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序章 英国フォルティア学院
- 孤独な瞳と心の闇 -
しおりを挟むピクッ
「………室長…?」
眉をピクリと吊り上げ、クリフェイドを見るマコーネル、
「…………」
そんなマコーネルをちらりと目の端だけで捉えると、無言で部屋を後にした‥。
――…
「……で、もちろん…こうなった経緯を話してくれますね?」
「こうなったのは――…」
聞き終わったマコーネルは溜め息つく。
「ノクス、あなたが悪いです。それに、セイシェル…
嫉妬するのは構いませんが、室長に一々突っ掛からないで下さい」
「……そうは言いますが、ノクスを苛めるのは好意があるから… かもしれないですかッ!」
「それはありませんよ」
セイシェルの言葉をマコーネルは否定する‥
「彼は…感情が欠けている…… その穴を埋めるのは"闇"、歪んだ心…。 ですが、彼は気付いていません。自分の心に‥ その、自身の脆さに-
ーー裏切り、という言葉に敏感な彼に人を愛せるほどの余裕など、持ち合わせていませんよ。…そう、いつだって…… 彼は… "孤独"な瞳をなさっているのですから」
淡々と話すマコーネルの表情はヒドく悲痛なものだった‥。
「えっ…?」
「…別に室長と仲良くなれ、とは言いませんが… 彼を裏切るような真似だけは…」
少し言いよどんでから、マコーネルは言う
「裏切るような真似だけは避けて下さい。…私からは以上です」
カツカツという音と共に部屋を後にしたマコーネルはクリフェイドを捜しに出掛けた。
一方、職場では――‥
「お、おい… 今の聞いたか!あのマコーネルさんが…」
「マコーネルさんも人の心があったんですね…」
「…室長のアレ、どういう意味なんだろうな?」
他人であるクリフェイドの身を按じるマコーネルの珍しい光景に職場は、いっせいにざわつき始めた--
カツ――…
「…うちの室長に何か用ですか?ジェイムズ・ウィンディバンク財務大臣」
溜め池の辺で何やら揉めている様子の二人に、マコーネルは小さく溜め息ついて言った
「あぁ!君はマコーネル・レイド君だったな…?いや、なに、私はただ彼に社会の厳しさというモノを説いていただけだよ」
パシッ!
「えぇ、要らぬご忠告ありがとうございますウィンディバンク財務大臣」
肩に触れてくるハゲた男の手を払い落とすクリフェイドは、無表情…
「しかし、」
クリフェイドは睨んでくるジェイムズをいともせず、ただ淡々と言葉を返す‥。
「しかし、僕自身ならまだしも…
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無表情だけども、その強い鋭く威圧されるような強い瞳にジェイムズはただ、たじろぐ・・
「それに… 」
と言ったところで、マコーネルをちらりと見た
「いえ、これはまた後ほど‥
では、これにて失礼させて頂きます」
行きますよ、とマコーネルを引っ張って踵を反した
――――…
――…
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