- カ ミ ツ キ 御影 -

最初から知っていましたよ？

平然と言ってのける葉月にひよこは… 


『俺が悪かった。
だから、頼む…  御影、協力してくれないか？俺はお前に飼われるのだけは絶対嫌だ!!!』

「俺も… 口煩いひよこはいらないです」

まぁ、
灸も据えたことだし… 

「ハァー…。仕方ないですね。今回だけですよ」

『御影！！』

「ハァ、そもそもですね、火月様。俺の作った薬を被った時点で火月様が下手に隠さず一言、俺に謝ればよかっただけなんです。」


ピヨ！？

『マジかよ！？』 

「えぇ本当です。しかも、薬を作るのを得意分野としている俺ですよ？ひよこから薬の匂いがしましたから、すぐにわかりました。まぁ、氷雨を伴って来た時点で誰だかすぐにピンときましたが。

俺は何度か、あなたに言うチャンスを与えたんですよ？"このひよこの無愛想な雰囲気、誰かに似ていますね…"とか。


あなたはバレていないと思っていたのでしょうが。そもそも、あの薬の効果はとっくに消えていたんです。

しかし、戻らなかったのはあなたが薬の効果はまだ切れていないと思い込んでいた為であって…  あなたの意思というより、気持ちしだいで、いつ元に戻れていてもおかしくなかったんです。


なのに…

あなたときたら、


下手な芝居までして隠そうとするし、結局、法師に姿留めの呪詛をかけられ… 元に戻れなくなり、

…本当に、いい迷惑です」

ピヨ…

『悪い… 』


項垂れるひよこにさらに溜め息つきたくなった。