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第二部: 君の面影を求め往く - 第一章: 南の端の開拓村にて
第三十九話: やったか? 羽根と角
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僕の振るったスコップは、自分でも驚くほど容易く、飛び出してきたソレを断ち切ってしまう。
「ぷきゅっ!」
クリーム色をした毛玉が、目の前で二つの影に分かたれ……下草の中へと落ちていく。
――ざわっ!
「シェガロ!」
「バッ――!! 坊!?」
「おいおいおいおい……冗談じゃねえぞっ!」
いや、確かにうっかりしていたことは認めるにしても、今のは貰い事故のようなものだろう。
日頃から地の精霊術により刃を研ぎ澄まし、今は火の精霊術により赤熱させているにしても、僕の持つスコップの威力など、本物の武器とは比ぶべくもないはずなのだ。
『ああもあっさり切れてしまうとは、流石に僕も注意が及んでいなかったよ。すまない』
「うーん、まぁ、やっちゃったものはしょうがないよね。……とりあえず皆からは離れておこう」
「待ちな! まず森を出る! そこで様子を見るんだ!」
全員、もはや脇目も振らぬ様子で木立の間を駆け抜け、見渡す限りの草原へ飛び出していく。
そして、休みも取らず息を荒げたまま、周囲の深い草むらを刈り拓き、防御陣形を組み上げた。
僕は一人、離れた場所で空中に浮き、周辺警戒をしつつ事態の推移を見守る。
不幸中の幸いと言えるだろう、見渡す限り、辺りに他の敵の気配はなさそうだ。
「もしも、狂化が始まっていたら――」
「分かってる。僕が一人で別方向へ飛んでいって全部引きつけるから」
「くっ……ぐぅむむむ……頼んだぞ! だが諦めるな! パパが絶対に何とかしてやる!」
「うん、頼りにしてるよ」
剛胆なマティオロ氏やジェルザさんでさえ滲み出る緊張感を隠そうともせず、待つこと暫し。
「……来た!?」
まだ姿は確認できない。
しかし、森の中より、深い草むらをガサガサと揺らしながら、何かが進み出てきていた。
それはすぐに草を刈っておいた前方三十メートルほどの距離にまで辿り着き――。
「あたま……さわって?」
のっそりと、長い毛に包まれた全身を現したのだった。
「ひいいぃぃぃ! 出たあ! や、やっぱり復讐ウサギだあああ!」
「もう盾なんてしまっとけ! キレた奴らァ、射程二十メトリ以上、バカ威力の投槍と思えや!」
「群れの規模によっちゃ……どうにか百くれえまでなら……もし、千を超えるなら……」
その姿を目にした途端、従士見習いが悲鳴を上げ、冒険者たちの間に戦慄が走る……も。
「あたま……」
「おっ、おん? なんか……こう、ちぃとばかし様子おかしくねえか?」
「確かに、発狂は……してねぇっぽいなぁ」
「アッハ! 後続の気配もなさそうだね! 安心しな! あれ一匹だけだよっ!」
どうやら、僕らを追いかけてきていたウサギの群れに関しては、上手く撒けたらしい。
現れたのはたった一匹、少なくとも昂奮している様子などはまったく見られない。
「さわって?」
「と言うか? あいつ……間違いない。さっきやっちゃった奴だ」
そう、それは、先ほど僕が一刀の下に斬り伏せた個体だった。
落ち着いてみれば一目瞭然、特徴的なアレが、しかるべき場所に存在していない。
出会い頭、スコップの刃により根元から斬り落としてしまった、あの長い一本角が。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
左手の方向、ざっと百メートル向こうに望む木立の外縁をなぞるように、僕たちはゆっくりと草原の中を進んでいる。
あれから一刻(約二時間)ほど経つが、辺りの様子は、拍子抜けするほど落ち着いていた。
「……あたま、さわって?」
それさえ除けば。
「あいつ、まだ付いてきてるね」
「何が狂化の引き金になるか知れん。放っておけ」
結局、現在に至るまで、あのウサギ自身を含めてモンスターの暴走は起こっていない。
ひょっとして角を切るくらいなら問題なかったのでは? そう思い、皆に訊ねてみれば……。
「そいつはねえなあ。あの角は良い素材になるらしくてよ。過去にいろいろ試した奴はいんのよ」
「……生命がいらんらしい」
「まっ、結論としちゃあ、たとえ角だろうと手傷を負わせたら奴らは発狂するんだとよ」
「えー、みんな、戦闘中はガンガン角を叩いてませんでしたか?」
「そりゃ、おめえ、当然、ポッキリいっちまわねえよう気ぃ付けてたぜ」
「言っても、狙ってやんなけりゃ、そうそう折れるような硬さじゃねえはずなんだけどな」
『考えても仕方なさそうだ。今回は運良く怒らせずに済んだ……そう思っておくとしよう』
「詳しく検証したりするには、あまりにもリスクが大きすぎる生き物だしね」
背中越しに振り返ると、力なく鳴きながら、とぼとぼと歩く角無しウサギが遠くに見える。
「あたま……あたま、さわって?」
「もう付いてくるなって。怒ってないなら森に戻りなよ。角を折っちゃったことは謝るからさ」
聞こえるはずも、通じるはずもない言葉をなんともなしに掛けてみたり。
「キャー……ア! キャー……ア!」
遠くから響いてきたこの高い声は、木立の上を旋回する鳥たちによるものだ。
そちらへ目を向ければ、傾き始めた太陽を背景に、あのクサイドリたちが空高く旋回していた。
「お? あのハーピィども、なんか小綺麗にしてやがんぞ」
「ひひっ、ああしてりゃ見てくれは悪くねえよなぁ」
額に手をかざして遠くの小さな影を凝視しつつ、斥候さんたちがニヤニヤ笑いで話す。
「あの鳥、ハーピィって言うんですか?」
「おう、あんなんでも下級モンスターよ。大抵はもっとずっと小汚ねえんだわ」
「町や村の側に棲みついちまうと迷惑でなぁ。所構わず汚物なんか撒き散らしてよ。それがもう臭えのなんのって……挙げ句の果てに流行病が広がったりな」
「へえ」
確かに、あんなのが頭の上を飛んでいたら、おちおち食事もしていられないだろう。
「……とどめ刺しておいた方が良かったかなぁ」
「ん? まぁ、ダンジョン中じゃ大した害もない奴らだしな。わざわざ相手にしなくて構わんぜ」
「自分らより数が少なくて弱そうな相手だけしか襲わねえからよ」
「ああ、なるほど」
『やっぱり、あの三羽だよな? もう火傷は治ったんだろうか』
木立の上をゆったり滑空している三羽のクサイドリたちは、身綺麗にしているせいだろうか、どことなく穏やかな表情をしているようにも見えた。
ちょうど数も合う。僕が単独で闘い、高温スチーム洗浄を喰らわしてやった連中に違いない。
「キャー! ケラケラケラケラ……」
いや、別に情けを掛けたのではなく、ましてや、女の姿に絆されたとかでもないのだ。
殺したとて何が得られるわけじゃなし、そうする必要はないと判断したまでのこと。
「あたま……さわって?」
結果的に見れば、それがあのウサギを怒らせずに済む験担ぎになったようにも思われる。
何はともあれ、窮地を無事に切り抜けられて良かったよ。
この木立はいずれ改めて再調査してみたいところではあるが、今回はここまでだ。
【紅霧の荒野コユセアラ】探索二日目も直に切り上げとなる。
「ぷきゅっ!」
クリーム色をした毛玉が、目の前で二つの影に分かたれ……下草の中へと落ちていく。
――ざわっ!
「シェガロ!」
「バッ――!! 坊!?」
「おいおいおいおい……冗談じゃねえぞっ!」
いや、確かにうっかりしていたことは認めるにしても、今のは貰い事故のようなものだろう。
日頃から地の精霊術により刃を研ぎ澄まし、今は火の精霊術により赤熱させているにしても、僕の持つスコップの威力など、本物の武器とは比ぶべくもないはずなのだ。
『ああもあっさり切れてしまうとは、流石に僕も注意が及んでいなかったよ。すまない』
「うーん、まぁ、やっちゃったものはしょうがないよね。……とりあえず皆からは離れておこう」
「待ちな! まず森を出る! そこで様子を見るんだ!」
全員、もはや脇目も振らぬ様子で木立の間を駆け抜け、見渡す限りの草原へ飛び出していく。
そして、休みも取らず息を荒げたまま、周囲の深い草むらを刈り拓き、防御陣形を組み上げた。
僕は一人、離れた場所で空中に浮き、周辺警戒をしつつ事態の推移を見守る。
不幸中の幸いと言えるだろう、見渡す限り、辺りに他の敵の気配はなさそうだ。
「もしも、狂化が始まっていたら――」
「分かってる。僕が一人で別方向へ飛んでいって全部引きつけるから」
「くっ……ぐぅむむむ……頼んだぞ! だが諦めるな! パパが絶対に何とかしてやる!」
「うん、頼りにしてるよ」
剛胆なマティオロ氏やジェルザさんでさえ滲み出る緊張感を隠そうともせず、待つこと暫し。
「……来た!?」
まだ姿は確認できない。
しかし、森の中より、深い草むらをガサガサと揺らしながら、何かが進み出てきていた。
それはすぐに草を刈っておいた前方三十メートルほどの距離にまで辿り着き――。
「あたま……さわって?」
のっそりと、長い毛に包まれた全身を現したのだった。
「ひいいぃぃぃ! 出たあ! や、やっぱり復讐ウサギだあああ!」
「もう盾なんてしまっとけ! キレた奴らァ、射程二十メトリ以上、バカ威力の投槍と思えや!」
「群れの規模によっちゃ……どうにか百くれえまでなら……もし、千を超えるなら……」
その姿を目にした途端、従士見習いが悲鳴を上げ、冒険者たちの間に戦慄が走る……も。
「あたま……」
「おっ、おん? なんか……こう、ちぃとばかし様子おかしくねえか?」
「確かに、発狂は……してねぇっぽいなぁ」
「アッハ! 後続の気配もなさそうだね! 安心しな! あれ一匹だけだよっ!」
どうやら、僕らを追いかけてきていたウサギの群れに関しては、上手く撒けたらしい。
現れたのはたった一匹、少なくとも昂奮している様子などはまったく見られない。
「さわって?」
「と言うか? あいつ……間違いない。さっきやっちゃった奴だ」
そう、それは、先ほど僕が一刀の下に斬り伏せた個体だった。
落ち着いてみれば一目瞭然、特徴的なアレが、しかるべき場所に存在していない。
出会い頭、スコップの刃により根元から斬り落としてしまった、あの長い一本角が。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
左手の方向、ざっと百メートル向こうに望む木立の外縁をなぞるように、僕たちはゆっくりと草原の中を進んでいる。
あれから一刻(約二時間)ほど経つが、辺りの様子は、拍子抜けするほど落ち着いていた。
「……あたま、さわって?」
それさえ除けば。
「あいつ、まだ付いてきてるね」
「何が狂化の引き金になるか知れん。放っておけ」
結局、現在に至るまで、あのウサギ自身を含めてモンスターの暴走は起こっていない。
ひょっとして角を切るくらいなら問題なかったのでは? そう思い、皆に訊ねてみれば……。
「そいつはねえなあ。あの角は良い素材になるらしくてよ。過去にいろいろ試した奴はいんのよ」
「……生命がいらんらしい」
「まっ、結論としちゃあ、たとえ角だろうと手傷を負わせたら奴らは発狂するんだとよ」
「えー、みんな、戦闘中はガンガン角を叩いてませんでしたか?」
「そりゃ、おめえ、当然、ポッキリいっちまわねえよう気ぃ付けてたぜ」
「言っても、狙ってやんなけりゃ、そうそう折れるような硬さじゃねえはずなんだけどな」
『考えても仕方なさそうだ。今回は運良く怒らせずに済んだ……そう思っておくとしよう』
「詳しく検証したりするには、あまりにもリスクが大きすぎる生き物だしね」
背中越しに振り返ると、力なく鳴きながら、とぼとぼと歩く角無しウサギが遠くに見える。
「あたま……あたま、さわって?」
「もう付いてくるなって。怒ってないなら森に戻りなよ。角を折っちゃったことは謝るからさ」
聞こえるはずも、通じるはずもない言葉をなんともなしに掛けてみたり。
「キャー……ア! キャー……ア!」
遠くから響いてきたこの高い声は、木立の上を旋回する鳥たちによるものだ。
そちらへ目を向ければ、傾き始めた太陽を背景に、あのクサイドリたちが空高く旋回していた。
「お? あのハーピィども、なんか小綺麗にしてやがんぞ」
「ひひっ、ああしてりゃ見てくれは悪くねえよなぁ」
額に手をかざして遠くの小さな影を凝視しつつ、斥候さんたちがニヤニヤ笑いで話す。
「あの鳥、ハーピィって言うんですか?」
「おう、あんなんでも下級モンスターよ。大抵はもっとずっと小汚ねえんだわ」
「町や村の側に棲みついちまうと迷惑でなぁ。所構わず汚物なんか撒き散らしてよ。それがもう臭えのなんのって……挙げ句の果てに流行病が広がったりな」
「へえ」
確かに、あんなのが頭の上を飛んでいたら、おちおち食事もしていられないだろう。
「……とどめ刺しておいた方が良かったかなぁ」
「ん? まぁ、ダンジョン中じゃ大した害もない奴らだしな。わざわざ相手にしなくて構わんぜ」
「自分らより数が少なくて弱そうな相手だけしか襲わねえからよ」
「ああ、なるほど」
『やっぱり、あの三羽だよな? もう火傷は治ったんだろうか』
木立の上をゆったり滑空している三羽のクサイドリたちは、身綺麗にしているせいだろうか、どことなく穏やかな表情をしているようにも見えた。
ちょうど数も合う。僕が単独で闘い、高温スチーム洗浄を喰らわしてやった連中に違いない。
「キャー! ケラケラケラケラ……」
いや、別に情けを掛けたのではなく、ましてや、女の姿に絆されたとかでもないのだ。
殺したとて何が得られるわけじゃなし、そうする必要はないと判断したまでのこと。
「あたま……さわって?」
結果的に見れば、それがあのウサギを怒らせずに済む験担ぎになったようにも思われる。
何はともあれ、窮地を無事に切り抜けられて良かったよ。
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