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ちょっと面倒なことになった。
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俺は九条 龍一。自分で言うのもあれだが九条組の若頭を務めている。
訳あった事情でこんな山奥にまで来たんだけど…
ちょっと面倒なことになった。
「おっとこまえだねぇ兄ちゃん!
うちの村は皆、いい奴だべ!どうだ?泊まって行くべ!?」
山の中を歩いていたら、いきなり押し寄せてきた何処ぞの村人らに強引に村に連れていかれた。
村に行くと、そこにはリュックを背負った登山家らしき人も何人かいた…
「若」
「やめとけ、徹」
「しかし…!」
後ろに控える強面の部下が不満げに突っ掛かる
まぁ、気持ちもわからなくもないが…
「だからって、
善意で招いてくれてる村人を無下にするのもどうかと思わないか」
「………はい」
ふぅ、まったく。
お前は真面目すぎるんだよ…
内心溜め息ついていると、子供… いや、少年か。俺より少し年下くらいの声が聞こえた。
「だから、俺は観光客じゃなくて…」
気怠げにそう村人に訴える黒い髪の少年になぜか興味を持った俺は気づいたら自分から話しかけていた
「ははっ…。もしかして君も?」
そう声をかければ、目の前の彼は困ったように笑った。
「俺は九条 龍一。キミは…?」
「じゃぁ… クロで。」
即答で返された呼び名に俺は苦笑いを漏らす
「因みにそれは、どこから…?」
「髪が黒なので」
そう彼が笑うと、ごく平凡に見える顔も可愛く見えた。
……ものすごく、頭の上のひよこが気になるけど。
「えっと、九条さん…」
「龍一でいいよ。
これも何かの縁なんだろうし」
「……龍一さん…?は、どうしてこんなところに…」
「んー…。ちょっと野暮用でね、この村の近くを歩いていたら… な?」
後ろに控える徹に振ると、徹も頷く
「村の近くを…?
龍一さん達は誰を捜しているんですか?」
「え?」
「…なんでもありません。だけど、龍一さん
あなたの捜しモノは此処にはないですよ」
「なんだと…!?」
「よせ、徹」
掴みかかる勢いの徹を龍一が諌める。
しかし、
それを余所に…
.
訳あった事情でこんな山奥にまで来たんだけど…
ちょっと面倒なことになった。
「おっとこまえだねぇ兄ちゃん!
うちの村は皆、いい奴だべ!どうだ?泊まって行くべ!?」
山の中を歩いていたら、いきなり押し寄せてきた何処ぞの村人らに強引に村に連れていかれた。
村に行くと、そこにはリュックを背負った登山家らしき人も何人かいた…
「若」
「やめとけ、徹」
「しかし…!」
後ろに控える強面の部下が不満げに突っ掛かる
まぁ、気持ちもわからなくもないが…
「だからって、
善意で招いてくれてる村人を無下にするのもどうかと思わないか」
「………はい」
ふぅ、まったく。
お前は真面目すぎるんだよ…
内心溜め息ついていると、子供… いや、少年か。俺より少し年下くらいの声が聞こえた。
「だから、俺は観光客じゃなくて…」
気怠げにそう村人に訴える黒い髪の少年になぜか興味を持った俺は気づいたら自分から話しかけていた
「ははっ…。もしかして君も?」
そう声をかければ、目の前の彼は困ったように笑った。
「俺は九条 龍一。キミは…?」
「じゃぁ… クロで。」
即答で返された呼び名に俺は苦笑いを漏らす
「因みにそれは、どこから…?」
「髪が黒なので」
そう彼が笑うと、ごく平凡に見える顔も可愛く見えた。
……ものすごく、頭の上のひよこが気になるけど。
「えっと、九条さん…」
「龍一でいいよ。
これも何かの縁なんだろうし」
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「んー…。ちょっと野暮用でね、この村の近くを歩いていたら… な?」
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「村の近くを…?
龍一さん達は誰を捜しているんですか?」
「え?」
「…なんでもありません。だけど、龍一さん
あなたの捜しモノは此処にはないですよ」
「なんだと…!?」
「よせ、徹」
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しかし、
それを余所に…
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