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- ファンタジア王国と王都フィル -
こ、この状況は… いったい…?
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こ、この状況は… いったい…?
どういうわけか、ヒロインの攻略対象者であるエルフの… 訳あり魔術師長のクラウド・レナードが目の前にいる。それも、まるで幼な子をあやすような感じで… って、その対象って私ですよね!?
「す、すすすみませんでしたッ!!」
ああーっ!もうっっ!!私のバカバカバカ!!!ルイ・アクラスの私はゲームの悪役の下っ端。脇役中の脇役で、ヒロインが攻略対象者と愛を育むための当て馬で、使い捨ての駒…
相手のエルフはヒロインの攻略対象者で・・・
簡単な話!敵ですよ!?私を断罪する敵陣の一人と対峙してる状況ですよ!?今!!緊張から言葉が吃るばかりで、酷く狼狽している私は… 相手から見ればさぞ滑稽なんじゃないかと自己嫌悪に陥る暇もなく、只々、相手のエルフに竦み震える一方だった。
「別に… 謝ってほしいわけじゃない」
なのに、このエルフと来たらもう訳がわかりません!
そもそも。ルイ・アクラスがこんな場所で会うことも、こんな状況に陥いることも乙女ゲームの設定になかったはずなのに…っ!
「───どうした?」
相手が相手でも… 本気で心配そうな表情でそう私の身を按じてくる彼を無下にも出来ず、
「……っ」
かと言って恐怖心が消えるわけでもない。どうしたらいいのかわからなくなって、唇をキュッと噛みしめる。
───けれど、それは唐突に襲った。
(ぐぅーーきゅるるるる…っ)
空腹の腹の音が。
「…………」
「…………」
なんで、よりによってこの最悪なタイミングで…っ!
「───っ///」
カァーッと顔が熱い。恥ずかしい…
思わず、両手で顔を隠した。恥ずかしくて恥ずかしくて…っ 穴があったら埋まりたい、否。飛び込みたいくらいには… 羞恥心で顔が真っ赤になっていると思いますっ正直、このまま顔を覆っている両手を退けたくないくらいには…。
ぷるぷる震える体をさらに縮こまらせ、赤面した顔を両手で隠したけれど、きっと赤くなった耳までは隠しきれていない。…もうっやだ!!なんで、私ばっかり…!エルフの彼にはきっと酷く滑稽な姿に見えているに違いないと思うとさらに自己嫌悪に陥りかけたときでした…
(クッ、)
小さく押し殺したような笑う声が頭上から聞こえた気がしたのは… 私の気のせいでしょうか?
どういうわけか、ヒロインの攻略対象者であるエルフの… 訳あり魔術師長のクラウド・レナードが目の前にいる。それも、まるで幼な子をあやすような感じで… って、その対象って私ですよね!?
「す、すすすみませんでしたッ!!」
ああーっ!もうっっ!!私のバカバカバカ!!!ルイ・アクラスの私はゲームの悪役の下っ端。脇役中の脇役で、ヒロインが攻略対象者と愛を育むための当て馬で、使い捨ての駒…
相手のエルフはヒロインの攻略対象者で・・・
簡単な話!敵ですよ!?私を断罪する敵陣の一人と対峙してる状況ですよ!?今!!緊張から言葉が吃るばかりで、酷く狼狽している私は… 相手から見ればさぞ滑稽なんじゃないかと自己嫌悪に陥る暇もなく、只々、相手のエルフに竦み震える一方だった。
「別に… 謝ってほしいわけじゃない」
なのに、このエルフと来たらもう訳がわかりません!
そもそも。ルイ・アクラスがこんな場所で会うことも、こんな状況に陥いることも乙女ゲームの設定になかったはずなのに…っ!
「───どうした?」
相手が相手でも… 本気で心配そうな表情でそう私の身を按じてくる彼を無下にも出来ず、
「……っ」
かと言って恐怖心が消えるわけでもない。どうしたらいいのかわからなくなって、唇をキュッと噛みしめる。
───けれど、それは唐突に襲った。
(ぐぅーーきゅるるるる…っ)
空腹の腹の音が。
「…………」
「…………」
なんで、よりによってこの最悪なタイミングで…っ!
「───っ///」
カァーッと顔が熱い。恥ずかしい…
思わず、両手で顔を隠した。恥ずかしくて恥ずかしくて…っ 穴があったら埋まりたい、否。飛び込みたいくらいには… 羞恥心で顔が真っ赤になっていると思いますっ正直、このまま顔を覆っている両手を退けたくないくらいには…。
ぷるぷる震える体をさらに縮こまらせ、赤面した顔を両手で隠したけれど、きっと赤くなった耳までは隠しきれていない。…もうっやだ!!なんで、私ばっかり…!エルフの彼にはきっと酷く滑稽な姿に見えているに違いないと思うとさらに自己嫌悪に陥りかけたときでした…
(クッ、)
小さく押し殺したような笑う声が頭上から聞こえた気がしたのは… 私の気のせいでしょうか?
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