室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

喧嘩売りに行ってきます！

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ーーーー…

　ん…?

理事長室の扉にノックをしようとしたクリストファーもといクリフェイドは足を止め、ふと後ろを振り返る…

「おかしいな。確かに今、人の視線を感じたが… 気のせいか?」



不思議そうに首を傾げるクリフェイドは気のせいだと思い、目の前の立派な扉をノックした


ーーコンコンッ!


「失礼します…」


扉の向こうからの返事も待たず、クリフェイドは扉をノックするなり勝手に入ってしまった。

バタンッと扉が閉まる。


その死角となる角では、複数の人間が必死に一人の男を押さえていた。

「ヒュー、落ち着け！なにを取り乱している！？お前らしくないぞ!!?」



そう諌めるのは、ヒューの同僚だ。実は仕事中、ヒューが険しい顔で詳細を明らかにせず、部下を何人か連れて何処かへ行こうとするものだから、何やら胸騒ぎがしてならなかった良き同僚は心配してついて来たのだ。そして今に至る。


一方、クリフェイドのほうはというと――…


ノックが聞こえたと思えば、失礼しますという声と共に勝手に開かれる扉。



中にいた理事長はもちろんのこと、予期せぬことに生徒会長は驚き隣に立っていたクリフェイドのクラスに来た転入生は驚きを隠せないようだ


え… なんで…?


そう問うような表情でクリフェイドを見つめる。


「こんにちは理事長。あぁ、すみません。この場合は初対面ですし… "はじめまして"のほうがいいでしょうか？」



そう首を傾げるクリフェイドの顔は無表情だ。


はっ… と我に返った理事長は冷ややかな目をクリフェイドに向ける


「君は確か…

クリストファー・サン・マルタン君だったね？亡くなったご両親の後を引き継いで伯爵になったとか…


ところで、君はノックしたようだが、私は入っていいという許可を出していない。許可を得ずに勝手に入ってくるなど、礼儀がなっていないんじゃないか？」


「礼儀、ですか…。

常識も礼儀もないあなたの口から"礼儀"という言葉が出てくるとは思いませんでしたよ」


さらりと嫌みをいうクリフェイド、転入生は不安げに見つめ、理事長は一瞬にして眉間に皺を寄せる

「ほう…？ 実に面白い。君は私に喧嘩を売っているのかね？」



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