- カ ミ ツ キ 御影 -

焼き鳥にされるのはもう時間の問題かもしれない

「おい」

突如、呼ばれた声に振り返ると赤坂がこちらを睨んでいた


「お前… 何者だ？」

長年のカンというモノなのか、はたまた別のモノか…
赤坂は葉月を睨むが、返ってきた言葉は


「……ただの子供ですよ」


困惑した笑みを浮かべながらそう返す葉月に赤坂は無意識に溜め息ついていた。

「…そうかよ」


じっと見つめられ、それが手元で目を回しているひよこだと気付き、

「ほらよ」


返した。

口数少なく、苦笑しながら一言お礼を告げると葉月はひよこに話かける


「ひよこ様…

本当に役に立たないですね」


  ピヨッ!?

苦笑して毒吐く葉月に、ひよこは身体を震わせてショックを受ける


「あ。別に、ひよこ様を責めてるわけではないですよ？

別に虫のほうがまだ使えるな、とかなんて… 全く思ってないですか､ら……って、え、なに泣いてるんですか」


ﾋﾟ､ﾖﾋﾟﾖﾋﾟﾖ！


『お、俺は… ！

虫以下になるのかっ!?』


「………」

葉月は何も言わず、ただ ニコリ､と笑みを浮かべるだけ…

ﾋﾟﾖﾋﾟｯ！

『なんで無言なんだ！？』


「……ところでひよこ様、

俺、今最高に機嫌が悪いです。あなた、これで、もし道仙を見つけられなかったら…… 焼鳥にしますから」


『焼鳥にしますから… 焼鳥にしますから…』 頭にエコーする葉月の言葉に、

ピヨォォオッ！？


ひよこは本気で焼鳥にされる！という危機感を覚えた。

「………なんか」


しばらく見ていた佐藤が言い淀んで言葉に詰まる。

いや、わかるぜ？佐藤、お前がアイツと一匹を見て何を思ったのか。

「ひよこに焼鳥とか…

酷だな」


佐藤と赤坂がそんな会話を交わしていることなど、当の本人たちは全く気付いていなかった――。