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序章 英国フォルティア学院

困ったときは力づくで。

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そのときに飲まされた(実際には飲んでいないが…)媚薬は、そのあと会長を叩きのめした後、部屋を出て、寮に帰るなり口の中から風船状のモノを取り出し、飲まされた媚薬を回収した。


いざ、というときに使えるだろうという保険のために――…。
あのあと、媚薬を飲ませたはずの僕がピンピンしていることを問う会長もだいぶ、しつこかったが次第に諦めた。本当に諦めたのかは定かじゃないが… 。 


もちろん、親衛隊も黙っちゃいなかったが僕自身に害となるものなら容赦しない。力づくで黙らせた。


それ以来、僕に親衛隊が付きまとうことはなかった。


しかたない… 今まで通り平凡な学生ライフを送りたければ、会長のお気に入りというクラスメートをこのまま放っておくことがベストなのだろうが・・

あいにく、僕はそこまで人間として腐ってはいない。まずはクラスメートの連中からどうにかするべきだと判断した僕は転入生に話しかけた。そのときの僕は、たぶん無表情だったと思う。普段から笑うことはない僕がめったに笑うことはないためだ。


転入生に話しかけた際、クラスメートたちの痛い視線が僕に集まるわけだが、当然が如く僕が一睨みすると、全員 そろって目を逸らす。

以前に、親衛隊ほどまでには到底及ばないが僕に嫌がらせをしてきたことがあった。もちろん、僕は誰がやったか知っていたため、遠慮なくそいつの机を粉々に粉砕させた。



それが堪えたのか、あれ以来クラスメートらは僕と視線を全くと言っていいほど合わそうともしない。

憂鬱なる一日が終わり、会長と転入生の関係を調べた結果、やはり彼は被害者だった。

日にちも変わり、あっという間に昼休みになる‥。本来、昼休みというものは友人たちと騒いだり、


美味しい飯を食ったりと楽しい時間のはずだが、彼にとっては昼休みそのものが苦痛のようだ。教室の入口をひたすら見ては何かに怯えるように青ざめていた。

廊下側から一斉に黄色い声があがる‥ そう、それは会長のお出ましを意味していた。


『――…君、私と一緒に生徒会室でお昼を取りましょう?』


そう転入生に言う会長は獲物を狙う獣の瞳をしていた。…絶望的な顔で俯く彼をちらりと見た僕は小さく溜息ついた。


さて、穏便に話しをつけることができるだろうか――‥

できれば、目立ちたくないが致し方ないと自身を納得させ、放課後に備えて僕は午後の授業をサボり、寮へと戻った‥。

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