476 / 516
第1章 月森ヶ丘自由学園
貴方、一度死んでみますか
しおりを挟む
「あれ~誰かと思ったら、俺の大親友のクリフェイドじゃないか! ぷっ‥なにそれ!その格好っ超笑えるんだけどーっ」
あははっ!と馬鹿笑いする青年に岬の顔に青筋が浮かんでいく
「……大親友? ハッ、馬鹿なことを言わないで下さい。冗談は顔だけにしてほしいですね」
「わぉ… いや~、久々の毒舌っぷり!うん!君はそれでこそ君だね!」
嫌味たっぷりな岬に対し、青年は悪気なしに思ったことを素直に言っただけなのだが、
「……ふぅ。貴方、一度死んでみますか」
銃口を彼の額にくっつけて無表情で言う岬は、まったくシャレにならない。シフォンが血相をかえて、二人の間に入り岬を宥めた。
「ちょっと俺の扱い酷くない??どこが気に入らないのさぁ? 素直に褒めただけなのに…」
そう不満げに愚痴る青年の言葉にシフォンは青ざめる。
(ちょっとぉぉおぉ!!?俺が必死に室長を宥めてるっていうのに、逆に煽ってどうするんですかぁぁ!!)
「殿下、お願いですから、それ以上、火に油を注ぐようなことを言わないでくださいっ!!!」
シフォンは必死だ。
そんなやり取りを静かに傍観していた崙は思う
(……空気読めない人ネ。私、こういう人種は苦手ヨ。けど、傍観者側からしたら、これ以上ないくらい面白い光景ネ!)
崙は崙なりに、この状況を愉しんでいた。
「ちっ…。これだから、馬鹿は嫌いなんです」
岬は隠そうともせず、堂々と舌打ち、
「ちょっ…馬鹿って、あんまりじゃない?仮にも、親友にさぁ」
「貴方、一度親友って言葉を辞書で調べてはいかがですか?僕には馬鹿な知り合いはいますが、親友は一人もいませんね」
”馬鹿な知り合い”をやたら強調して言う岬は、シフォンに向かって言った
「早く、この馬鹿を連れて行け。僕はまだやり残したことがある。」
シフォンと崙に告げると、岬は目を細め前を見据えた
───そこには‥
でっぷりとした身体に脂汗をかいている……
「お久しぶりですね?学園長…。」
学園長の姿があった。
「ふぅ‥。まったく、君は一体どこまで私の邪魔をする気かね?霧島君」
その顔は忌ま忌ましげに歪められている。
「さて、ね…。そんなもの、知りませんよ。
僕は… 人がせっかく楽しみにしてる学生生活をこれ以上、壊されたくないので」
岬は淡々と言い放つ───。
「…それと、貴方達いつまでそこにいる気なんですか。いい加減、邪魔なんで、さっさとその馬鹿を連れて行って下さい」
その岬の言葉にシフォンは青年を連れて走る
「崙、貴方もです」
シフォン達を見送る崙に告げる岬は、早く行けと促す
「私もネ!?」
「当たり前です。さっさと行って下さい。…シフォンだけでは心配ですし」
部下の身を按じる岬の目に崙は驚くが‥
「あの馬鹿が何も、しでかさないとは思えません」
その岬の言葉に、崙が、え…そこ?! と突っ込んだのは言うまでもない。
崙がシフォンらの後を追うのを目の端で捕らえると岬は前に佇む学園長へ視線を移す
「───で、スクワットは何処にいるんです?僕としては貴方に用はないんですが」
ズレ落ちる眼鏡をくいっと押し上げ、岬は鋭い目で睨み据えて言った
( 何かおかしい…)
ふと、岬は違和感を感じた。
さっきから違和感を感じていたが…… そうか!此処に来るまで見てきた限り、学園長の配下の者しか見ていないんだ。
それにしても何故だ?スクワットの拠点である筈のアジトに奴どころか、学園長を除いた奴の部下が誰一人いないのは、おかしすぎる……とすると‥
「…………」
--奴の性格から考えて、たかが下っ端連中に自分の城を好き放題にさせているとは考えにくい…。それに、学園長は僕がさっき言った”スクワット”という言葉に些か反応を示した。
僅かに眉が吊り上げたのは確かだ。野心深い学園長の性格を踏まえると、結論的には『裏切り』。…ま、今の段階だと、これが一番妥当な答えになるな。
岬は一つの結論に行き着くと、学園長を見据えて面倒くさそうに溜息をついた。
(…また、面倒くさそうなことに巻き込まれたな‥ハァ。組織内の紛争か)
スクワット、奴のような男がそう簡単にくたばるとは考えにくい。…いや、どちらにしろ学園長が邪魔には違いない。
ふぅ‥ 岬は一つ息をつき学園長に銃口を向ける。
「───すみません、学園長。貴方は僕にとって目障りな障害でしかならないので…
とりあえず、死んで頂けませんか…?」
酷薄な光が宿るその瞳に学園長を映し、岬が発した声は酷く冷たかった。
あははっ!と馬鹿笑いする青年に岬の顔に青筋が浮かんでいく
「……大親友? ハッ、馬鹿なことを言わないで下さい。冗談は顔だけにしてほしいですね」
「わぉ… いや~、久々の毒舌っぷり!うん!君はそれでこそ君だね!」
嫌味たっぷりな岬に対し、青年は悪気なしに思ったことを素直に言っただけなのだが、
「……ふぅ。貴方、一度死んでみますか」
銃口を彼の額にくっつけて無表情で言う岬は、まったくシャレにならない。シフォンが血相をかえて、二人の間に入り岬を宥めた。
「ちょっと俺の扱い酷くない??どこが気に入らないのさぁ? 素直に褒めただけなのに…」
そう不満げに愚痴る青年の言葉にシフォンは青ざめる。
(ちょっとぉぉおぉ!!?俺が必死に室長を宥めてるっていうのに、逆に煽ってどうするんですかぁぁ!!)
「殿下、お願いですから、それ以上、火に油を注ぐようなことを言わないでくださいっ!!!」
シフォンは必死だ。
そんなやり取りを静かに傍観していた崙は思う
(……空気読めない人ネ。私、こういう人種は苦手ヨ。けど、傍観者側からしたら、これ以上ないくらい面白い光景ネ!)
崙は崙なりに、この状況を愉しんでいた。
「ちっ…。これだから、馬鹿は嫌いなんです」
岬は隠そうともせず、堂々と舌打ち、
「ちょっ…馬鹿って、あんまりじゃない?仮にも、親友にさぁ」
「貴方、一度親友って言葉を辞書で調べてはいかがですか?僕には馬鹿な知り合いはいますが、親友は一人もいませんね」
”馬鹿な知り合い”をやたら強調して言う岬は、シフォンに向かって言った
「早く、この馬鹿を連れて行け。僕はまだやり残したことがある。」
シフォンと崙に告げると、岬は目を細め前を見据えた
───そこには‥
でっぷりとした身体に脂汗をかいている……
「お久しぶりですね?学園長…。」
学園長の姿があった。
「ふぅ‥。まったく、君は一体どこまで私の邪魔をする気かね?霧島君」
その顔は忌ま忌ましげに歪められている。
「さて、ね…。そんなもの、知りませんよ。
僕は… 人がせっかく楽しみにしてる学生生活をこれ以上、壊されたくないので」
岬は淡々と言い放つ───。
「…それと、貴方達いつまでそこにいる気なんですか。いい加減、邪魔なんで、さっさとその馬鹿を連れて行って下さい」
その岬の言葉にシフォンは青年を連れて走る
「崙、貴方もです」
シフォン達を見送る崙に告げる岬は、早く行けと促す
「私もネ!?」
「当たり前です。さっさと行って下さい。…シフォンだけでは心配ですし」
部下の身を按じる岬の目に崙は驚くが‥
「あの馬鹿が何も、しでかさないとは思えません」
その岬の言葉に、崙が、え…そこ?! と突っ込んだのは言うまでもない。
崙がシフォンらの後を追うのを目の端で捕らえると岬は前に佇む学園長へ視線を移す
「───で、スクワットは何処にいるんです?僕としては貴方に用はないんですが」
ズレ落ちる眼鏡をくいっと押し上げ、岬は鋭い目で睨み据えて言った
( 何かおかしい…)
ふと、岬は違和感を感じた。
さっきから違和感を感じていたが…… そうか!此処に来るまで見てきた限り、学園長の配下の者しか見ていないんだ。
それにしても何故だ?スクワットの拠点である筈のアジトに奴どころか、学園長を除いた奴の部下が誰一人いないのは、おかしすぎる……とすると‥
「…………」
--奴の性格から考えて、たかが下っ端連中に自分の城を好き放題にさせているとは考えにくい…。それに、学園長は僕がさっき言った”スクワット”という言葉に些か反応を示した。
僅かに眉が吊り上げたのは確かだ。野心深い学園長の性格を踏まえると、結論的には『裏切り』。…ま、今の段階だと、これが一番妥当な答えになるな。
岬は一つの結論に行き着くと、学園長を見据えて面倒くさそうに溜息をついた。
(…また、面倒くさそうなことに巻き込まれたな‥ハァ。組織内の紛争か)
スクワット、奴のような男がそう簡単にくたばるとは考えにくい。…いや、どちらにしろ学園長が邪魔には違いない。
ふぅ‥ 岬は一つ息をつき学園長に銃口を向ける。
「───すみません、学園長。貴方は僕にとって目障りな障害でしかならないので…
とりあえず、死んで頂けませんか…?」
酷薄な光が宿るその瞳に学園長を映し、岬が発した声は酷く冷たかった。
0
お気に入りに追加
668
あなたにおすすめの小説
ザ・兄貴っ!
慎
BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は…
平凡という皮を被った非凡であることを!!
実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。
顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴…
けど、その正体は――‥。
生徒会会長と会計は王道から逃げたい
玲翔
BL
生徒会長 皇晴舞(すめらぎはるま)
生徒会会計 如月莉琉(きさらぎりる)
王道学園に入学した2人…
晴舞と莉琉は昔からの幼馴染、そして腐男子。
慣れ行きで生徒会に入ってしまったため、王道学園で必要な俺様とチャラ男を演じることにしたのだが…
アンチ転校生がやってきて!?
風紀委員長×生徒会長
親衛隊隊長×生徒会会計
投稿ゆったり進めていきます!
親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』
生徒会補佐様は平凡を望む
慎
BL
※《副会長様は平凡を望む…》 の転校する前の学園、四大不良校の一つ、東条自由ヶ丘学園でのお話。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
『───私に喧嘩売ってるのでしょうか?』
南が前の学園で、副会長として君臨するまでの諸々、武勇伝のお話。
本人の主張する平凡とは言い難い非日常を歩む… そんな副会長サマもとい南が副会長になるまでの過程と副会長として学園を支配… 否、天下の副会長様となって学園に降臨する話である──。
BLゲーの悪役に転生したら予想外の展開でした。
たら
BL
はぁぁん??意味わからない。
【主人公】
前世→腐男子くん
前世は普通に平凡なオタクの腐男子。
周りには萌え系が好きと言っているが腐男子の事は墓場まで秘密にしている。
何故かめちゃくちゃハマってたBLゲームの大嫌いな悪役キャラに転生しててショック。
死んだ訳では無いのに意味わからん状態。
西園寺光輝 (さいおんじ こうき)悪役
超大金持ち西園寺財閥、西園寺家の御曹司。
我儘で俺様でありながら何でも完璧にこなす天才。
そのカリスマ性に憧れて取り巻きが沢山居る。
容姿は美しく髪は濡羽色で瞳は宝石のアメトリン。
ヒロインが攻略キャラ達と仲が良いのが気に食わなくて上手こと裏で虐めていた。
最終的には攻略キャラと攻略キャラ達に卒業パーティーで断罪されて学園を追放される。
ついでに西園寺財閥も悪事を暴かれて倒産した。
【君と僕とのLove学園】(君ラブ)
ストーリーとキャラデザ&設定が神すぎる上にボイスキャストも豪華でかなり話題になった大人気BLゲーム。
〜あらすじ〜
可愛い容姿をした超貧乏学生のヒロイン( ♂)がひょんな事から、道端で周りの人間に見て見ぬふりをされて心臓発作で蹲ってたLove学園の学園長を助けてお礼はいらないと言って立ち去った。
優しいヒロインの事が気になり勝手に調査したが、貧乏すぎて高校に行ってない事が分かり編入させるという形で恩返しをした。
そこから攻略キャラ達とラブストーリーが始まる!!
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ボクに構わないで
睡蓮
BL
病み気味の美少年、水無月真白は伯父が運営している全寮制の男子校に転入した。
あまり目立ちたくないという気持ちとは裏腹に、どんどん問題に巻き込まれてしまう。
でも、楽しかった。今までにないほどに…
あいつが来るまでは…
--------------------------------------------------------------------------------------
1個目と同じく非王道学園ものです。
初心者なので結構おかしくなってしまうと思いますが…暖かく見守ってくれると嬉しいです。
真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる