室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

これ、もちろん… 正当防衛ですよね？

「ちっ!」

思いもよらぬ警察らの登場にクリフェイドは小さく舌打ち、その様子にクリフェイドの首筋に顔を埋めていた男は怪訝げに眉を寄せた


その光景をカメラがド･アップで映す… それをノクスが阻もうと、手を広げて立ち塞がるがあまり意味がないようだ‥

白い肌に浮かぶ瞳は、澄んだエメラルドグリーン…
太陽の光を反射し輝く金色の柔らかな髪‥


そして、歪められる顔には銀縁の眼鏡。

どこかで見覚えのある顔の輪郭にマコーネルの眉間に皺が寄るばかりだ。……が、思い当たる節に確証がないため、些か顔をしかめる。

眼鏡をかけるか、かけないかで印象も違うためかマコーネルはすぐに確信には至らなかった。

「なんだ？警察??… 今から楽しいことすンだから邪魔すんなよ！」

デュークたちに向かって、クリフェイドの上で跨がる男はニタニタと笑う。


萩原ら、警察がそんな男たちを取り押さえようと足を前に出した刹那――‥

―― ｺﾞｷｯ!


嫌な音が聞こえた。

妙に重い沈黙に包まれる中、クリフェイドの上に跨がっていた男がﾋﾟｸﾘ、ともせず地面に横たわっていた。


代わりに・・・

「まったく、こっちが大人しくしていれば…」


身体を起こし、ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ！と手を叩く

眼鏡のブリッジを指先で軽く押し上げるクリフェイドの姿-…


足で軽く突くも、ﾋﾟｸﾘとも動かない男に何故か、周りは異様に静まり返っていた…

「「「……………」」」

「…し(ｺﾎﾝｯ!)気絶したみたいですね」


今、明らかに言い直したッスよね!? し!? それは死んだってことっスか？！

青ざめるノクスに、クリフェイドは眼鏡のブリッジを指先で軽く押し上げ…


「これ、もちろん正当防衛ですよね？」

正当防衛前提に言ってのけるクリフェイドのふてぶてしさに一同はア然とする。


「……って、なに青ざめてんですか。死んじゃいませんよ、彼。…その、殺しの現場を見た、とばかりの顔はなんです？やめてくれませんか？非常に不愉快です」

眉間に皺を寄せるクリフェイドは苛立たしげに、鋭い眼光をノクスらに向けた。