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第一部: 終わりと始まりの日 - 第四章: 果てなき雲上の尾根にて
第十七話: 最終局面、互いの切り札
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直径十メートル以上の空間を一瞬で吹き飛ばす小型爆弾――それが奴らの放つ光の玉だ。
だが、弾速は極めて遅く、射程はおそらく二十メートル前後といったところではないか?
この距離ならば、撃ち出されるのを確認した後であっても、十分に回避可能である。
初見で反応が遅れた上、ヘタに防ごうとしてしまった前回は最悪な目に遭ったものの、今回はあちらのタネが割れていて、こちらは身軽。むしろ、距離を詰めるチャンスとさえ言えるだろう。
大きな口の中から撃ち出される光の玉を確認するよりも早く、その頭の向きと逆方向へ大きくカーゴが飛び退いていく。
全く以て流石としか言う他はない月子の反応である。
「よし!」
光の玉は僅かに軌道修正されたものの、既に爆発に巻き込まれる範囲にはない場所へ向かって山なりにゆっくり飛んでいく。
とは言え、たった一度喰らっただけの僕らが、その効果を正確に把握できているとも限らない。
一応、念のため、もっと距離を取っておこうと、月子がカーゴを真横へ移動させた瞬間――。
「「――っ!?」」
行く手のやや後方の地面より、猛烈な火柱が噴き上がった。
応急処置的な、くすんだ窓ガラスがはめられているサイド及びバックの方向は、僕らの死角だ。
完全な不意打ち……にも拘わらず、幸い、火炎はカーゴの外装を掠めただけに留まる。
しかし、確実に狙われていた、絶妙すぎるこのタイミング。
致命的な威力を誇る光の玉へと向けられていた僕らの意識が、刹那、微かに逸らされてしまう。
ほんの小さなその隙を衝く形で、着弾した光の玉より叩きつけられてくる強烈極まりない爆風。予想通り、被害はない……が、カーゴのバランスが大きく崩され、そこへ大爆発によって上空へ巻き上げられていた土砂と岩石の雨が降り注ぐ。
連中の出現時、地中の大爆発によって吹き飛ばされてくるいつもの噴石と比べれば、地上での爆発によるそれらの量と勢いなど、たかが知れたものではあるが、それでもウィンドウガラスを割るくらいの威力を持つことは間違いあるまい。
こちらの作戦では、爆発から十分に距離を取った後、簡易の防御陣に身を隠し、裏側を回って残りの距離を一気に詰める腹づもりだったのだが、奴らに機先を制されてしまった形だ。
「やむをえませんね、地の精霊に我は請う――」
悔しいが、これだけの土石雨を防ぎきるのは僕の精霊術では少々難しい。
カーゴの姿勢を立て直している月子が、ハンドルから片手を離して請願すると、周辺の地面に転がっている無数の岩石が勢いよく一斉に上空へと打ち上げられた。
上から降り注いでくる岩石が下から打ち上げられた岩石とぶつかり、次々と弾かれていく。
石壁を立てて防がないのは、この状況で視界と移動を制限されたくないからだろう。
迎撃は完璧とまではいかず、すり抜けてきた石がガンガン音を立てカーゴの外装を叩くものの、ガラスに当たってもひびを入れるのが精一杯の小石ばかりである。
その程度のダメージなど物ともせず、速やかに元の機動姿勢が取り戻されようとしていた。
ふぅ、予定通りとはいかなかったが、なんとか光の玉を凌ぎきってやったぞ……。
――瞬間! 背筋にゾッと悪寒が走る。
僕の思考を読んだかのように……視界の端に映していたヌッペラウオどもが、嗤っていた。
二つの顔が、揃って上弦の三日月じみた形に口を開けている。
そう、ここまでが奴らの予定通り。
一撃必殺の光の玉を見せ、大きく回避しようとする僕らの逃げ道に火柱を置き、意識と態勢が乱れた状態に爆風と石の雨を浴びせた。そして、今、足を止め、行動を終え、生まれた小さな隙。
満を持して、ここで奴らはチェックを掛けてくる。
横並びの顔が三日月型の口を大きく開げ、横並びの大火球を、同時に、高速で撃ち出す。
しかも、それぞれが今まで見てきた大火球の二倍近くもありそうな特大火球だ。向かってくる速さ――弾速も今までとは比べものにならず、回避は極めて困難だろう。
……いや、まだ終わっていない。二つの特大火球は、こちらへ迫るにつれて徐々に混じり合い、火勢を増しながら、やがて一つの超特大火球と化し、怒涛の如く襲い掛かってきた!
対する僕らはどうしても一手が足りない。
手札はある……が、それは奴らを仕留めるために隠し持っていた命懸けの切り札だ。
あと三メートル……いや、せめて一メートルで良い、それだけの距離を縮められていればっ!
しかし、ようやくバランスを取り戻したカーゴにとっては、たったそれだけがあまりにも遠く、前へ踏み込むことも、横や後ろへ逃げることも、今この瞬間だけは一手遅れてしまう。
そして、先ほどカーゴの制御をしながら石の雨を迎撃するという無理を行ったばかりの月子は、今だけは新たに別の精霊術を使うことができない。
普段であれば問題にもならない、ほんの数秒程度の隙が……やはり行動を一手遅らせてしまう。
一手だけが足りない。
迫り来る超特大火球を前に、僕は切り札を切る決断をしようと――。
「ばうっふぅっ!!」
雄叫びが聞こえたのと同時、カーゴは背後から凄まじい衝撃を受けて吹き飛ばされる。
車体後部のトランクリッドが外れるほどの衝撃に、僕らも座席前のテーブルに頭をぶつけるが、今はそんなことはどうでも良い。
元いた地点から二メートル近い前方へと飛ばされたカーゴの側面をかすめ、ただの余波だけでボディの外装を焼き焦がしながら超特大火球が通り過ぎていく。
その極大の炎に飲み込まれていく黒い陰はっ……!
「松悟さん! 前を! 地の精霊に我は請う――」
いまだ溶岩を湛える大穴、そこに陣取る二匹のヌッペラウオ。
彼我の距離は、目算でしかないが二十二メートルまではないと言いきれる。
こちらの攻撃が届く射程距離――目指す二十メートルまでは、まだあと少し。
だが、ここからであれば、まくれる!
「ウオオオッ!! 風の精霊に我は請う、跳ね上げろ!」
月子の請願により地面から迫り上がってきた巨大な石柱が、カーゴの底を勢いよく突き上げる。
そうして宙に浮いたカーゴを、僕は風の精霊術【高飛び】によって更なる高みへと吹き上げる。
瞬く間に地上十メートル近い高さへと至ったカーゴの下方より火柱が迫るも、もはや火の粉や熱波ですら脚の先にも届きはしない。
空中から前方を見下ろせば、もう二十メートルもない先に目標の姿が確認できた。
「なんだ、一匹だったのか」
そいつは小さな胴体に不釣り合いなほど巨大な二つの頭を持つトカゲだった。
よく見れば、頭の後ろに突起状のえらが生えており、尻尾の先にはひれが付いているな。
どうやらトカゲではなく、サンショウウオ……奇しくも僕が付けた名は的を射ていたらしい。
胴体は火口の光に照らされ、ぬるぬると光る剥き身のエビに似た桃色をしているが、頭だけはゴツゴツとして無骨な赤黒さを帯びている。
到底、頭を支えられそうにない二本の細く長い首に、胴体がぶら下がっているような貧相な姿。
「覚悟なさい」
ハンドルから両手を離した月子が願えば、巨大な双頭を目がけ、やはり巨大な岩塊が放たれる。
唸りを上げて高速回転する円錐型――錘、絶大な威力を誇る地の精霊術【錘の一刺】!
カーゴに残った四本脚の先端に、それぞれを肉付けしていた岩石が凝縮されてゆき、錘が四本、出来た順に前方の大穴を狙って連続で発射されていった。
高速で撃ち込まれてくる大質量の弾丸を前にしては、さしものヌッペラウオも迎撃を諦めたか、凄まじい轟音と共に縁を穿たれていく大穴の内でちょろちょろと逃げ回ることしかできない。
そのコミカルな動きには多少なりと溜飲が下がるものの、直撃を免れているのがいまいましい。
やがて最後に飛んできた四本目の錘を回避するため、奴は穴の中央でボコボコと激しく泡立つ高温のマグマ溜まりへ飛び込もうとする。
「松悟さん!」
「ああ、もう離しているよ」
この戦いが始まってからずっと、僕はある物をひたすら掴み続けていた。
ベア吉が雄々しく大火球をくぐり抜けていたときも、大爆発によってカーゴが吹き飛ばされ、意識を失っていたときも、超特大火球を目前にして死を覚悟していたときでさえ、離さずにいたソレを……今ここで解き放つ!
ソレは、たとえ月子であっても直接制御できないほど遠くにずっとあった。
少しずつ、少しずつ、集まってくれと頼むことしか、合図があるまで留まっていてくれとただ請い願うことしかできなかった。
僕は、彼女に代わってその位置と状態を把握し、支え、ゆっくりと押していただけ。
……にも拘わらず、ほとんど全力を傾けていなければならなかった、ソレが。
――落ちてくる。
上空で渦巻き、僕らの頭上を覆い続けていた黒雲が、一塊の水となって。
遠目にはゆっくりと感じられるスピードで落下してきた水塊は、先ほど見せつけられた超特大火球にも匹敵するサイズである。
遙か上空より、真っ直ぐ大穴の中心へ向かい、超特大の水塊が吸い込まれていく。
そして、山全体を揺るがすほどの大爆発が起こった。
だが、弾速は極めて遅く、射程はおそらく二十メートル前後といったところではないか?
この距離ならば、撃ち出されるのを確認した後であっても、十分に回避可能である。
初見で反応が遅れた上、ヘタに防ごうとしてしまった前回は最悪な目に遭ったものの、今回はあちらのタネが割れていて、こちらは身軽。むしろ、距離を詰めるチャンスとさえ言えるだろう。
大きな口の中から撃ち出される光の玉を確認するよりも早く、その頭の向きと逆方向へ大きくカーゴが飛び退いていく。
全く以て流石としか言う他はない月子の反応である。
「よし!」
光の玉は僅かに軌道修正されたものの、既に爆発に巻き込まれる範囲にはない場所へ向かって山なりにゆっくり飛んでいく。
とは言え、たった一度喰らっただけの僕らが、その効果を正確に把握できているとも限らない。
一応、念のため、もっと距離を取っておこうと、月子がカーゴを真横へ移動させた瞬間――。
「「――っ!?」」
行く手のやや後方の地面より、猛烈な火柱が噴き上がった。
応急処置的な、くすんだ窓ガラスがはめられているサイド及びバックの方向は、僕らの死角だ。
完全な不意打ち……にも拘わらず、幸い、火炎はカーゴの外装を掠めただけに留まる。
しかし、確実に狙われていた、絶妙すぎるこのタイミング。
致命的な威力を誇る光の玉へと向けられていた僕らの意識が、刹那、微かに逸らされてしまう。
ほんの小さなその隙を衝く形で、着弾した光の玉より叩きつけられてくる強烈極まりない爆風。予想通り、被害はない……が、カーゴのバランスが大きく崩され、そこへ大爆発によって上空へ巻き上げられていた土砂と岩石の雨が降り注ぐ。
連中の出現時、地中の大爆発によって吹き飛ばされてくるいつもの噴石と比べれば、地上での爆発によるそれらの量と勢いなど、たかが知れたものではあるが、それでもウィンドウガラスを割るくらいの威力を持つことは間違いあるまい。
こちらの作戦では、爆発から十分に距離を取った後、簡易の防御陣に身を隠し、裏側を回って残りの距離を一気に詰める腹づもりだったのだが、奴らに機先を制されてしまった形だ。
「やむをえませんね、地の精霊に我は請う――」
悔しいが、これだけの土石雨を防ぎきるのは僕の精霊術では少々難しい。
カーゴの姿勢を立て直している月子が、ハンドルから片手を離して請願すると、周辺の地面に転がっている無数の岩石が勢いよく一斉に上空へと打ち上げられた。
上から降り注いでくる岩石が下から打ち上げられた岩石とぶつかり、次々と弾かれていく。
石壁を立てて防がないのは、この状況で視界と移動を制限されたくないからだろう。
迎撃は完璧とまではいかず、すり抜けてきた石がガンガン音を立てカーゴの外装を叩くものの、ガラスに当たってもひびを入れるのが精一杯の小石ばかりである。
その程度のダメージなど物ともせず、速やかに元の機動姿勢が取り戻されようとしていた。
ふぅ、予定通りとはいかなかったが、なんとか光の玉を凌ぎきってやったぞ……。
――瞬間! 背筋にゾッと悪寒が走る。
僕の思考を読んだかのように……視界の端に映していたヌッペラウオどもが、嗤っていた。
二つの顔が、揃って上弦の三日月じみた形に口を開けている。
そう、ここまでが奴らの予定通り。
一撃必殺の光の玉を見せ、大きく回避しようとする僕らの逃げ道に火柱を置き、意識と態勢が乱れた状態に爆風と石の雨を浴びせた。そして、今、足を止め、行動を終え、生まれた小さな隙。
満を持して、ここで奴らはチェックを掛けてくる。
横並びの顔が三日月型の口を大きく開げ、横並びの大火球を、同時に、高速で撃ち出す。
しかも、それぞれが今まで見てきた大火球の二倍近くもありそうな特大火球だ。向かってくる速さ――弾速も今までとは比べものにならず、回避は極めて困難だろう。
……いや、まだ終わっていない。二つの特大火球は、こちらへ迫るにつれて徐々に混じり合い、火勢を増しながら、やがて一つの超特大火球と化し、怒涛の如く襲い掛かってきた!
対する僕らはどうしても一手が足りない。
手札はある……が、それは奴らを仕留めるために隠し持っていた命懸けの切り札だ。
あと三メートル……いや、せめて一メートルで良い、それだけの距離を縮められていればっ!
しかし、ようやくバランスを取り戻したカーゴにとっては、たったそれだけがあまりにも遠く、前へ踏み込むことも、横や後ろへ逃げることも、今この瞬間だけは一手遅れてしまう。
そして、先ほどカーゴの制御をしながら石の雨を迎撃するという無理を行ったばかりの月子は、今だけは新たに別の精霊術を使うことができない。
普段であれば問題にもならない、ほんの数秒程度の隙が……やはり行動を一手遅らせてしまう。
一手だけが足りない。
迫り来る超特大火球を前に、僕は切り札を切る決断をしようと――。
「ばうっふぅっ!!」
雄叫びが聞こえたのと同時、カーゴは背後から凄まじい衝撃を受けて吹き飛ばされる。
車体後部のトランクリッドが外れるほどの衝撃に、僕らも座席前のテーブルに頭をぶつけるが、今はそんなことはどうでも良い。
元いた地点から二メートル近い前方へと飛ばされたカーゴの側面をかすめ、ただの余波だけでボディの外装を焼き焦がしながら超特大火球が通り過ぎていく。
その極大の炎に飲み込まれていく黒い陰はっ……!
「松悟さん! 前を! 地の精霊に我は請う――」
いまだ溶岩を湛える大穴、そこに陣取る二匹のヌッペラウオ。
彼我の距離は、目算でしかないが二十二メートルまではないと言いきれる。
こちらの攻撃が届く射程距離――目指す二十メートルまでは、まだあと少し。
だが、ここからであれば、まくれる!
「ウオオオッ!! 風の精霊に我は請う、跳ね上げろ!」
月子の請願により地面から迫り上がってきた巨大な石柱が、カーゴの底を勢いよく突き上げる。
そうして宙に浮いたカーゴを、僕は風の精霊術【高飛び】によって更なる高みへと吹き上げる。
瞬く間に地上十メートル近い高さへと至ったカーゴの下方より火柱が迫るも、もはや火の粉や熱波ですら脚の先にも届きはしない。
空中から前方を見下ろせば、もう二十メートルもない先に目標の姿が確認できた。
「なんだ、一匹だったのか」
そいつは小さな胴体に不釣り合いなほど巨大な二つの頭を持つトカゲだった。
よく見れば、頭の後ろに突起状のえらが生えており、尻尾の先にはひれが付いているな。
どうやらトカゲではなく、サンショウウオ……奇しくも僕が付けた名は的を射ていたらしい。
胴体は火口の光に照らされ、ぬるぬると光る剥き身のエビに似た桃色をしているが、頭だけはゴツゴツとして無骨な赤黒さを帯びている。
到底、頭を支えられそうにない二本の細く長い首に、胴体がぶら下がっているような貧相な姿。
「覚悟なさい」
ハンドルから両手を離した月子が願えば、巨大な双頭を目がけ、やはり巨大な岩塊が放たれる。
唸りを上げて高速回転する円錐型――錘、絶大な威力を誇る地の精霊術【錘の一刺】!
カーゴに残った四本脚の先端に、それぞれを肉付けしていた岩石が凝縮されてゆき、錘が四本、出来た順に前方の大穴を狙って連続で発射されていった。
高速で撃ち込まれてくる大質量の弾丸を前にしては、さしものヌッペラウオも迎撃を諦めたか、凄まじい轟音と共に縁を穿たれていく大穴の内でちょろちょろと逃げ回ることしかできない。
そのコミカルな動きには多少なりと溜飲が下がるものの、直撃を免れているのがいまいましい。
やがて最後に飛んできた四本目の錘を回避するため、奴は穴の中央でボコボコと激しく泡立つ高温のマグマ溜まりへ飛び込もうとする。
「松悟さん!」
「ああ、もう離しているよ」
この戦いが始まってからずっと、僕はある物をひたすら掴み続けていた。
ベア吉が雄々しく大火球をくぐり抜けていたときも、大爆発によってカーゴが吹き飛ばされ、意識を失っていたときも、超特大火球を目前にして死を覚悟していたときでさえ、離さずにいたソレを……今ここで解き放つ!
ソレは、たとえ月子であっても直接制御できないほど遠くにずっとあった。
少しずつ、少しずつ、集まってくれと頼むことしか、合図があるまで留まっていてくれとただ請い願うことしかできなかった。
僕は、彼女に代わってその位置と状態を把握し、支え、ゆっくりと押していただけ。
……にも拘わらず、ほとんど全力を傾けていなければならなかった、ソレが。
――落ちてくる。
上空で渦巻き、僕らの頭上を覆い続けていた黒雲が、一塊の水となって。
遠目にはゆっくりと感じられるスピードで落下してきた水塊は、先ほど見せつけられた超特大火球にも匹敵するサイズである。
遙か上空より、真っ直ぐ大穴の中心へ向かい、超特大の水塊が吸い込まれていく。
そして、山全体を揺るがすほどの大爆発が起こった。
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