神様のせいで不運を被った少女は異世界で幸せになります!

海野すじこ

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第8話 姉がいなくなった後(妹side)

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双子の姉が亡くなった。

私はどうして...姉が冷遇されているのをただ傍観していたのだろう。

生まれた頃から、姉とは不思議な絆を感じていた。

何をするのも一緒がいいと思った。

常に一緒に居たいと思った。

双子だからだろうか?


二人で一人だと思っていた。

心ではそう思っているのに...心から姉を求めているのに...何故か姉の前では心とは反対のことを言ってしまうのだ。

姉を、何回も助けたいと思ったのに...助けようとすると体が動けなくなる。

言葉は毒しか吐けなくなる...姉を傷つけることしかできないのだ。

いつも姉を傷つけるたび...心が張り裂けそうになる。

もう姉を傷つけるのはやめて....毎回心の中で騒いでいる。

私は何か悪い者に取り憑かれているのだろうか...?

姉を傷つける度に心の中に潜むもう一人が喜ぶ。

お願い...もう大事なお姉ちゃんを苦しめないで...。

お願い...誰か私を止めて...。


お願い....お願いだから...。

誰か私を助けて...私からお姉ちゃんを守って...。

お願い...私を殺して...。


私はなるべく姉に近付かないようにしていた。
私が側にいるとお姉ちゃんが絶対に傷つくから...。

どんなに側にいたくても...大事だからこそ..誰よりも大事な人だから...私のせいで大好きなお姉ちゃんが傷つくなんて嫌だ...。

お願い神様...私はどうなってもいい...だからお姉ちゃんを守って。

私にはお姉ちゃんがすべてなの...。

私が私の中の悪魔を抑えていられる間に...私を殺して。もうお姉ちゃんが傷つくのは嫌なの..。

何回も何回も死のうとしたが...私の中の悪魔がそれを許さなかった。

そしてその度にお仕置きと言わんばかりに姉を傷つける。

お願いやめて...。嫌だやめて...。
悪魔は苦しむ私を見て腹の底から楽しそうに笑う。

私は一体どうすればいいの...?

どうすれば...大好きなお姉ちゃんを助けられる?

そんな時、お姉ちゃんを守る騎士ナイトが現れた。

これでお姉ちゃんの心は救われる...。

私は安心した...。
遠目で二人が親しげに話す姿を見つめてやっと救いがやって来たと安堵した。

しかし...私の中の悪魔はそれを許さなかった。

お願いやめて...。

お姉ちゃんの幸せを壊そうとしないで...。

お願い...お姉ちゃんだけは解放してあげて...。


私が代わりにどんな罰でも受けるから...お願いよ...。
私のお姉ちゃんをこれ以上苦しめないで...。


しかし悪魔は私に更なる絶望を与えようとする。

姉を守る彼を篭絡しろと...私の意識を乗っ取ろうとする...そんな事はさせない。

彰さんを見ると胸がドキドキして、姉といる姿を見るとドロドロとした負の感情がわいてくる。

わかっている。
これは悪魔の罠だ...。

絶対にそんな罠には引っかからない。
私は悪魔に抵抗した。

すると悪魔は...彰さんの周りの人達を魅了し始めた。

私を好きになるように...。

そしてお姉ちゃんを見下すように...。

こんな事をしたって彰さんが騙される訳ない...。

だって彰さんはお姉ちゃんの事を愛しているのだから。

たぶんお姉ちゃんも彰さんのことが好きだと思う。
彰さんと出会ってお姉ちゃんはとても綺麗になった。

楽しそうに、彼の前でだけは楽しそうに微笑む私の大好きな大好きな人...。


お姉ちゃんを連れて...私から逃げて...。
そしてどうかお姉ちゃんと幸せになってほしい。

お姉ちゃんは私の希望なんだ。

お姉ちゃんが幸せに笑っているだけで私は幸せなんだから。私にはお姉ちゃんだけなの...だから...。

しかし私は悪魔を甘く見ていた。

今まで傷ついてきた姉はちょっとの誤解・・・・・・・で壊れてしまうほどにその心は砕けやすかったのだ。



学校から帰ると家の中は静まり返っていた。

母も父も死んだ魚の様な目をしている。
顔色も悪く死人のようだ。

「ねぇ?二人とも...どうしたの?何かあったの?」

母も父も私の方を向く事もなく呟いた。

「今...病院から...綾が...ビルから投身自殺したって連絡があったの...。」

両親は泣き崩れた。

姉が亡くなったことで...両親の魅了は解けたのだ。

私は目の前が真っ暗になった...。
私は悪魔に負けたのだ....。


たった1人の大事なお姉ちゃんを...守れなかった...。

そして私の体は悪魔に完全に乗っ取られてしまった。
たった1人の大事な希望を失ったことで...私の心は壊れてしまった。


お姉ちゃん...ごめんなさい。


私...守れなかった...。




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