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第1章 月森ヶ丘自由学園

チャレンジ精神は大切だと思う!

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「別にお前だけじゃない。僕もすぐに後を追う」

「イヤイヤイヤ!死ぬヨ?!この高さから飛び降りたら死ぬヨ!!」

「馬鹿か?そのまま飛び降りろ、とは言っていない」

クリフェイドは再び呆れた顔をすると、マコーネルに見えないよう崙に懐中電灯のような細くて小さいものを手渡す‥

「何ネ?これ…」


クリフェイドはその問いに小声で答えた

「それにスイッチがついているだろ?スイッチを押すと、パラシュートのような役割を持つから、絶対に手から落とすなよ?

掴むところには一応、凸凹の滑り止めがあるが‥‥

後、順路の変更や調整とかも出来ないからな?気をつけろ。……それは、僕が試しに開発した万が一の場合の緊急時脱出用の試作品なんだ。不満・クレームは一切、受け付けない」

「………嫌だヨ!!ボス。試作品って……かなり、問題あると思うネ!!因みに使ったことは‥‥」

「よかったな?お前が初だよ。この試作品を実際に使うのは」

ぽんっ!と崙の肩に片手を置くクリフェイドは視線で伝える

『さっさと、行け…』

と。


「…まさか貴方々、この状況で海に逃げよう…なんて馬鹿なことは考えていませんよね…?」

先程から様子がおかしいクリフェイドと崙の様子に俄に眉間を寄せるマコーネル。クリフェイドはそんなマコーネルの声を無視し、崙を引っ張って、崖から下の海を見下ろす


「見てみろ。海はあんなに穏やかじゃないか…

万が一、落ちても死にはしない。それに僕の友人が既に待機してるだろうし…」

「イヤイヤイヤ無謀ネ!!海は穏やかに見えるだけヨ;;それに友人が待機ってど『ぐだぐだ言わず、さっさと行け』

――げしっ!!

崙の声が途切れる。

クリフェイドの蹴りによって下へ落ちてしまった…
聞こえる崙の絶叫に、クリフェイドを除いた全員が唖然とする…

「し…室長!?あんた、何やってんですか!!?」

一番最初に我に返ったのはシフォンだった。

「貴方は一体、何を………!? しまった!!」

マコーネルがクリフェイドの意図に気付いたとき、既にクリフェイドはシフォンにアシスを頼むと伝え、自分もまた身を翻すと崖から海へ飛び降りていた

その光景に一番驚愕したのは言うまでもなく――…

「「クリフェイドっ!?」」

父アクシオン・シュバルクと兄のヒュー・シュバルクだった‥。

崖から海へ飛び降りた――… アクシオンとヒューはまさに全身の血の気が引く。

が、シフォンとマコーネルにしたら慣れているのか、シフォンはハァ‥と小さく溜息。マコーネルに関しては言うまでもなく、額辺りに浮き出ている青筋がさらに増えていた。

伊集院達は声も出せず唖然とし、アシスは溜息を零すシフォンに苦笑を浮かべ、逃げられた…と、怒りのあまり拳を握り締め震えるマコーネルを親友のレオが宥める

「まぁ…落ち着け。マコーネル。こんなこと、何も今日が初めてじゃないだろ?室長が"相変わらず"だっただけでも良い収穫じゃねーか…」

とマコーネルを宥めるレオだが、本当に宥めているのか実際、微妙なところである‥

――――――……
――…

その頃、クリフェイドは下へ急降下していた‥


――‥そろそろか。

クリフェイドは先程、崙に手渡した物と同じ物を手に持っていた。落ちるタイミングと下に着陸する距離を計算し、ボタンを押す

すると、シュル、シュルル…という音と共にあっという間に非常用のパラシュートが完成。

 バッ…と上にくる布が張り、急降下していたクリフェイドは、ゆっくり落ちて行く――‥

そして、海面間近に近づいたとき、一隻のモーターボートが近づいてくる

クリフェイドは、それを目で確認すると、モーターボートが真下へ、ちょうど来たときを見計らい、手をパッと離すと身軽に船の上に降り立つ‥

 タンっ!

        ぐらぐら――‥

クリフェイドが船に飛び降りたことにより、その衝撃で船が揺れる‥

そんなクリフェイドを恨みがましく睨むのは…

「…ボス、あんまりネ!!私、死ぬかと思ったヨ」

勿論、崙だ。

プンスカと怒る崙にクリフェイドは事もなげに言う

「だが、死にはしなかっただろ?」

「………確かに死にはしませんでしたが、少し無茶のし過ぎでは…?」

と、いきなり現れたのは崙と同じく賛同する後ろに黒髪を束ねた少年に、

「そうか?俺的には、別に普通だと思うが…」

そう話しに加わる黒縁眼鏡をかけた黒髪の少年だった。クリフェイドは、黒縁眼鏡をかけた少年の声に気づき、そちらに顔を向ける‥

「悪かったな、満。急にこんなことを頼んで…」

疲れた顔をするクリフェイドに満と呼ばれた少年は、お互い様だと苦笑いを浮かべた

 一方、崙はというと‥

クリフェイドの無茶ぶりに少々、疲れ気味。そんな崙を黒髪を後ろで束ねた少年が労っていた。
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