TS異世界生活記

ポカリ

文字の大きさ
上 下
1 / 63

はじまりと性転換と処女喪失

しおりを挟む
「で、なんだけどさぁ……」

 ボクは目の前の女の人に声をかける。言ってはなんだがボクは今非常に不機嫌だ。目の前の女の人はそんなボクのことを気にもしないでニコニコ笑ってこっちを見ていた。

「あのですねぇ! 今、ボクに起きていることを説明してほしいんですけど!」

「どうぞどうぞ、質問して頂戴」

 にこやかな笑顔のまま、ボクにそう告げた女性は質問を促す。正直、答えてほしいことは山ほどある。だが、真っ先に聞くのはこれしかない。

「なんでボクは女の子になってて、しかも今処女奪われてるんですか?」

そう、今現在体が全く動かないボクは一糸まとわぬ裸というやつで、しかもなぜか股座に細長い棒が突き刺さっており、その棒からは乙女の純潔を奪った証である赤い血が垂れていた。

「絶対におかしいですよね? ボク男ですもん!」

 ボクの大声の質問にもとりあえず女性はニコニコしたままだ。そんな女性を見ながらボクは昨日の自分が何をしていたか思い出す。
 ボクの名前は田中真たなかまこと、高校2年生の16歳だ。そんな僕は昨日1学期の終業式を終えて夏休みに入ったばっかりだったりする。
 家に帰り、特に予定のない夏休みをどう過ごそうかなどと考えながら眠りについて、気が付いたらこのよくわからないオーロラの中の様な場所で目を覚ましたということである。ただし、女の子の体になってだが。

 ボクは非常に可愛い女の子らしい顔つきらしい。あまり高くない身長も相まって女子に間違えられることもしばしばある。
 そんな僕が目を覚ましたら巨乳の女の子になってたなんて冗談にしても笑えない。そもそもここはどこなのか? 夢であるならそれに越したことはないが、残念ながらそうではないだろう。

 何故かって? 答えは簡単、股に刺さってる棒の感触が生々しく痛みを伝えてくるからだ

 夢だったらこんなことはないだろう、つまり、認めたくはないがボクは女の子になって処女をこの棒に奪われてしまったということだ。……言ってて頭痛くなってきた。

「え~っと、あなた、田中真君で間違いない?」

 女性の質問に頷くボク。なんでボクが質問に答えてるんだ!?

「高校2年生、現在16歳今年17歳。家族はすでに他界、親戚もいない。恋人も特に親しい友人もいない……で間違いない?」

「そうですよ! いったいなんなんですかこの状況は? 答えてくださいよ!」

「落ち着いて、落ち着いて」

 そういってボクに近づいてくる女性。この人かなりの美人だってことに気が付いたが今はどうでもいい、この状況の説明が先だ!

「え~っとね、信じられないかもしれないけど、私が話すことはみんな真実だからそれを前提に話を聞いてね?」

「……わかりました」

 憮然とするボクだが仕方がない、この女性の話を聞いてやろう。

「ありがとう! じゃあさっそくだけど……おめでとうございます! あなたは別世界で生きる権利を得ました! で、今その準備中で~す!」

「はぁ?」

 素っ頓狂な声を上げるボクに女性は落ち着くように言うと話を続ける。

「申し遅れました、私、バランスの女神で~す!」

「バランスの……女神ぃ!?」

 女性こと女神のいうことが受け入れられないボクは、とりあえず大声で叫んだのであった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...