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第1章 月森ヶ丘自由学園
ピンチです!
しおりを挟む「…隊長は、散々暴れると一気に酔いが廻って……あんなふうに気分が悪くなるんです」
シフォンにつられて岬に目を移す崙は、わぉ‥と僅かに目を見開く
そこには、シフォンの言ったとおりに一気に酔いが廻ったのか、吐き気を押さえるように口に手をあて、やたらと『ぅ゙…ッ!』という苦しげな呻き声を漏らす岬がいた。
「で、一通り気分が悪くなると‥‥」
シフォンの言葉に連なるように、くてっと力なく地面に崩れる岬、
「あぁして眠ってしまうんですよ」
シフォンに言われたとおりに目を向けると、顔色が悪いも、そこには寝息をたてる岬の姿があった。このとき、岬を前にして全員が誓う。霧島に酒を飲ませてはいけない、と…。
ようやく、全てが解決したと思った矢先、いつのまにか復活した学園長が眠りこける岬を人質にし、拳銃を岬の首に突き付けた
「よくわからんが、今まで散々やってくれたな?」
所々血を流しつつ、学園長はシフォン達に怒鳴り散らす
「ちっ…」
(…厄介だな。よりによって、アイツが意識を失くしたときに…)
学園長にもたれ掛かるように人質とされている岬の首筋には拳銃が突き付けられ、下手な行動ができない結城は小さく舌打ちする
「クックッ、本当に君達は私をコケにしてくれたな?ここからは私が主役だ!少しでも妙なことをしてみろ……彼の…霧島君の頭をぶち抜くからな?」
「委員長ーっ!!」
「岬君っ!!」
幸村と涙は岬を呼ぶが今だ顔色が優れないも岬の瞼は一向に開こうとしない。
「うーん…さすがにまずいね。クリフェイドは起きる気ゼロ?」
と、まずいと言いながらもアシスは悠長に首を傾げる。
「まずは、そこの金髪の君。こっちに来るんだ!!彼に死なれたら嫌だろう…?」
岬に銃を突き付けアシスを脅すように言う学園長、シフォンはアシスを後ろにし、前へ出た。
「馬鹿なことを言わないでください。彼をあなたに引き渡せば、俺はたちまち殺されますっ!!」
「………」
このとき、誰もが思った。誰に…?と。だが、その答えを聞くのが怖いためか、誰も口に出さず胸の内に静かにしまう。
「それと、彼を放してください。もしも、彼を殺せばあなたも無事じゃぁ、すみませんよ?」
冷ややかな目で学園長を睨みつけるシフォンは声を低くして言った
「彼は国に必要とされている存在であり、必要不可欠。彼を解放した方があなたの身のためですね」
シフォンの意味深な言葉に崙は僅かに目を細めるが円いサングラスで隠れてる為、外からはその僅かな変化も気づかれない‥。
「…国に必要不可欠?なんや、それ?シフォンさんは何を言うとるんや??」
さっぱり、わからん!と唸る幸村に崙はまた愉しげに口角を上げる
「銀髪君の言ってることは、そのままの意味を指すネ。そう、必要不可欠である存在は国を支える者を指す」
(そう…、例えば彼の祖国の機関の重役、とくに上に立つ者‥とかネ)
崙は憶測でそう考えるが実際のところ、崙自身も岬について何も知らないのもまた事実だった…。
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