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どこまでがセーフなんでしょうか?
しおりを挟む「なにをわけわからんこと言ってるべ!?」
そう言って近くにいた老人が鉈を頭上に掲げて奴に振り下ろした――
「!やめろ!!」
咄嗟にそう叫ぶが間に合わねぇっ!くそっ
「クロッッ!」
九条の奴が声を荒げる。
俺はこのあとの最悪な結末に歯を食いしばった
――… が、
予想外のことが起きた。
鉈を最小限の動きで避け、とても着物を着てできる動きだとは思えねぇ俊敏な速さでアイツは襲い掛かってきた老人の背後に回るや、腕を締め上げやがった。
「あぎゃゃああああ!!!」
腕を捻りあげられた老人は苦痛に叫ぶ。
――… が、
なにより予想外だったのは‥
アイツの口から出た言葉だった。
「ひよこ様…
俺、加減が苦手なんですけど。どこまでがセーフなんでしょうか?」
「はぁあ?!」
真顔で頭のひよこに尋ねるあのガキに俺はなんでだろうな… 頭を抱えたくなった。
「け、警部!」
引き攣った顔で佐藤の奴があのガキを見る
そこには‥
「お、おお折れ…ッ!腕が折れるッッ!」
「んー…加減って難しいです。腕を折るのって…
手加減になりますかひよこ様?」
ピヨ…
「え?啓大たちと同じように考えるなって…?
でも、 兄様が『いいかい?葉月。殺る時はね、徹底的に潰さなきゃいけないよ?ふふっ ちゃんと馬鹿にもわかるようにね?』
――…って。
里では兄様の言っていたとおりにやってきましたけど‥
こっちではどうなんでしょうか?」
ピヨピ…
『お前、あの台詞って確か…
俺がお前に馬乗りしたとき・・・ 吉平が俺を足蹴りしながら吐いた台詞じゃねぇか』
なに言ってんのか、さっぱりわからねぇが… とりあえず言えることは、
笑顔で話すあのガキとは対称にひよこが頭の上でぶるぶる震えてやがる…
ピヨッ!
「え?わかりました。放せばいいんですか?」
ひよこと不思議に会話らしきことをしているアイツはそう言って、捻りあげた老人の腕を離し解放させた。
――… その結果、
.
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