室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

…なに、呆けてるんです？踏ん反り返る国の番犬が！

床に散らばる窓ガラスの破片に、もはや､つい先ほどまで窓だったという原型さえない。しーん…と静まり返る中、ただ一人岬だけは平然としていた。

岬は銃撃戦の苦闘？の末に割れてなくなった外と中を隔てる窓硝子のない筒抜けの窓から、ひょっこり顔を出す――‥


「……なに、呆けてるんです？踏ん反り返る国の番犬が。そういえば、最近政治家や警察の汚職問題が目立ってきていますが、もうあれですね… 世も末ですよ。

誰のおかげで給料貰っているんでしょうね？仕事もロクにしない貴方々に支払われているお金は全て国民の税金からですのに。
   恩を仇で返すとは、まさにこのことですね？自分達は、ただ偉そうに踏ん反り返って、適当に仕事さえしとけばいいんですから…


ほら、今だってこうやって呆けている間も時間の無駄ですね。本当に仕事怠慢もいい加減にしてほしいものですね…この、税金ドロボー（ﾎﾞｿｯ）」


岬はマシンガントークの後、最後にﾎﾞｿｯと小声で言った。税金ドロボーと‥｡



岬は最後だけ声を小さくし、ﾎﾞｿｯと言ったのだが、なにぶん署内が静まり返っているため、小声にも関わらず広間全体に響き渡った。


――‥そして結城達はというと、ﾋｸﾋｸと表情を引き攣らせていた。