平凡くんの憂鬱

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有り難迷惑な一族の掟に正直、迷惑している件について

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「……ハァ。本題に入りますが、彼は殺しておきますか」

いや、せめて疑問形にしようぜ?


「誰のことだ?」

「今日来た転校生ですよ」


雪城か…

「理由は?」

「彼、一般の生徒ではないのでしょう?我々とは違えど、危険分子にならないとは限らないのでは?貴方と知り合いであることも含めて族関係者となると…

貴方の正体がバレて公になるリスクが伴う」


あのさ、俺、別に隠してるわけでもねぇんだけど…

「いや、別に隠してねぇし。バレたときはバレた時に考えりゃいいだろ。
それよりも俺は一族のストーカー気質を何とかしたい」


切実に本心を言う。溜め息が止まらない。

…そうだよ。俺はそれより一族ほ風習をどうにかしにゃぁいかんのだ。んなことまで考えてられっか!!ほんっと!マジで一族の風習をどうにかしたい。


中でも重視すべき点は…

皇(スメラギ)家の掟の一つ。
皇の血を引く者は例え遠い血の繋がりであろうと、生を授かると同時にマイクロチップを注入せよ。

というものがある。

そのまんまの意味で皇家の血を引いた者は赤ん坊として生まれたと同時に肉眼では見ることが出来ないマイクロチップのGPSを注射器を使って身体の中に注入される。


……かく言う俺の身体の中にも肉眼じゃ見えないGPSのチップが埋め込まれている。

なぜ、そんな掟があるのか。


それは皇家の名は昔からいろんな意味で有名だった。そのため、皇家の血を引いた人間の誘拐未遂が過去に何度か起こったことから何代か前の皇家の当主がこの掟を作ったらしい。

誘拐されても一族がすぐに見つけることができるように…。

そしてそれは一族の人間なら誰でも見ることができた。そう例えば従兄弟が何処に行ったのかと知りたければそのシステムを使えば何処にいるかすぐにわかるというものだ。 
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