- カ ミ ツ キ 御影 -

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ひよこ様、誕生!

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『…啓大?』

と、聞こえた氷雨の声に驚いた俺は


うっかり転んでしまった。その拍子に…

『あ』


二つの重なる声と、

ガシャーンッ!

ーーポタポタポタ…


ごちゃごちゃに積まれた瓶が落ち、中の液体を諸に被ったのは同時だった。

ドジったな…

と内心舌打ちし、目を開けると…


目に入ったのは黄色いふわふわの体毛だった。

『………何だ?』

よくよく周りを見渡せば世界観が丸っきり違う。何て言うか… 全てが大きくなった…? 首を傾げていると、ふと影が差す。


何だ?と見上げると、そこには唖然と立ち尽くす氷雨と腹を抱えて爆笑してる啓大の姿…

『おい、啓大は何を笑っている?
…いや、それより、何でお前達はでっかくなってるんだ?』


そう訊くも、

ピヨピヨッ!


『ん…?ピヨ…??』

自然と口から出る鳴き声にひたすら首を傾げていると、目を逸らしていた氷雨が無言で鏡を置いてくれた。


なぜ、目を逸らすんだ…?

氷雨がわざわざ鏡を置いたんだ。見ろ、ということなんだろう。特に何も考えもせず鏡を覗き込んでみると…


『……………』

そこには、

ムスッとした黄色い体毛のひよこが映っていた。
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