- カ ミ ツ キ 御影 -

これも仕事なんです。

山の陽は沈むのが早い。

そして、あっという間に夜になった。


がやがや…

「なぁ、兄ちゃん達！どんどん食べてくれ！何せ、こんな山奥に客なんてめったに来ねぇべ！

久しぶりのお客さんだぁ！」



一同は村の中でも大きな家を持つ村長の家で晩御飯を出されていた。

皆、一様に出されたおかずを箸で突いていく。


九条も徹も空腹のお腹を満たそうと箸を運んだ

しかし、


葉月だけ箸を持ったまま、おかずをつまもうともしなかった。

「……どうしたんだい？もしや… わしらが作ったものが気に召さんかったかね？」



老人が顔をしかめて聞いてきた

「………あ、ちがいます！ただお腹がまだ空いてなくて…」


「そうかいそうかい」



申し訳なさそうに苦笑いする葉月と途端に笑顔になる村人。

「……実は俺達もお腹空いてないんだ。悪いな村長、せっかく作ってもらったのに」

「そんじゃ仕方ないべ！わしらが強引に連れて来たに」



「…若？」

暗に、その出されたものを口にするなと言われたことに気付いた徹は内心怪訝に思いながらも箸を置いた。

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ーーーー…



それから――…


食事も終わり、部屋へ案内された葉月達…

徹と九条と葉月は同じ部屋に案内された。


「では、ゆっくりとお休みくだせぇ」

パタンッ!と扉がきちんと閉まったことを確認し、頭にひよこを乗せた葉月は二人に向き直る


「本当は空腹でしょうに… なぜ、口にしなかったんですか？心配せずともあれには毒は入ってないですよ」


苦笑し、

「ただの睡眠薬入りだけですから」


爆弾発言を落とした。

「…え！？」

「なんだって…！？」



「そうですね、全員が全員寝てしまったら… まずいと思うけど、
俺は食べなかったから。たぶん、そう派手な行動は起こさないと思うよ」


「どういう… いや、それよりも君は…」

問いてくる九条に


ただ笑う

「これも仕事なんです」


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