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序章 英国フォルティア学院
つい、苛めたくなりますね
しおりを挟むふふっ…
あぁやはり… 貴方は可愛いですね。
鏡の前に立っては棒立ちし、頭を抱え始めたと思えば… 唸り始めるクリフェイドの普段取らぬ動揺故の行動に昴はくすりと笑う
「どうしたらいいんだ…っ !
僕の右目がおかしいことがバレたら… あぁぁぁーーっ!!!」
先ほどから、ずっとこの状態である‥。
右目に違和感を感じたと思ったら赤黒い文字らしきモノと紋章みたいなモノが浮かんでた……なんて、言えるわけがない!!ましてや、父さんや兄さんにバレたら…っ 絶対大騒ぎになるっ
そう、クリフェイドは右目の動揺よりも…
この瞳のことを父や兄たちにバレたら…ということに酷く動揺していた。
ん、ちょっと待て…… 動揺のあまり気付くのが遅れたが、昴はどうやって‥ 僕の部屋に入ったんだ…? 寝る前に鍵をしたはず…
父さんたちが来たときは鍵は閉まったままだった。(ドアだって鍵壊されたし)……じゃあ、昴はどうやって‥… この部屋に入ったんだ?
クリフェイドは昴に警戒心を表にする。それは素朴な疑問から生まれたものだった‥。
「昴…… 」
クリフェイドの双方の瞳が不安に揺れる‥
「お前………」
無意識に生まれた警戒心からクリフェイドは後ろへと後退する。そんなクリフェイドをおかしそうに笑う昴はゆっくりと近づく…
あぁ堪らない。なんて可愛いいんでしょう… その不安に揺れる魅力的な瞳、そそる表情… ですが、
ーーくすっ、
これ以上苛めると嫌われてしまいますね。
「大丈夫ですよ坊ちゃん… フフッ 最初に言いましたでしょう? 私は貴方の味方だと…」
クリフェイドの前に立ち、愛おしそうに頬を撫でる昴…
「そ、それより!何故、お前が怒ってるんだ!? 僕はお前を怒らせるようなことをしたか?」
いつもと違い、どこかご機嫌ななめな昴にクリフェイドは焦ったように早口で訊く
「クスッ、…怒りたくもなりますよ?昨日は帰ってくるなり、坊ちゃんはすぐに寝てしまいましたし。
……なにより、あの不愉快な糞天使の残り香は部屋に充満するんですよ?そのうえ、貴方の服にも付いてるんですから… 」
一端言葉を切り、満々の笑みを浮かべる
「これが苛つかずにいられますか」
という昴の頭には青筋が浮かんでいた。
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