TS異世界生活記

ポカリ

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誘拐と犯罪と玩具扱い

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 目が覚めたら知らない場所だった。しかも、全裸で縛られていた。

「え? 何これ?」

「おお、起きたみたいだな。ええっと……マコトちゃんであってるよな?」

 そう言って近づいてくる男の人、数は3人。でも変なところがあった
 全員、仮面のようなものを付けているのだ。
 顔の上半分を隠すそれによってその男たちがいったい誰なのかはわからなかった。

「あの、なんでボクここにいるんですか?」

「ちょっとマコトちゃんにお願いがあってな、そのためにここに連れてきたんだよ」

 そう言われたボクは昨日の自分自身の行動を振り返ってみることにした。

 昨日はボクがギルドで働き始めてからちょうど1週間が経った日だった。
 アマンダさんからお祝いとしてお金を貰い、ギルド組員の行きつけのお店でたくさんの人たちと飲み会をやったことは覚えている。
 未成年のボクは最初はお酒を遠慮したが、別段飲まない理由は無い事に気が付き少しだけ飲んだ。ベロンベロンに酔う量じゃ無かった筈だ。
 その後、解散したボク達は家に帰っていて……思い出した!

 1人で歩いていたところをいきなり布のようなもので口を塞がれ、変な臭いを嗅いだ瞬間意識を失ってしまったのだ!
 つまりこの人たちは誘拐犯で、ボクを狙った計画的な犯行だと言える。

「い、一体ボクをどうするつもりだ!?」

「へへへ……今の自分の姿を見れば、予想はつくと思うがね」

 男の言うとおりボクは彼らの目的の1つがボクの体だという事は何となく予想が付いた。
 でも、それだけじゃないはずだ。
 さっき彼らはボクにお願いがあると言った。つまりは彼らの真の目的はそこにある。それは一体なんなのだろうか?

「まぁ、さっそく始めるか! 動くなよ……?」

「きゃっ!?」

 そこまで考えたところで、ボクは男に押し倒されてベットのようなものに倒れこんだ。
 ナイフでボクを縛る縄を切る男、それでもボクの手は後ろ手に縛られ自由に動かすことは出来なかった

「マコトちゃん、おっぱい大きいねぇ……! このおっぱいを自由にできるとは俺らはツイてるな!」

「全くだ、仕事のついでにこんないい女を抱けるんだからな」

「あっ!?」

 そう言ってボクの両側に陣取った二人がボクの胸を一つずつ揉み始める。
 遠慮なんてしないその動きにボクは声を上げてしまった。

「マコトちゃん、おっぱいの感度はいい方みたいだな」

「ああ、もう乳首が固くなってきやがった」

「……っん!」

「我慢しなくていいのによ。ほら、素直にさせてやるよ」

 自分の望まないえっち、つまり犯されているという状況でできる限りの抵抗としてボクは声を上げないようにしていた。
 でも、ボクの体は女の子になってから様々な経験をしたおかげでいやらしく開発されてしまっている。
 ボクの決意を吹き飛ばすように、男はボクの乳首をきゅっと抓りあげた。

「あんっ♡」

「ほら、声あげた。気持ちいいんだろ? 素直にヨがれよ!」

「だ、れが……!」

「あ~あ、素直にならない子にはお仕置きだな!」

 そう言ってボクの乳首を咥えこむ男たち。
 口の中で転がされる乳首がボクに確かな快感を伝えてくる。

 片方の男が舌でボクの乳首を転がしたかと思えば、もう片方は甘噛みをしてくる。
 どちらかに集中しているともう片方の責めが予想以上の快感を伴ってボクを襲ってくるのだ。

「はぁっ、あきゅん♡ もっうっ……♡ 止め、ああっ♡」

 弱々しい哀願は無視された。それどころか激しさを増す乳首責めにボクはより一層声を大きくする。

「あひっ♡ んんっ♡ くあぁっ♡」

 男の1人がボクの下腹部、ちょうど子宮のあたりを優しく撫でてきた。
 まるで、『我慢しなくていい、女の本能を開放しろ』とでも言うように。

(そこは……ダメっ♡ 今、少しづつ震えてきちゃってるからぁ……♡)

 犯されているというのにボクは快感を得ている。
 もし、いつもの様に快感を貪るスイッチが入ってしまえば男たちの思うがままだ。

 そしてそのスイッチとなるのは今優しく撫でられている子宮だ。
 ここが熱くなれば、ボクは快感の虜になってしまうだろう。

(我慢しなきゃ……我慢、しなきゃ……!)

 ボクは必死になって我慢した。乳首と子宮のあたりに全神経を集中して耐える。
 気持ちよくない、イかない……自分に必死に言い聞かせるボクは、いつもとは真逆の思考をしていただろう。

 でも、男たちのすることはいつもと同じだ。
 ボクは気が付かなかった。3人の男のうち、最後の1人がすでに裸になってボクの足を開かせていることに……

 ずぷっ、そんな音がした気がした。
 下腹部、いやおまんこに異物感を感じたボクだったがその正体を確認することは出来なかった。
 男にちんぽを挿入された途端イッてしまった故に、ボクは体をのけぞらせ叫ぶことしか出来なかったんだ。

「ああぁぁぁぁぁぁっっ♡♡♡」

「おらっ! まだまだイかせるぞっ!」

 暴れるボクの体を無理やり押さえつけると、男たちはそれぞれボクの体を責め始める。
 さっきまでと同じくおっぱい責める2人の男と、遠慮なしの動きでボクのおまんこにおちんぽを突き入れる残りの1人。
 ボクが絶頂しているというのに、彼らがその責めの手を休めることはない。

「やめれぇ♡ ぼきゅ♡ イッてる♡ イッてるからぁ♡」

「ああ!もっともっとイかせてやるよ!」

「ぶっ壊れる位にな!」

「あああぁぁっ♡♡♡ イッてるのにぃ……♡ またイッちゃうぅぅっ♡♡♡」

 その声を聞いた男たちはボクの口を塞ぎ、体を強く押さえつけた。
 そのまま激しさを増す男の腰の動きに対してなすすべもなく、ボクは絶頂させられてしまう。

「んんんんんんんんっっっっ♡♡♡」

 膣の中に熱いものが放たれる……きっと、ボクを犯す男が射精しているのだろう。
 ボクは叫ぶことも体を動かすことも叶わず、ただビクビクと小さな痙攣をすることしか出来ない。
 そのせいか、ボクの体には発散できなかった快感が残っているような気がした。

「さぁ、次は俺の番だ!」

「ふぁぁぁぁっ♡♡♡」

 おまんこからちんぽが抜かれたと思ったら、次の瞬間には別のちんぽが挿入される。
 情けない声を上げたボクの顔の横には、さっきまでボクの膣に入っていたおちんぽがあった。

「マコトちゃん、俺のチンコ綺麗にしてくれよ!」

 言葉にすればお願いだが、男の行動は強制的だった。
 ボクの鼻を摘み息ができないようにする。たまらず開けた口の中に、男は無理やり自身のおちんぽを挿れてきた。

「んぶっっ♡」

「ああ、あったかくて気持ちいいぜ……ほら、心を込めてご奉仕しろよ!」

 そう言って先ほどと同じようにピストン運動を始める男。ボクの口の中に変な味が充満する。
 けど、それ以上の問題は呼吸が出来ないことだ。
 鼻を摘まれた状態で喉の奥までちんぽを突き入れ垂れているせいで、息が出来ない。

(早く、終わらせないと……)

 ボクは口を窄め、舌を動かし口内のオチンチンの射精を促す。気持ちよさそうな男の顔を見る限りこれでいいのだろう。
 だが、射精はしなかった。息苦しさに頭がぼーっとしてきたボクの耳に、男たちの楽しそうな声が響く。

「おい、こいつ今マンコ超閉まってんぞ!」

「きっとチンコ舐めて興奮してんだろ! もっと行くぞ!」

 ボクの体の中にある2本のオチンチンが激しく暴れ始めた。
 跳ねる体を押さえつけられ声も上げられない状況が再び続く……。

(もう、ダメだ……息が、でき、ない……)

 ボクは死を覚悟した。犯され、おちんぽに呼吸を封じられて死んでしまうなんて笑えないけど、どうしようもない。
 人はどうやら窒息するときに痙攣するみたいで、ボクの体もその痙攣が始まっていた。

「うおぉ!?」

「ヤバッ!!」

 瞬間、放たれる精液。予想外の振動に彼らも射精してしまった様だ。
 おかげでボクの口と鼻は解放され呼吸が出来るようになった。

「次はお前の番だぜ」

「待てよ。この穴、お前らの精子でべっとりじゃねぇか。綺麗にしなきゃ使えねえよ」

 最後の男は手にペットボトルの様なものを持ってきた。
 よーく振ったそれを、ボクのおまんこに押し当てると……

「んひぃぃぃぃぃぃっ♡♡♡」

 カシュッ、という音がした。
 まるで炭酸飲料のふたを開けた時のようなその音を聞いた時、ボクのおまんこの中に激しい水流が入ってくる。

「おぉぉぉ……♡ んおっ……♡」

 いきなり最奥までたどり着く激しい水流に対して何の準備もしていなかったボクは、一気に絶頂し脱力してしまう。
 炭酸水の噴射で射精されたザーメンは綺麗に排泄されたけど、代わりにボクの体には相応の負担がかかっている。

「お前、鬼畜だろ!?」

「いきなりまんこの中に炭酸水噴出させるやついるかよ!」

「イイじゃねぇか、お前も気持ちよかったろ?」

 大笑いする男たちを見て、僕は思った。
 こいつらは、ボクを女としても、人としても見ていない……ただの玩具だと思っているんだ、と。

「……ボクは」

「あ?」

「ボクは、玩具じゃない!」

 大声で叫んだ。悔しかった。
 ただただ自分たちの欲求を満たすだけの物扱いはこんなに悔しいものだということを、ボクは初めて知った。
 
「へぇ? まだ抵抗しようとか思ってんのか? じゃあ――」

「あっ♡ くうんっ♡」

「ほ~ら、おまんこ気持ちいいよな? マコトちゃん!」

「あっ♡ ああっ♡♡♡」

 男は、ちんぽを挿入すると軽く腰を動かしてきた。
 開発され切ったボクのおまんこは、憎い相手からのレイプでも簡単に快楽を貪ってしまう。

 喘ぎ、鳴き、震えるボクの姿を見た男はニヤリと笑うと、くるりとボクを巻き込んで体を回転し、ボクの体の下に寝転んだ。
 むに~っ、とお尻を掴んで、左右に広げて……仲間たちに、ボクのもう1つのおまんこを見せつけるようにしながら、彼が叫ぶ。

「おい、こっちにもぶち込んでやれ!」

「ああ、言われなくても……そらよっと!!」

「んおおぉおおぉおおっっ♡♡♡」

 アナルにもおちんぽを挿れらたボクは、堪らず声を上げてしまった。
 それでも、ズプズプとお尻を穿つちんぽの感覚と快楽に嬌声を上げながら、必死に心を強く持とうとする。

「アナルも開発されてんじゃねぇか! ほら、気持ちいいんだろ?」

「よく、ないぃぃ……♡♡♡ 全然、気持ちよくな……あひぃいっ♡♡♡」

「嘘つくなよ。ほら、こんなに乳首固くしちゃって……!!」

「んあっ♡♡♡ ちくびぃ♡ 弄るなぁっ♡♡♡ ふぁっ♡ お尻も、叩くなぁぁぁっ♡♡♡」

 胸、乳首、おまんこ、お尻、アナル……全身を弄り回す男たちに抗議の声を上げるが、それも男たちには興奮のスパイスにしかならないようだ。
 ボクの必死の抵抗も空しく、彼らはボクの感じさせ方をどんどん理解し、ボクを屈服させるためにガツガツとボクの体を貪り続ける。

「こんなにエロくて敏感な体、玩具にする以外ありえないだろ!」

「お前はただ喘いで、ヨがってれば良いんだよ!」

「んあぁあああぁあああああっっ♡♡♡」

 男たちは、ボクの二穴を見事なコンビネーションで責め始めた。
 片方が奥まで突き入れると、もう片方は引き抜き、次の瞬間には最奥までおちんぽがやってくる。
 時には動きをずらして予想不可能にし、更には両方とも同時に突き入れたりもしてきた。

「あぁあっっ♡♡♡ んあぁあっっ♡♡♡ あっ♡ あぁあぁああっっ♡♡♡」

「気持ち良いだろ? 正直になれよ!」

 歯を食いしばって耐えようとしても無理だ。ボクは、男たちの思うがままに喘がされている。

「なぁ、マコトちゃん。素直になれよ」

 ボクの顔を持ち上げて目を見て言う最後の男。
 優しく話しかけてきた男はそのまま続けた。

「ちんぽは気持ちいいだろ? まんこもけつまんこも堪らないだろ?」

 その通りだ、さっきから気持ちいいのが止まらない。
 おちんぽに抉られる2つの穴が、正直に快感を伝えている。

「我慢するのは馬鹿らしいだろ? いいじゃないか、素直になったって……!」

 男は、頭を撫でながら言い聞かせるようにボクに話しかける。

 確かにその通りだ。こんなに気持ちいいことを我慢するのは馬鹿げてる。
 気持ちいいものは気持ちいいのだから、そう叫ぶことに間違いなんてない。

「ほら、言ってごらん? ボクは玩具ですって、ちんぽを気持ち良くする為の玩具ですって……そしたら、もっと気持ちよくしてあげるよ」

「もっと……キモチイイ?」

「ああ、そうさ。気持ちよくなりたいだろう? うん?」

 気持ち良い事のためになら何でもしてきたボクだ、いまさら何を躊躇う必要がある?

「言ってみようか? たった一言だけでいいよ。『ボクは、玩具です』って……それだけで、もっと気持ちよくなれるよ」

 そう言った男は犬を躾けるみたいにボクに優しく言い聞かせた。
 そんな男に向かって蕩けた顔でニコリと笑うボク、ボクは男の顔を見ながらゆっくりと声を出す。

「ボクは……ボクは……玩具、じゃ無い!」

 ……堕ちるもんか。こんな、最低の奴らに堕とされて堪るものか。

 確かにボクは変態だ、玩具扱いも悪くはないだろう。
 でも、それでもこいつらの言いなりになるのは嫌だ。

 ボクにだってプライドはある……ボクのことを大事にしてくれない男を相手に、屈服するのはどうしたって我慢出来ない。

「ボクは、玩具じゃ、むぐっ!」

「あ~あ、残念…もう優しくしねぇから覚悟しろよ。壊れるまでイかせてやるからな!」

 2回目の宣言をしようとした口の中にちんぽが挿れられた。
 俗にいう三穴責めという状態になったボクの体を、男たちは激しく責めてくる。

「んぶっ♡ んんんんんんっっっ♡♡♡」

 あっという間に絶頂するボク。
 でも、男たちは止まらない。それどころかその動きはどんどん激しさを増してきている。

「オラッ! 玩具にしてくれって言うまで輪姦してやるからな!」

「まだまだ続くぜぇ……!」

 女はイけばイクほど敏感になる。
 2回、3回と絶頂するたびにそのペースは早く、ボクの味わう快感は大きくなっていた。

「まずは膣出し1発目だ! 全身で受け止めろ!」

「アナルもイクぞ!」

「吐き出すなよ、全部飲むんだ!」

 男たちの動きが段々と早くなる。
 そして、それぞれが一番奥に突き入れた瞬間、3本のちんぽから熱い精液がボクの中に吐き出された。

「んむぅううぅううぅううぅうっっ♡♡♡」

 同時に感じた熱さは、ボクをものの容易く絶頂のさらに上まで押し上げてしまう。
 痙攣する体を無視して、男たちは体位を入れ替えて……また、腰を動かし始めた。

「マコトちゃん、後悔してももう遅いぜ」

「じっくり自分の立場ってものを教えてやるよ」

「もっとも、その頃マコトちゃんは壊れてない保証はないけどな」

 男たちの笑い声が響く、ボクはその日、休みなく全身を責められ続けた……。












「ふぅ……マコトのケツマンコはいいなぁ……」

「あっ、くぅん……♡ んほぉ……っ♡♡♡」

 ……それから、どれだけの時間が経過したかもわからない。

 今、ボクを抱いている男は1人だけだ。
 アナルに挿れたまま抜かずの3連戦を終えた男は、満足そうにボクの乳房を揉み始めた。

「あぁ……んっ♡ ふぁぁ……♡」

「甘~い声が出るようになったじゃねぇか、嬉しいねぇ」

 今までの責めとは違う優しい愛撫に、ボクが満足げな声を上げる。
 そんなボクを見てこれまた満足げに男は笑った。

「おう、一息ついたか」

「ああ、で、どうする?」

「決まってんだろ、本題だ……おら、マコト」

 そう言ってぺちぺちとボクを頬を叩くと、男はボクに向けて本来の目的を告げてきた。

「いいか? お前の知り合いにクリスっているだろ? そいつを、どこか人のこない場所に連れてこい。いいな?」

「く、クリスさんを……?」

「ああ……わかったのか!?」

 ぐりっ、ぐりっとお尻の穴を穿るように腰を動かして、おっぱいを強く揉んで……そうやって、快感でボクを躾けるようにしながら命令を口にした男たちへと、笑みを浮かべながらボクは言う。

「うん、わかった……お前たちの目的が!」

「なっ!」

 馬鹿な奴らだ。 
 ボクはずっと我慢して、こいつらの本当の目的を探ろうとしていたっていうのに、それをすっかり堕ちたものだと勘違いしてベラベラ喋ってしまうとは。

「もうお前たちの目的はわかった。クリスさんが狙いだっていうのならボクがそのことを伝えてあげればいい。そうすれば、きっと心当たりがあるだろうしね!」

「くっ!」

「どけだけ時間が経ったのか分からないけど、今頃ギルドではボクを探しているんじゃないかな? ここを見つけ出すのも時間の問題かもね? ……どうしたの、顔色が悪いよ?」

「てめぇ……っ!」

 こいつら、本当に馬鹿だなぁ。やり方を変えれば、いくらでも方法が有ったっていうのに。
 それに失敗したときのことも考えてなかったんだろうな。だから今慌てまくってる。

「お、おい! どうすんだよ?」

「くそっ! もういい、こいつはここで始末しよう」

「お、おい……!」

「どの道クリスに報告されたら終わりだ、俺たちは消される……なら、いっそ!!」

「消される……? それって、どういう……ぐっ!?」

 もしかしてこいつら、誰かに使われてるのか?いったい誰が、何のために……?
 そう思ったボクであったが、ぎゅっと強く首を絞められた瞬間、そんな考えは頭の中から吹き飛んでしまった。

「悪いなマコトちゃん、お前に恨みは無いが……ここで死ね!」

 息が出来ない、苦しい……死ぬ時までお尻におちんぽが挿いっているのが笑えるが、そんなことを考える余裕はなかった。
 ああ、こんなところで死んでしまうとは情けない。ボクに誰か、復活の呪文を――

「げはっ!? はぁ、はぁ……?」

 ……ぼやけていく頭で、ボクがそこまで考えた時だった。急に苦しさが消え目の前の男が横に吹き飛んだのだ。
 一体何が起こったのだろうかと事態を飲み込めないボクの耳に、聞き覚えのある声が届く。

「マコト、無事か!?」

 声が聞こえてきた方向を見ると、杖を構えたバーバラとクリスさん、そして何人かのギルドのメンバーの姿が見えた。
 どうやら、行方が分からなくなったボクのことを、ギルドの面々が総出で探し回ってくれていたみたいだ。

「貴様ら、覚悟しろ!」

 剣を抜くクリスさんの表情は完全に怒り狂っている。
 だが、男たちも黙っている訳じゃない。ボクのお尻に挿入したままの男がボクを、人質に壁に張り付くようにして立ち上がった。

「動くな! こいつがどうなってもいいのか?」

「……予想通りの行動だ、ドニ!」

 合図と同時に後ろの壁が壊れ、男が吹き飛ぶ。
 ボクも男から離れ、床に倒れ伏した。

「外道が……生きて帰れると思うなよ!」

 怒気を孕んだドニの声に身を竦ませる3人の男。
 ドニの横から出てきたギルドの男がボクに自身の上着をかけてくれた。

「うちのギルドの仲間に、何してくれてんだ? あぁ!」

「許すわけにはいかないね」

 1人は銃を構え、もう1人は拳を鳴らしながらドニと共に男に近づく。
 ボクはというと、これまたギルドメンバーの女の子とクリスさんに抱えられていた。

「すまない、助けに来るのが遅くなった」

「クリスさん、あいつら、クリスさんを……」

「今はいい。ゆっくり休むんだ」

 女の子が何か呪文を唱えると急に眠気が襲い掛かってきた。
 抗えぬ眠気に負けたボクはそのまま瞳を閉じ……ようやく訪れた休息の時に身を浸らせるのであった。











「えっ!? 死んじゃったんですか、あの3人!」

「正確には殺された、だろうな……もちろん私たちがやった訳ではないぞ」

 その後、目を覚ましたボクにクリスさんの聞かせてくれた話をまとめるとこうだ。
 ボクが気絶した後すぐさまあの場はクリスさんやドニたちによって制圧され、男たちの身柄は確保出来た。
 だが、その場になぜか騎士団が表れたのだ。

「おそらくあれは貴族騎士団だろう、文字通り貴族の騎士団だ」

 その貴族騎士団は3人の男を無理やり引き取るとそのまま連行していった。あまりの勢いに、クリスさんやドニたちも抗議する間もなかった様だ。

 そして今朝、男たちの死体が見つかった。
 男たちは仕事のないならず者で、喧嘩か何かに巻き込まれたのであろうという事になり、捜査は打ち切られてしまったとのことだ。

「私と接触していることを知った誰かが、あいつらに依頼してマコトを攫ったんだろう。人質として、マコトを使うためにな」

「誰かって、誰が?」

「おそらく、貴族騎士団だろうさ。私は、奴らにとって目の上のたんこぶだからな。消えて貰いたいのさ」

「そんな、ことが……」

「マコト、今回はこの国の騎士団の勢力争いに君が巻き込まれてしまったという事だ。この国の騎士を代表して私が詫びよう」

「そんな、クリスさんは悪くないじゃないですか!」

「……あいつらがなりふり構わずこんな手を使ってくるとは予想できなかった。私の親しい者を狙うとは……!!」

 痛々しい表情で俯くクリスさん。
 しばらくした後、ギルドの皆のお見舞いが来たところで彼女は帰っていった。

 今回の事件でボクは痛感したことがある。それはボクが弱いという事だ。
 それはまぁ、ボクはもともと剣にも魔法にも縁のない世界で生きてきたのだ、戦闘能力が低くても仕方がないだろう。

 でも、この世界で生きると決めた以上、自分の行動に自分で責任を取れるくらいの力がなければなるまい。
 それに、このまま皆に助けられ続けるのは絶対に良くないと思った。

 世話になった人、友達、そういう人たちに世話になりっ放しではダメだ。

(強く、ならなきゃ……!)

 ボクは決心を固めると、そのための方法を考え始めるのであった――
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