平凡くんの憂鬱

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皇一族と"楊貴妃"

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『でさ、悪ぃんだけど…

そのライオン三頭と引き換えに、お前んとこの… 皇の人間を何人か貸してくれないか』


皇一族の手を借りたい、そう口にする こーちゃんの声は今までと違って真剣みが帯びていて…

『こんなときに… お前が襲われたばかりなのに、こんなことをいうのも悪ぃと思ってる。だけど』


「なぁ、こーちゃん。それは別にいい。

けど、うちの人間を借りたいっていう意味はどういうことを表すかもちろんわかってんだよな?」


こーちゃんが真剣に話し出すから俺も態度を改めて話す。そんなガラリと変わる雰囲気が変わった俺に生徒会と風紀が息を呑むのを一瞥し、こーちゃんへと再び意識を向けた。

『――‥ わかってる。けど、それも踏まえて裏側の人間の手を借りたいと思ってな。お前んところが一番信用できるし、なにより今回の件は特に警察だけだと荷が重すぎる。それに、今回は皇家に関わる問題だ』


「へぇ… うち、がねぇ?因みに、どんな事件なんだ?」

『……最近、人身売買している組織が何を思ってか全寮制の学園ばかり狙っていてな。金持ちのお坊ちゃんお嬢様ばかり狙う事件が多発してるんだ。たぶん、見た目が良いからだと思うけど』


『それと、確証はまだ無いからお前に言うのもなんだけどな』

「何だよ?」


『今回の件は恐らく…

"楊貴妃"が関わってる。お前の今回の襲撃もそうなんだろ?』


「……楊貴妃、か。」

声のトーンを落としたこーちゃんの言葉に俺はそっと目を伏せた。

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