30 / 42
京花の奮闘記
京花のとある1日②
しおりを挟む…はぁ…昼間から近所の湖眺めてる私って何だろな…
しかも外は灼熱の太陽だし、干からびちゃうよ…
家でまったりしてればよかった…
ん…?あのおじいさん、いつもここで釣りしてる人だ…飽きないのかな??
お嬢ちゃん、お嬢ちゃん釣りは好きかね??
…。あ、話かけられちゃった。
私は釣りはしません。食べるだけです。
ホホホ…食べるだけか。
ものは試しにやってみるかね…。
でも何か難しそうだし。
ワシはこの湖で訳あって50年釣りをしておる。
ワシがレクチャーしてやるぞ♪♪
はい…えーとこの竿を投げればいいんですね…
エイ!…。
ホホホ…初心者にしては上出来じゃの。
…ん?さっそくですけど何か食い付いたみたいです…
お嬢ちゃんなかなかやるの♪♪そしたらそのリールを回すのじゃ…。
リール回すんですね…
…何か…見えてきました。
あ…!釣れました!…
何か色がレインボーの魚が…。
なんじゃと!!!
それはワシがこの湖で半世紀、追い求めても捕まえられなかった伝説の魚、トリニクじゃ!!!
……。素人の一投目で釣れる魚ってもはや伝説ではないのでは…汗 しかも名前がトリニクって……。
お嬢ちゃん、近くでその伝説の魚トリニクを見せてくれんか!!!
胸が高鳴るわい!!!
…はい……あ!……ポチャン…
………。
おじいさん、ごめんなさい…何かごめんなさい…。……。
いいんじゃ、いいんじゃ、一目でも伝説の魚トリニクを見れたんじゃ。
これでやっと、ワシもこの湖からやっと解放される……。
今日で釣りはおしまいじゃ。明日から家で隠居生活も悪くないしな。
本当にありがとう…お嬢ちゃん…こころから感謝するぞ…
いえいえ…私は何も…
ん…?また何か釣れたみたい…あ!!またトリニク釣れましたよ、おじいさん!!
今度こそ、近くで!!
もうええんじゃ…そんなに簡単に釣れたらもはや伝説でも何でもない…
ワシの…半世紀……。
京花は生まれて初めて罪を犯すのであった…。
作:花雨
次の日、おじいさんはいつものように釣りをしていた。
簡単に物事を成し遂げる者と苦労して物事を成し遂げようとする者。
神様はきっと後者に手を差し伸べるだろう…。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる