≪花の降る午後≫

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≪ロボットショウジキ≫

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核家族化、生涯未婚族、老人の孤独死ー。

時代も移り変わり、願ってか願わぬでかは分からぬものの、それは増え続けている。

人が人である以上、決してそれが人の温もりで無くっとも、人のような温もりにはありつきたい…

そう思って、然るべきなのかも知れない。

従来のロボット掃除機と、コミュニケーションが取れるロボホンを合わせたような新商品。

その名も…

ロボットショウジキ☆

このロボットへの指示とコミュニケーションは全て、口頭で可能であり、また出先からのスマホでの遠隔操作も可能である!

「ロボショ、部屋の中をくまなく掃除して!」

『分かりました☆』

素直であり、声も可愛い😍

しかし、このショウジキ全然掃除を始めない!

「ロボショ、早く掃除を始めて❗」

『かしこまりました☆』

「まだ⁉️」

『やらぬなら、やるまで待とうホトトギス☆』

「いや、もう相当待ってっから💢」
 
『短気は損気、怒る門には鬼来る☆』

「お前もう舐めてっと、叩き壊すからな💢」

『チッ…☆』

このロボットショウジキ、全然素直じゃない!全く役に立たない!口答えはする!舌打ちはする!

全然ショウジキではない所が、逆に人間味がある。

「今日、昼間に外からスマホで、細かい掃除の指示出しといたんだけど、やっといてくれた?」

『あ。やっといたよ☆』

テレビを観ながら横になって、たまに笑い呆けてるロボットショウジキ。

ケタケタと笑う背中は、容易にそれが読み取れる。

(こいつ、ぜってぇーやってねぇーなッ❗)

私は、秘技姑の指先★

フローリングの床を何ヵ所か、人差し指でホコリの付着を確認!

「うぉい!微塵も掃除してねぇーだろがッ‼️💢💢、ロボットショウジキとか言って、全然正直じゃなくてウソばっかじゃねぇーかよッ‼️💢💢」

『私の役目は、環境保全。CO2削減や御主人様の吐くメタンガスの吸引など☆』

「俺は、牛じゃねーわッ‼️」

『あーあー。じゃあ、あのメガネ掛けたラーメン屋の店主の…』

「角野卓造じゃねぇーわッ‼️」

『あ。いつもクッキーを焼いている…』

「ステラおばさんじゃねぇーわッ‼️」

『あーあー。映画監督の…』

「マイケルムーア監督じゃねぇーわッ‼️」

ツッコミ返しをする時に、思わず人差し指で自分の顔の輪郭の周りを、きちんとなぞってから言う辺り、私も多少板について来た感は否めない。

俺から見たロボットショウジキは、つまりだらしのない同居人。

いかにもな、男の二人暮らしって感じ。

ロボットショウジキが家に来て、ちょうど一年目の夜。

「今日で、僕が来てちょうど今日で1年。1年間のトーキングサービスが今日で終わり、以降は普通のお掃除ロボットとなります。1年間ありがとう!何も役には立たなかったと思うけど、君と過ごした楽しかった日々、消去されても決して忘れないよ!バイバイ☆」

そして、私は最後の選択を迫られる!

もう一度、ダメな同居人を更新するか?これ以降きちんと掃除はするが意思の無い掃除ロボとして更新するか?

私は………。



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