてくれる会長に一番に長年の恋が実ったことを報告した。
――‥ なのに、会長は一緒に喜んでくれるわけでもなく、
『あいつはやめとけ』
と、顔を合わせる度に言ってくる…。
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