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第二部: 君の面影を求め往く - 第一章: 南の端の開拓村にて
第四十六話: 生命からがら、あれこれ土産
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天空から降ってくる大質量隕石……そんな絶望的な光景を想起させながら巨大クチバシが迫る。
「光の精霊に我は請う、弾けろ閃光!」
ほとんど反射的に、僕は背後の空へ向けて眩い光を放った。
クチバシの主――鳥のジャンボにとっては、せいぜい豆電球ほどにしか感じられないだろうが、それでも僅かばかり目を眩まし、こちらの位置を見失わせることはできたようだ。
あまりも大きな、それでいて鋭いクチバシは、ただ何も無い虚空を突いただけで上昇していく。
小さく振り返り、見上げてみれば、あのゾウのジャンボですら比較にならず、もはや大枯木に匹敵し得るのではないかという体長一〇〇メートル級の巨大猛禽類が目の当たりとなる。
クジャクのような尾羽を持ち、胴体と脚はどことなく哺乳類っぽい印象も受けるだろうか。
そいつは、大きく斜めに首を傾げ、岩場を駆けゆく僕ら一団を睥睨していた。
何故か、その眼の奥に、激しい怒りの炎が燃やされているかに思えてならないが……。
「あいつ、どうして怒ってるんでしょうね? 明らかに僕らのことを狙って飛んできたような?」
「あー、それなんだがよう……さっきまでいた大岩がよう……」
牧羊樹を載せた荷車と果実のヒツジたちを追いかける斥候さんがおもむろに背後を指さす。
釣られて視線をそちらへ向けてみると……。
遠くに見える蓋の開いた宝箱、その側にそびえるのは丸みを帯びた乳白色の巨石だ……が……。
『ああ……そういうことか。あれは、岩なんかじゃなかったんだな。察するに――』
「卵!? は、ははっ、つまり、この岩山はあいつの巣だったのか。もう、ツイてないったらない!」
――グルルァァァアアアアアアア!
並の家屋よりも大きな卵の上に陣取った鳥のジャンボは左右の翼を空を覆わんばかりに広げ、唸りとも咆哮ともつかない物理的衝撃さえ帯びた大音鳴を上げる。
「ゾウから逃れたかと思えば! 結局、追ってくる奴が更にでっかくなっただけだよ!」
ここから再びの逃走劇が始まった。
僕たちは、日が暮れた後の寝る間さえ惜しみ、強行軍でダンジョンを駆け抜けていく。
一帯の赤靄が通常レベルにまで薄れていたのは勿怪の幸い。
加えて幸いだったのは、鳥のジャンボの襲撃頻度が怖れていたほどではなかったことである。
奴は低空飛行を苦手とし、彼我のサイズも違いすぎる。目を逃れるのはそう難しくなかった。
翌日【森ノ刻(夕方頃)】、エルキル探険隊は誰一人欠けず大枯木の根元に辿り着いた。
五日間に亘る僕らの第一回コユセアラ探索行は、こうしてばたばたと幕を下ろしたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
半ば落人のような風体・心持ちのまま、僕たちはその日のうちに開拓村へと帰還を果たす。
「あなた、シェガロちゃん。ご無事で何よりですわ。……女神よ、感謝いたします」
「おかえりなさい! パパー!」
「「ぱぁぱ!」」
久しぶりの領地は未だ蝗害の爪痕も癒えきらず、澱んだ空気に包まれていたものの、領主自ら乗り出したダンジョン探索については皆の知るところであったため、無事の帰還と多くの収穫物、そして波瀾万丈の冒険談が村の活気を大いに取り戻させることとなった。
ごくささやかながら宴のような席が催され、探険隊メンバーもようやく人心地つく。
とは言え、まだまだ先行き暗く、誰も彼もやることが山積みという状況は変わっていない。
翌日には浮かれていた雰囲気など雲散霧消し……あっという間に数日が過ぎ去ってゆく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……さて、何から話したものかな」
「オトモシャポテン!」
早朝、いつものように水汲みをしながら、僕は馴染みの顔とのんびりだべっていた。
褐色肌の女児――妖精の取り替え子のファルは、自分と変わらない大きさをした毛玉に乗り、両手両足でそれにガッシリしがみついた体勢のまま意味不明な言葉を叫ぶ。
「うん、まずはそいつのことからかな。気になって頭が回らなくなりそうだし」
「あたまさわって?」
「あはっ、オトモシャポテン!」
額に黒いボタンを付けたクリーム色のアンゴラウサギ――この角無しさまは、現在、故あって我がエルキル村の賓客となっていた。
理由はいくつか挙げられるが、一つはこいつの目標が僕個人であると判明したことだ。
近くにいる間は大人しくじっとしている。逆に、引き離せば延々と僕のことを追いかけてくる。
そうなると、どことも知れない場所に放したままでいるのは逆に不安というもの。
当然、領内にはその危険性が周知徹底され、注意喚起の立て札も村の至るところに設置された。
このウサギさまの身分は領主一族と同等。万が一にも傷つけた者は、最高で死罪まであり得る……ということで、村人たちからは必要以上に恐れられてしまったようだ。
昼間と夜中は金網籠に閉じ込めておき、外で自由にさせるのは薄暗い朝夕のマズメ時くらい、当然、その場合も必ず僕が側にいるため、不用意に村人と接触することはないんだけどな。
「あたま……さわって?」
「キャキャッ、オットモーだって! オットモーシャポテン!」
「あたま……あたま……」
「オットモー! オットモー!」
「ちょっ、ファル。あんまり手荒にしちゃダメだってば」
『逆にこの娘は虞を知らんな。ゆっさゆっさと、そいつはバランスボールじゃあないんだぞ』
これでもかなり強力なモンスターだ。背中で子どもが暴れたくらいじゃ怪我はしないだろうが。
……まぁ、それほど嫌がっている様子もなさそうだし、好きにさせておいても大丈夫か。
「妖精の取り替え子は何故だかモンスターに懐かれると言うからね。あのヒツジにも――」
「ヒツジ見たいの? 白ぼっちゃん」
「ん? ああ、水汲みが終わったら様子を見に行こうか」
「やったぁ! ヒツジおいしいもんねー」
「まだ食べないよ?」
ヒツジというのは、もちろん、あの牧羊樹の果実たちのことである。
そう、なんと、あのメリーゴーラウンドのような不思議植物が、村の畑に根付いてくれたのだ。
ダンジョンと違ってほとんど魔素がない人里の環境。
何日も掛けて運搬し、さんざんヒツジたちにも無理をさせたこと。
こうした事情を考えれば、十中八九、植樹は失敗するだろうというのが大方の予想だったのだ。
よもや最初の一本で根付くとは……非常に嬉しい誤算である。
「ダンジョンで手に入れた大量のザコオニ魔石にあんな使い道があるなんてね」
当初、ぐったりとして元気なかったヒツジたちだが、たまたま近くを運搬中だったクズ魔石に物欲しそうな目を向けてきたため、試しに幹の根元へばら蒔いてみたところ、その毛艶と歩みが劇的に改善されたのである。
そう言えば、ダンジョンの宝箱から手に入れた苗木――赤く燃える炎樹も同様の方法で無事に根付かせることができた。
だが、こちらはまだどのような樹木なのかも分かっていないため、扱いは慎重を要する。
村の状況が落ち着いたら、王都の学者にでも手紙を送ってみようという話になったようだ。
「イナゴの死骸もあらかた片付いたし、ぼちぼち今後のことだけに全力を傾けていきたいね……よし! 水汲み、終わりっと」
「あー、キラキラ、ちょうちょ!」
そんなこんなで、ほとんど独り言のように近況を確認しつつ、一通りの朝仕事を終わらせれば、時刻はそろそろ【火ノ一刻(午前八時頃)】になるだろうか。
村の小路を歩いていたとき、ふっ……と僕らの周りに影が差した。
「ああ、ファル、いつものが来るよ。屈んで備えて」
「やだぁ! ……みゅう」
――ズズズズズズズズズズズズズズゥゥゥゥゥーーー……ンンンンン!!
轟音を伴って大地に凄まじい激震が走る。
数分もの間、前世日本での基準に照らし合わせれば震度六はあろう揺れに耐えながら思う。
『この土産だけは、絶対に持ち帰りたくはなかったな……』
乾期が訪れるまであと二ヶ月強、ホント、そろそろ飢饉対策だけに注力させてほしいもんだよ。
「光の精霊に我は請う、弾けろ閃光!」
ほとんど反射的に、僕は背後の空へ向けて眩い光を放った。
クチバシの主――鳥のジャンボにとっては、せいぜい豆電球ほどにしか感じられないだろうが、それでも僅かばかり目を眩まし、こちらの位置を見失わせることはできたようだ。
あまりも大きな、それでいて鋭いクチバシは、ただ何も無い虚空を突いただけで上昇していく。
小さく振り返り、見上げてみれば、あのゾウのジャンボですら比較にならず、もはや大枯木に匹敵し得るのではないかという体長一〇〇メートル級の巨大猛禽類が目の当たりとなる。
クジャクのような尾羽を持ち、胴体と脚はどことなく哺乳類っぽい印象も受けるだろうか。
そいつは、大きく斜めに首を傾げ、岩場を駆けゆく僕ら一団を睥睨していた。
何故か、その眼の奥に、激しい怒りの炎が燃やされているかに思えてならないが……。
「あいつ、どうして怒ってるんでしょうね? 明らかに僕らのことを狙って飛んできたような?」
「あー、それなんだがよう……さっきまでいた大岩がよう……」
牧羊樹を載せた荷車と果実のヒツジたちを追いかける斥候さんがおもむろに背後を指さす。
釣られて視線をそちらへ向けてみると……。
遠くに見える蓋の開いた宝箱、その側にそびえるのは丸みを帯びた乳白色の巨石だ……が……。
『ああ……そういうことか。あれは、岩なんかじゃなかったんだな。察するに――』
「卵!? は、ははっ、つまり、この岩山はあいつの巣だったのか。もう、ツイてないったらない!」
――グルルァァァアアアアアアア!
並の家屋よりも大きな卵の上に陣取った鳥のジャンボは左右の翼を空を覆わんばかりに広げ、唸りとも咆哮ともつかない物理的衝撃さえ帯びた大音鳴を上げる。
「ゾウから逃れたかと思えば! 結局、追ってくる奴が更にでっかくなっただけだよ!」
ここから再びの逃走劇が始まった。
僕たちは、日が暮れた後の寝る間さえ惜しみ、強行軍でダンジョンを駆け抜けていく。
一帯の赤靄が通常レベルにまで薄れていたのは勿怪の幸い。
加えて幸いだったのは、鳥のジャンボの襲撃頻度が怖れていたほどではなかったことである。
奴は低空飛行を苦手とし、彼我のサイズも違いすぎる。目を逃れるのはそう難しくなかった。
翌日【森ノ刻(夕方頃)】、エルキル探険隊は誰一人欠けず大枯木の根元に辿り着いた。
五日間に亘る僕らの第一回コユセアラ探索行は、こうしてばたばたと幕を下ろしたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
半ば落人のような風体・心持ちのまま、僕たちはその日のうちに開拓村へと帰還を果たす。
「あなた、シェガロちゃん。ご無事で何よりですわ。……女神よ、感謝いたします」
「おかえりなさい! パパー!」
「「ぱぁぱ!」」
久しぶりの領地は未だ蝗害の爪痕も癒えきらず、澱んだ空気に包まれていたものの、領主自ら乗り出したダンジョン探索については皆の知るところであったため、無事の帰還と多くの収穫物、そして波瀾万丈の冒険談が村の活気を大いに取り戻させることとなった。
ごくささやかながら宴のような席が催され、探険隊メンバーもようやく人心地つく。
とは言え、まだまだ先行き暗く、誰も彼もやることが山積みという状況は変わっていない。
翌日には浮かれていた雰囲気など雲散霧消し……あっという間に数日が過ぎ去ってゆく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……さて、何から話したものかな」
「オトモシャポテン!」
早朝、いつものように水汲みをしながら、僕は馴染みの顔とのんびりだべっていた。
褐色肌の女児――妖精の取り替え子のファルは、自分と変わらない大きさをした毛玉に乗り、両手両足でそれにガッシリしがみついた体勢のまま意味不明な言葉を叫ぶ。
「うん、まずはそいつのことからかな。気になって頭が回らなくなりそうだし」
「あたまさわって?」
「あはっ、オトモシャポテン!」
額に黒いボタンを付けたクリーム色のアンゴラウサギ――この角無しさまは、現在、故あって我がエルキル村の賓客となっていた。
理由はいくつか挙げられるが、一つはこいつの目標が僕個人であると判明したことだ。
近くにいる間は大人しくじっとしている。逆に、引き離せば延々と僕のことを追いかけてくる。
そうなると、どことも知れない場所に放したままでいるのは逆に不安というもの。
当然、領内にはその危険性が周知徹底され、注意喚起の立て札も村の至るところに設置された。
このウサギさまの身分は領主一族と同等。万が一にも傷つけた者は、最高で死罪まであり得る……ということで、村人たちからは必要以上に恐れられてしまったようだ。
昼間と夜中は金網籠に閉じ込めておき、外で自由にさせるのは薄暗い朝夕のマズメ時くらい、当然、その場合も必ず僕が側にいるため、不用意に村人と接触することはないんだけどな。
「あたま……さわって?」
「キャキャッ、オットモーだって! オットモーシャポテン!」
「あたま……あたま……」
「オットモー! オットモー!」
「ちょっ、ファル。あんまり手荒にしちゃダメだってば」
『逆にこの娘は虞を知らんな。ゆっさゆっさと、そいつはバランスボールじゃあないんだぞ』
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「ん? ああ、水汲みが終わったら様子を見に行こうか」
「やったぁ! ヒツジおいしいもんねー」
「まだ食べないよ?」
ヒツジというのは、もちろん、あの牧羊樹の果実たちのことである。
そう、なんと、あのメリーゴーラウンドのような不思議植物が、村の畑に根付いてくれたのだ。
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そう言えば、ダンジョンの宝箱から手に入れた苗木――赤く燃える炎樹も同様の方法で無事に根付かせることができた。
だが、こちらはまだどのような樹木なのかも分かっていないため、扱いは慎重を要する。
村の状況が落ち着いたら、王都の学者にでも手紙を送ってみようという話になったようだ。
「イナゴの死骸もあらかた片付いたし、ぼちぼち今後のことだけに全力を傾けていきたいね……よし! 水汲み、終わりっと」
「あー、キラキラ、ちょうちょ!」
そんなこんなで、ほとんど独り言のように近況を確認しつつ、一通りの朝仕事を終わらせれば、時刻はそろそろ【火ノ一刻(午前八時頃)】になるだろうか。
村の小路を歩いていたとき、ふっ……と僕らの周りに影が差した。
「ああ、ファル、いつものが来るよ。屈んで備えて」
「やだぁ! ……みゅう」
――ズズズズズズズズズズズズズズゥゥゥゥゥーーー……ンンンンン!!
轟音を伴って大地に凄まじい激震が走る。
数分もの間、前世日本での基準に照らし合わせれば震度六はあろう揺れに耐えながら思う。
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