- カ ミ ツ キ 御影 -

葉月の暴走と村人

――… あの光はっ

『まずい…！』


紙人形から放たれた言葉に氷雨と啓大は眉をひそめる

「晴明さま…!?」


――――……
――…


 カンッ！

　　　　　　　       　ｺﾛｺﾛｺﾛ…


葉月の周りを纏う風が荒々しく村人らを襲う‥

   葉月はゆっくりとした動作で先ほどまで土地神がいた場所まで歩くと、土地神が消え、代わりに地に落ちていたビー玉のような大きさの硝子玉を指先で拾った。


「……意思は石となりて。」

手の平からスゥー…と玉が浮く


それを葉月はただ見つめ――…



 パァァアン！

                                 …砕け散った。



「…………」


 そして、


葉月は村人たちに振り向いた


「ヒッ！」

「ば、化け物じゃ…！」


「こ、ここ殺されるッ!!」



腰を抜かし、青ざめた顔で葉月を見る村人たち…

それを


葉月はどうと感じることもなく、

「…食べるなら、カス一つ残さないでくださいね」



淡々とした口調で死霊を放った。