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魔王は記憶するのが苦手
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魔法を使う魔力の動きを感じたらすぐに首を落とすかつ自死しない、という約束(契約)で、拘束を解いてもらった。
手首や足首にしっかりと跡が残ってしまい、その跡に何回も口をつける食事係が気持ち悪いことったらありゃしない。手首を持っていた大きくすらりとした手が首にのびて覆ったかと思うと、首輪が似合うねなどと言い出したときは殺してくれと思った。
「弱そうにやわく巻いた髪も、それと同じようなこの角の巻き方も、困ったような眉も、眠そうな瞳も、赤ちゃんみたいに泣き言が似合う小さい口も、筋肉のきの字もなさそうな真っ白い身体も。エティちゃんの全部可愛いよ」
髪や頬に所構わずキスを降らしてくる。
「願わくば穴を開けてしまいたいところだけどね」
そういって手が胸と下の大事なところに伸びてくるものだから、もう本当に死にたくなった。
「んと、キファー、カラモス、プリュ……」
順に、食事係、金髪短髪、金髪ロングの名前である。
キファーは、人間界で女性が良く読んでいる漫画に出てきそうな顔……いわゆる王子って感じだ。まつげが長くて音がしそうで、ふんわりしているように見えるのに意思が強そうである。人間界の眩しい空みたいな色で、瞳にひまわりが咲いている。
カラモスは、ちょっとだけ怖い。焼けている健康的な肌に口角の上がった口が良い人そうにみせかけて悪い人にいそうなのだ。魔界で下位の魔物から、獲物を奪うことで生きている人間界では精霊と間違われる魔物に似ているから。人当たりの良さそうな顔が。目は切れ長で、覗く瞳からマリーゴールドが咲いている。
プリュは、金髪で結んでいて腰まで長くて邪魔そうである。ウインクしたら淫魔も釣れそうな感じで、僕の好きな泣き黒子と口元のほくろが目立つ。くっきりとした紅い瞳で、燃えてるみたいだ。ウインクから星が飛びそう。
脳内に特徴とをメモする。僕は自覚があるほど覚えがわるいのだ。
「エティも自己紹介してほしいなあ」
城が制圧されて7日ほど経ち、なぜかスプーンなどで食事を与えられるのがふつうになってきた。
「魔王です。エテュべという名前を与えられました。先祖返りで半獣です。人間界のたべものが好きです」
わあと棒読みと拍手が起きる。きょうの食事はカレーライスだ。美味しい。
食材は大量に置いてあって、しかも大半は人間界のもののため、人間界の食事が続く今はかなり食べ物に関して幸福である。
「三人は、いつ人間界に戻るんですか?」
「ああ、考えてなかったな」
カラモスはカレーライスではなくカレーとパンを別々に食べている。
彼らは魔王を殺しにやってきた筈なのに、僕はこうして元気に食事をしてしまっていた。
「賞金めがけてたけど、人間界より魔界のほうがなんか平和だし、ペットも居るし、住みやすくねぇ?」
「一理ある。キファーは?」
「エティはもう殺せないよ。ペットにしたい」
もしかして、プリュの言ったペットって僕のことなんじゃ……。
「ペットだろもう」
「飼い主がさいごまで責任とって育てなきゃねぇ」
プリュが手を伸ばしてわしゃわしゃと髪をまぜる。てきとうにぐしゃぐしゃにするくせに、撫でたあとはきちんと整えてくれるのだ。変なことろが丁寧である。
人に撫でられるのはまんざらでもない。
寝室のみであるが、絨毯は裸足で歩けるようになり、城が襲われたとき以前のような姿になっている。窓からは半分の月が2つ見えた。
「さて、エティが正式にペットになったことだし首輪をつけよう」
「え?」
困惑している間に背後をプリュにとられ手を拘束された。キファーの手には鎖のようなものと、細い金属のようなものがある。
カラモスが僕の着ている服をたくしあげ視界が服になり、プリュは頭にキスを落とす。混乱していると、キファーの手が胸に触れた。解すように全体を揉み、固くなった2つの芽に優しく触れる。じわりとしびれる感覚がして、あつい息をはいた。視界が悪い分、その他の感覚が尖っているのだ。ふと熱い芽の先に冷たいものが触れた。
「いっ!、?」
痛いような熱いような感覚がしている矢先、右だけでなく左にも同じ衝撃が走る。
無機質なそれで乳首が引っ張られると痛くて泣きそうになった。
シャツが完全に脱がされると、自分の姿が鏡を通して目に映る。
両の乳首からチェーンが繋がっていて左には宝石がぶらさがっている。左は若干重さを感じるが、右はなにかが通っている違和感しかない。
後ろに回ったキファーが、金属製の輪を僕の首に嵌めて、またチェーンとチェーンを繋いだ。
「……なんか破廉恥じゃないですか?」
「んんっ……そうかもね」
半笑いで答えたプリュにむっと口を尖らせると、キファーにキスをされた。
「エティは間違ってないよ」
「やっぱり。なんか変じゃ、いたぁっ……?!」
くいと首輪と繋がるチェーンを引っ張られて息がつまる。むり、乳首取れる。
「ペットらしい姿になったな」
人間の倫理観おかしいだろ。
「……僕にも人権が欲しいです」
「人じゃないからむりだな」
手首や足首にしっかりと跡が残ってしまい、その跡に何回も口をつける食事係が気持ち悪いことったらありゃしない。手首を持っていた大きくすらりとした手が首にのびて覆ったかと思うと、首輪が似合うねなどと言い出したときは殺してくれと思った。
「弱そうにやわく巻いた髪も、それと同じようなこの角の巻き方も、困ったような眉も、眠そうな瞳も、赤ちゃんみたいに泣き言が似合う小さい口も、筋肉のきの字もなさそうな真っ白い身体も。エティちゃんの全部可愛いよ」
髪や頬に所構わずキスを降らしてくる。
「願わくば穴を開けてしまいたいところだけどね」
そういって手が胸と下の大事なところに伸びてくるものだから、もう本当に死にたくなった。
「んと、キファー、カラモス、プリュ……」
順に、食事係、金髪短髪、金髪ロングの名前である。
キファーは、人間界で女性が良く読んでいる漫画に出てきそうな顔……いわゆる王子って感じだ。まつげが長くて音がしそうで、ふんわりしているように見えるのに意思が強そうである。人間界の眩しい空みたいな色で、瞳にひまわりが咲いている。
カラモスは、ちょっとだけ怖い。焼けている健康的な肌に口角の上がった口が良い人そうにみせかけて悪い人にいそうなのだ。魔界で下位の魔物から、獲物を奪うことで生きている人間界では精霊と間違われる魔物に似ているから。人当たりの良さそうな顔が。目は切れ長で、覗く瞳からマリーゴールドが咲いている。
プリュは、金髪で結んでいて腰まで長くて邪魔そうである。ウインクしたら淫魔も釣れそうな感じで、僕の好きな泣き黒子と口元のほくろが目立つ。くっきりとした紅い瞳で、燃えてるみたいだ。ウインクから星が飛びそう。
脳内に特徴とをメモする。僕は自覚があるほど覚えがわるいのだ。
「エティも自己紹介してほしいなあ」
城が制圧されて7日ほど経ち、なぜかスプーンなどで食事を与えられるのがふつうになってきた。
「魔王です。エテュべという名前を与えられました。先祖返りで半獣です。人間界のたべものが好きです」
わあと棒読みと拍手が起きる。きょうの食事はカレーライスだ。美味しい。
食材は大量に置いてあって、しかも大半は人間界のもののため、人間界の食事が続く今はかなり食べ物に関して幸福である。
「三人は、いつ人間界に戻るんですか?」
「ああ、考えてなかったな」
カラモスはカレーライスではなくカレーとパンを別々に食べている。
彼らは魔王を殺しにやってきた筈なのに、僕はこうして元気に食事をしてしまっていた。
「賞金めがけてたけど、人間界より魔界のほうがなんか平和だし、ペットも居るし、住みやすくねぇ?」
「一理ある。キファーは?」
「エティはもう殺せないよ。ペットにしたい」
もしかして、プリュの言ったペットって僕のことなんじゃ……。
「ペットだろもう」
「飼い主がさいごまで責任とって育てなきゃねぇ」
プリュが手を伸ばしてわしゃわしゃと髪をまぜる。てきとうにぐしゃぐしゃにするくせに、撫でたあとはきちんと整えてくれるのだ。変なことろが丁寧である。
人に撫でられるのはまんざらでもない。
寝室のみであるが、絨毯は裸足で歩けるようになり、城が襲われたとき以前のような姿になっている。窓からは半分の月が2つ見えた。
「さて、エティが正式にペットになったことだし首輪をつけよう」
「え?」
困惑している間に背後をプリュにとられ手を拘束された。キファーの手には鎖のようなものと、細い金属のようなものがある。
カラモスが僕の着ている服をたくしあげ視界が服になり、プリュは頭にキスを落とす。混乱していると、キファーの手が胸に触れた。解すように全体を揉み、固くなった2つの芽に優しく触れる。じわりとしびれる感覚がして、あつい息をはいた。視界が悪い分、その他の感覚が尖っているのだ。ふと熱い芽の先に冷たいものが触れた。
「いっ!、?」
痛いような熱いような感覚がしている矢先、右だけでなく左にも同じ衝撃が走る。
無機質なそれで乳首が引っ張られると痛くて泣きそうになった。
シャツが完全に脱がされると、自分の姿が鏡を通して目に映る。
両の乳首からチェーンが繋がっていて左には宝石がぶらさがっている。左は若干重さを感じるが、右はなにかが通っている違和感しかない。
後ろに回ったキファーが、金属製の輪を僕の首に嵌めて、またチェーンとチェーンを繋いだ。
「……なんか破廉恥じゃないですか?」
「んんっ……そうかもね」
半笑いで答えたプリュにむっと口を尖らせると、キファーにキスをされた。
「エティは間違ってないよ」
「やっぱり。なんか変じゃ、いたぁっ……?!」
くいと首輪と繋がるチェーンを引っ張られて息がつまる。むり、乳首取れる。
「ペットらしい姿になったな」
人間の倫理観おかしいだろ。
「……僕にも人権が欲しいです」
「人じゃないからむりだな」
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