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第1章 月森ヶ丘自由学園

獲物を追いつめるのは得意です

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「ちょっと君達!!伊集院 会長に構われたいからって、図に乗らないでよ!!」


岬が葵と涙を連れて、食堂から出ようとするのを前に立ち塞がる小柄な少年達。

「…………」

「だいたい、生徒会の皆様が優しいからってオタクも、つけ上がって!!!生徒会の皆様に今後、一切近付くな!!もしも、近付いたら…今後学園にいられなくなるよ」


そう警告する会長の親衛隊隊長に、

「…ちょうどいいタイミングですね。僕も君達に話があったんですよ?実際、用があるのは親衛隊隊長である1-A 山谷君ですがね…」

僕は凍てつくような目を向ける…


「なっ!!なんで僕の名前を知っている!!?」

信じられないと驚愕に満ちた顔で後ずさる


外部生である僕に名前を当てられ、警戒心を強める山谷に僕は一歩一歩、足を前へ運ぶ…

「困るんですよね?山谷君。

君は初等部の頃から生徒会の親衛隊に入っているようですね?親衛隊隊長というので使命感があるのは構わないのですが、その親衛隊の取る行動範囲が少々過激すぎなのでは…? どうも、僕が調べたところ…

生徒を退学に追い込むどころか、自殺に追い込むような行き過ぎた行動が目立ちますが、これは一体どういうことでしょうか…?


勿論、説明はして頂きますよね?」


最初の威勢はどうしたのか、今はすっかり青ざめ後ろへと後ずさる山谷に僕は眼鏡を押し上げ、さらに追い込む…。

「…それとも、過去二年間の間に起きているこの学園の神隠し… 何なら、そちらの件をご説明されても構いませんよ?」


僕は淡々と告げていく中、ただ一人、親衛隊隊長の山谷だけは、ガタガタと震えていた。
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