- カ ミ ツ キ 御影 -

もう、ひよことして俺に飼われたらどうですか

ピヨォォッッッ！！！

『こいつ、本気だ!!! 俺、確実に炙られるっっ!!』


ぽてっ。と尻をつき、呆然と座り込むひよこに葉月の据わっていた目が呆れた目へと変わる…

（……まったく！

いくら俺でもひよこ相手にそこまでしないんだけど。本当に… ひよこ姿は可愛いのに）


ハァ、と溜め息つけば、ひよこの小さな体がビクつく。


その見上げる、つぶらな目に…

「……もう、ひよことして生きていけばどうですか」


吐いた声色は自分でも思っていた以上に冷ややかなものだった。

ピヨォォォオッッ！？


『み、御影！！？

俺にこの姿で一生、過ごせというのか！？』


「いいじゃないですか。
その姿だって、可愛いですよ？」

ピ！？

『待て。本気か！？』


「だって、術を解くにはあの術士… 法師を捕まえないといけないでしょう？ いやですよ。俺、ただでさえ… あなたという子守を任されてるっていうのに… 面倒くさい」


ピヨッ！？

『こ、子守だと？！ 待て。それは俺のことか！？』


「さっきからそう申し上げているでしょう。…ひよことして生きていくのなら、最低限、餌と水だけはあげますから」

面倒くさそうに髪を掻き上げ、溜め息ついた。