室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

お前に出て行かれてはーー 私が困る。

「陛下もご存じのはずです。僕の性格を…」


元より縛られる気はないと遠回しにいうクリフェイドに、

「知っている。だが、お前に出て行かれては私が困る。」



「…別に敵に廻るとは決まっていないでしょうに」

しかし、まぁ…



「陛下が日本との友好関係を切るとは思ってもみませんでしたが――‥

そこまでして引き留めるなら、この国を出るのはもう少し先でもいいですかね…」


「国を出ること前提なんだ？」



アゼルの声にクリフェイドは振り向く。


「えぇ、まぁ…

少し調べたいこともありますし、国を出たほうが稼げるんじゃないかと」



「「「……………」」」


そう、いずれ――…

クリフェイドは、くすりと小さな微笑を残して踵を反し、


「いろいろと、ご迷惑おかけしました。失礼します――」



その部屋を後にした。


――ﾊﾟﾀﾝ…



――――……

――…

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