室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

…お前ってさ、敵に容赦ないよな

「…お前ってさ、敵に容赦ないよな」


ﾋｸﾋｸと口元を引き攣らせる光に岬は当然の如く言い放つ。

「ﾌﾝ！当然だ。この僕に喧嘩を売るんだ。僕に喧嘩を売る……即ち、それは死に値いする行為｡奴らだって、それを承知の上で来ているに決まっている」


と、岬は言うが‥

「……いや、それ違うと思うぜ？ 奴らの心情としては… 予想外なんじゃないか」


光は岬に言う。


           ――‥ が、


「…だとしても、だ。

奴らとて、しくじるわけにはいかないだろうからな‥ 必死なんだよ。自分達が死にたくないから…」


「えっ…それって」

望は岬に話の先を促す。


「…奴らのような組織は大抵、失敗は許されない。足手まといになる者は容赦なく仲間?同じ組織の人間に殺されるし、

与えられた任務に関しては、たった一度の失敗も許されない…… その先に待っているのは『死』のみ…｡」



「有りがちな話だけどよ、まさかこうも‥自分が巻き込まれていると思うと… かなり複雑な心境だな」

複雑な表情をする光に岬は言う


「…が、そんな他人の心配をしている余裕はないだろう？ 奴だって、違法なことを扱う組織に属した瞬間から、わかっていたさ、

まともな死に方で死ねないことぐらい…｡」


岬は、ただひたすら前を見据えて言った｡