私と神様と時々おっさん

花雨

文字の大きさ
上 下
31 / 42
 京花の奮闘記

 京花のとある1日③

しおりを挟む

 私、青空京花には必ずするルーティンがある…

 お風呂に入った時、顔だけ水面から出し、内側からパタパタとフタを閉め、迫りくる水の恐怖を自ら演出するのだ♪♪
 この絶対パニック感がたまらないのだ♪♪
飽きてきたら、アマゾンの奥地の洞窟で大冒険している設定に変えたりもする…。


   10年前…

 やっぱり、お風呂入った時は絶対これだね♪♪
 今日はアマゾンの洞窟にしよう♪♪


 京花…京花…あれ??
 あの子いないわね…
 そしたら私、お風呂入ろうかしら…

 …ママだ!!今フタ開けられたらめっちゃ…気まずいやん…!!!
 お願いだから開けないで!!現実のパニック感は私求めてないの!!


 だが無情にもフタ開けられる…

 しかし人間とは不思議なものだ…絶対的、危機に直面した時、それに瞬時に対応するのだ…人間だけではない。他の生物も危機が迫るとその環境に適応し、時には形すら変えて進化してきたのだ…
 むろん京花も例外ではなかった…

 わー!!!ママー!!!ビックリしたー??!!!

 京花!!!ビックリさせないでよ!!……

 ママったらいつまで経ってもフタ開けてくれないんだもん♪♪
 待ちくたびれちゃったよ♪♪

 …まったく、あなたって子は…♪

 テヘ♪♪♪


 乗り越えたぞ!!!この絶対的危機感を!!!
 乗り越えてみせたぞ!!!

 そして足早に京花は自分の部屋に戻るのであった…

         作:花雨








 お父さん…お父さん…京花がお風呂で顔だけ水面から出してフタを閉めていたの…
 あの子、機転きかせて驚かせるフリするから、私も騙されたフリしたけど……あの子大丈夫かしら…。

 …。京花にはその話に触れるな…
 人には一つや二つ、言えない秘密ぐらいあるだろ…

 京花の家の壁は薄く、丸聞こえだった…
 そして京花はフトンを頭から被り、全て何もなかったという暗黒空間を自ら演出するのであった…



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。

ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの? ……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。 彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ? 婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。 お幸せに、婚約者様。 私も私で、幸せになりますので。

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

【完結】元妃は多くを望まない

つくも茄子
恋愛
シャーロット・カールストン侯爵令嬢は、元上級妃。 このたび、めでたく(?)国王陛下の信頼厚い側近に下賜された。 花嫁は下賜された翌日に一人の侍女を伴って郵便局に赴いたのだ。理由はお世話になった人達にある書類を郵送するために。 その足で実家に出戻ったシャーロット。 実はこの下賜、王命でのものだった。 それもシャーロットを公の場で断罪したうえでの下賜。 断罪理由は「寵妃の悪質な嫌がらせ」だった。 シャーロットには全く覚えのないモノ。当然、これは冤罪。 私は、あなたたちに「誠意」を求めます。 誠意ある対応。 彼女が求めるのは微々たるもの。 果たしてその結果は如何に!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

処理中です...