室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

第1章 月森ヶ丘自由学園

チキンレース… なんてどうですか？

「やはり、新手が来ていますね‥」

岬のその言葉に全員が後ろを振り向く。そこには長めの銃を構えた男らを乗せた車が数台…､


「あぁ…もぅ終わりや！」

頭を抱えて喚く幸村、それと同様に兄の光に泣き縋る望に不安を隠せない光…。


「くそっ!!応援は一体何をやっているんだ!!」

いつの間にか無線機で応援を呼んでいた結城は苛立たしげに舌打ちする


そんな結城にちらりと一瞥し、岬は言った。

「来ませんよ」

「はぁ!!?どういうことだよ?!」


掴み掛かりそうな勢いで岬に振り向く結城に事もなげに言った

「先程ですかね‥｡  新手の追っ手が下っ端の後ろからついて来ていたそうで…

その後ろから来る結城先生が遣した応援のパトカーを片付けたんですよ？……と言っても、連中の狙いは僕らですからね｡殺している時間があれば、僕達を追ってくるでしょう…

よって、結論はパトカーのタイヤにでも弾を撃ち込まれ、足止めを喰らっているのではないか、と‥｡」


「くそっ!!」

「――ですので、先ずは追っ手を減らしましょう？」


無表情で告げる岬に、結城はどうやってだよ!!と怒鳴る｡

「それは勿論……チキンレースという競技でなんてどうです ?」


その岬の言葉に車内にいた全員がすぐさま反応した。