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第1章 月森ヶ丘自由学園

当然、手を抜いたに決まっているでしょう?

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「…お前が裏生徒会ねぇ?」

幸村の正体を知った結城は意味ありげに呟く。


「…結城先生、彼は僕の助手になりましたし、裏生徒会の会長とは交渉という名の取引もしましたし、もはや、僕の監視下に置かれている状態です。

それに、彼らは学園長を社会的追放という条件に乗ってくれました。僕も、風紀を乱す黒幕を学園から排除したいとのこと等で互いの目的は一致。


僕としては、学園長を排除及び、裏生徒会が一般生徒に手を加えないという…… まさに、一石二鳥なんですよ。ですから、裏生徒会の今までの事は目をつむって頂きませんかね?

 それと…


僕のことも口外しませんように。本当に警察である貴方とは関わり合いたくなかったのですが、

今回はやむを得ませんしね」



それに…、とさらに話を続ける岬。


「それに、警官である上に、医者の父 母を持つ貴方なら、怪しまれても上手くごまかせますし…」

「ほんとに、お前何者だ?ただのガキじゃねぇだろ?妙に鋭いし‥、かと思えば頭の回転は良いし、けど入試のときは普通…… Σハッ!!!

お前、まさか入試のとき、手を抜いたんじゃないだろうな!!?」


入試のときの結果とは裏腹に岬の頭の回転の良さに入試の点数を疑う結城、

「…当然、手を抜いたに決まっているでしょう?あんな簡単な問題に手こずる方が難しいですよ。ですが、外部から来たということもありまして…… 新入生代表でさらに目立ちたくありませんでしたので、

適当な問題に適当な数字を入れたまでのこと………って今は関係ないじゃありませんか」



話題がズレていることに気付いた岬は、文句ありげに結城を睨むが……


岬の言葉を聞いた光と幸村はというと、


(あ、ありえねぇ!!!ここ、一応エリート校だぞ!!?)


と、信じられない表情で岬をガン見する光に‥



(えっ…マジ?! あの問題が簡単やて!!?手を抜く方が難しいとか!!明らか、嫌みやろ!!?わいは…わいは……半分白紙で提出したんやで!!神様、あんまりや!!!)

と、心底泣きたくなった幸村だった――‥。
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