- カ ミ ツ キ 御影 -

キミは… いったい…

チュンチュンッ！

外から聞こえる雀の声に九条は寝ぼけ眼で欠伸する

「ふ…ぁッ！あ、もう起きてたんだ…」


早いね、と九条が声をかけるそこには頭にひよこを乗せた葉月がベランダで立っていた。

声をかけてきた九条に一度、視線を移すもまたすぐに外へと視線を変えてしまった。

「………す、凄いね。なに、もしかしてクロって動物とすぐ仲良くなれるとか？」

ベランダに集まる雀と真っ黒な烏、それに見たことのある野鳥らが葉月の周りに集まっているのに九条は吃驚する。

「………村人が一人死んだそうです。」


「………え？」

一瞬、わけがわからなかった。


「警察も呼ばれると思うけど… えっと、大丈夫ですか？だって、龍一さん達… 警察と関わりたくないでしょう？」

「！」

「…もうすぐ、今朝､村で起きたことを聞きつけた徹さんがこの部屋に来ると思います。そしたら、警察が来る前にこの村から離れたほうが……」

その直後だった。

―バンッ!!!!

「た、大変です若ッッ！！！む、村人が一人死体で見つかったらしいです！それで警察を呼んだらしくて…」

県警が今、こちらに向かってるそうです、と告げる徹に驚きを隠せない九条 は葉月を凝視した。

「キミは…… いったい…」

九条の吃驚する顔に葉月はただ微笑む


「……龍一さん達はどうしますか？」

頭にひよこを乗せた葉月は入口で突っ立っている徹を一瞥すると九条に聞いた。

「俺と徹なら大丈夫だよ。クロと一緒に行くよ」

九条は着替えながら葉月に振り返った。
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