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第一部: 終わりと始まりの日 - 第一章: 地方都市郊外の学園にて
第十話: 窮地の教師と少女の影
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捜索競争を開始して暫し、彼我の人数が違うため、一見するとペースはヤンキー側の方が早い。
しかし、彼らは合流する度にいちいち儀式めいた罵り合いをしており、進行速度とすれば僕とそこまで大きくは変わらない感じである。
その動向もたやすく把握できるため、少女が易々と捕まってしまうこともなさそうだ。
ただ、僕の方は一人っきりなので、通りから目を離した隙に少女とすれ違いにならないよう、しっかりと注意もしていなければならず、動けない時間に蓄積されていく焦りを強く感じる。
お互いに十メートルほど進んだ頃、予想したよりも更に早く、事態は動きを見せた。
例によって騒ぎながらヤンキーたちが路地へ入っていくと、入れ替わりに別の路地から小柄な人影が現れる。
店先に隠れて通りを監視していた僕は、その姿を見て反射的に声を掛けそうになるが、人影はその隙すら与えず、ヤンキーたちが既に捜索し終えた、僕から見て奥の方にある路地へと素早く足音も足跡も残さぬままスーっと消えていった。
ともすれば、幻ではなかったかと自分の目を疑いそうになるが、それは、タクシー運転手より聞かされていた通りの姿。
丈が長い濃紺のダッフルコートに身を包み、その厚手のフードを深く被ってマスクで顔を隠し、下半身はよく見えなかったが、スカートではなくぴっちりとした長いズボンを穿き、やや意外なごつい登山靴を履いていたようだ。そして、肩にはやや大きめのショルダーバッグ一つ。
パラパラと降り続けている雪を被り斑模様になった、実用性重視の防寒コーデは、少なくともあの美須磨のイメージではまったくない。
しかし、その姿は、確かにこんな場所と時間・天候にそぐわない若い女性と思える。
ヤンキーたちがやって来た方向へ戻っていって身を潜めた彼女?の狙いは悪くない。
探し物をするとき、一度探した場所は盲点となるものだ。
ヤンキーの仲間が、このシャッター街の周囲にどれだけ見張りを立てているのか知らないが、追いかけてくる奴らさえやり過ごしてしまえば、逃げきれる可能性はかなり高まるだろう。
そして、この状況は僕の狙いとも理想的に合致する。
よし!と心の中で喝采し、即行で人影の後を追って走りだそうとする、が。
まるで狙っていたかのようなタイミングで、先ほど路地へと入っていったばかりのヤンキーが二人、お決まりとなったバカ騒ぎもせず、どこか剣呑な雰囲気をまとわせながらぬぅっと通りへ出てくる。
単なる偶然によるものか、獣めいた勘でも働いたか、バカ騒ぎしていたのは実は演技で、存外抜け目なく通りを監視する役を置いていたのか……。なんにせよ、これは非常にまずい。
彼らは明らかに奥の路地へと入っていく人影を見た様子で、その後を追おうとしている。
どうする? 出ていって彼らを止めるか? ガラが悪く人数が多いと言っても相手は子どもだ。出てきた第三者を巻き込んでまで凶行には及ばないだろう。いや、彼らの言動はどこか異常だ。何らかの薬でもキメているかも知れない。とすると楽観できない。とは言え、ならばなおのこと追われている子が心配だ。彼らが仲間を呼ぶ様子はまだない。それに、もうすぐ警察が来るはず。路地裏の奥に入っていかれる前に通りで騒ぎを起こしておく方がまだ安全か? ええい、ままよ!
「あー、こんばんは。そこの君たち、ちょっと良いかい?」
通りへ駆けだし、なるべく友好的な態度をと意識しながらヤンキー二人組に声を掛ける。
不自然に頬がこけた長身のヤンキーAと目つきが悪く小柄で手に鉄パイプを持ったヤンキーB。
本来なら絶対に近付きたくない、見るからにヤバそうな連中である。やだやだ、おっかない。
「あん? なんだオッサン」
「き、き、きやすく話しかけてくんじゃ、ね、ねーよ!」
「いや、こんな雪の中、悪いね。実は人を捜していて、少し話を聞かせてもらえないかな?」
「アアん!? 知るかボケ! 俺らになんの得があるんだよ。死なすぞ!」
「ほんと困っててねぇ。もう警察に連絡してあるんだけど、もし協力してくれたらとても助かる」
「こここっちぁ忙しいんだ。う、うせろ!」
と、言うやいなや、こちらの顔めがけ、小さなモーションで拳が飛んでくる。
「うわっ!」と、咄嗟に後ろに下がって躱せたが、そのまま数歩たたらを踏む。
参ったな。やっぱりたがが外れちゃってるタイプだ。
聞く耳を一切持っておらず、見ず知らずの大人相手であっても暴力を振るうのに躊躇がない。
目の前の二人相手の時間稼ぎすらままならないか。しかも、すぐに彼らの仲間も集まってくる。対して、こちらの援軍は一向に到着する気配がない。……焦って判断を誤った。
「てめぇ!! な、な、なによけてんだァ!」
ジャブのように小振りで打ち出してきた先の拳と異なり、今度は踏み込みながら大振りで殴りかかってくるヤンキーA。
『あー……、これは仕方ないか』
僕はその拳の外側方向に身を躱しつつ、前のめりになってすれ違っていく相手の腰のベルトを掴むと、相手の体重が掛かった方の脚――大腿外側部へ思いっきり膝を打ち込む。
人体の急所の一つ。ここに打撃を受けると激痛が走り、しばらく脚が痺れて立ち上がれない。
「――ぃっ!?」
声にならない呻きを上げて崩れ落ち、路面の雪を巻き上げるヤンキーA。
「は? ……このヤ――」
残るもう一人のヤンキー――ヤンキーBは、こんな冴えないおっさんが反撃してくるとは予想していなかったのだろう、まだ事態に反応できず、手に持った鉄パイプもだらりと下げたまま、無警戒で突っ立っている。僕は、道路の凸凹を短距離走のスターティングブロックのように蹴り、身を投げ出す勢いで体当たりをぶちかました。
威嚇の叫び声を上げようとした瞬間、胸に強い衝撃を加えられたヤンキーBは、「ガはっ!!」という声と共に大量の呼気とよだれを吐き出しながら後ろへと吹き飛び、小柄な身体を背中から路肩の電柱に激しく叩きつけた後、白目を剥いて前のめりに倒れていく。
しかし、視界に映るそんなヤンキーたちの様子は、既に僕の意識に留まることはない。
素早く立ち上がると、彼らが向かおうとした先――少女?が消えていった路地へと踏み込み、奥に向かって目を凝らす。
どうやら店舗の裏口として使われていた、他の道へは通り抜けられない袋小路のようだ。
パッと見る限りでも数ヶ所の物陰があり、そのどこかに先ほどの少女?が隠れているのだろう。
「君、出てきてくれ……! この場所はバレてしまっている。今すぐ逃げた方が良い……!」
未だ健在なヤンキーたちの耳に届かぬよう声を潜めながら、路地の奥へ呼びかける。
が、返事はない。
代わりに……殺気? 背後からっ!?
後顧すれば、倒したはずのヤンキーBが蘇り、鉄パイプを両手で振りかぶって既に間合いまで踏み込んできていた。
「ブッこ――! ――っんの! クソがぁ……――!!」
タックルで与えたダメージはしっかり残っているのだろう、息絶え絶えで足下も覚束ない様子。
しかし、ぶち切れて血走った目は後先考えない殺意に満ち、唸りを上げて襲い来る鉄パイプは込められた凄まじい威力をたやすく予想させる。
『あぁ、これは死んだかな? ホント、慣れない荒事なんてするもんじゃないよ』
走馬灯みたいに想い出が映し出される……なんてことは起こらなかったが、スローモーション映像のようなお約束の演出により、ゆっくり振り下ろされてくる鉄パイプを悟りの心境で眺める。
当然、身体は疾うに回避行動を取っているが、どう考えても避けられない頭への直撃コースだ。
瞬間、そこに影が差す。
すべてがスローモーションでゆっくり動く中、僕の横を目にも留まらぬスピードですり抜けた人影が、その勢いのまま両手で持ったバッグを振り回し、ヤンキーBの両腕へと叩きつける。
が、その動きを僕の脳が認識したときには、既に人影は身を低く沈め、彼の脚を払っていた。
跳ね飛ばされた鉄パイプが路面に落ちるよりも早く、受け身も取れずに顔面から転倒するB。
そして次の刹那、倒れ伏したBの首筋へ掌による当身を浴びせ、まるでフィクションのように一撃で意識を刈り取った人影は、地面に落ちて転がる鉄パイプがカラーン! カランカラン……と甲高い音を響かせている中、すたすたと僕の側まで歩み寄ってくると、躊躇いなく手を取り、「こっちです! 急いで!」と言って駆け出すのだった。
しかし、彼らは合流する度にいちいち儀式めいた罵り合いをしており、進行速度とすれば僕とそこまで大きくは変わらない感じである。
その動向もたやすく把握できるため、少女が易々と捕まってしまうこともなさそうだ。
ただ、僕の方は一人っきりなので、通りから目を離した隙に少女とすれ違いにならないよう、しっかりと注意もしていなければならず、動けない時間に蓄積されていく焦りを強く感じる。
お互いに十メートルほど進んだ頃、予想したよりも更に早く、事態は動きを見せた。
例によって騒ぎながらヤンキーたちが路地へ入っていくと、入れ替わりに別の路地から小柄な人影が現れる。
店先に隠れて通りを監視していた僕は、その姿を見て反射的に声を掛けそうになるが、人影はその隙すら与えず、ヤンキーたちが既に捜索し終えた、僕から見て奥の方にある路地へと素早く足音も足跡も残さぬままスーっと消えていった。
ともすれば、幻ではなかったかと自分の目を疑いそうになるが、それは、タクシー運転手より聞かされていた通りの姿。
丈が長い濃紺のダッフルコートに身を包み、その厚手のフードを深く被ってマスクで顔を隠し、下半身はよく見えなかったが、スカートではなくぴっちりとした長いズボンを穿き、やや意外なごつい登山靴を履いていたようだ。そして、肩にはやや大きめのショルダーバッグ一つ。
パラパラと降り続けている雪を被り斑模様になった、実用性重視の防寒コーデは、少なくともあの美須磨のイメージではまったくない。
しかし、その姿は、確かにこんな場所と時間・天候にそぐわない若い女性と思える。
ヤンキーたちがやって来た方向へ戻っていって身を潜めた彼女?の狙いは悪くない。
探し物をするとき、一度探した場所は盲点となるものだ。
ヤンキーの仲間が、このシャッター街の周囲にどれだけ見張りを立てているのか知らないが、追いかけてくる奴らさえやり過ごしてしまえば、逃げきれる可能性はかなり高まるだろう。
そして、この状況は僕の狙いとも理想的に合致する。
よし!と心の中で喝采し、即行で人影の後を追って走りだそうとする、が。
まるで狙っていたかのようなタイミングで、先ほど路地へと入っていったばかりのヤンキーが二人、お決まりとなったバカ騒ぎもせず、どこか剣呑な雰囲気をまとわせながらぬぅっと通りへ出てくる。
単なる偶然によるものか、獣めいた勘でも働いたか、バカ騒ぎしていたのは実は演技で、存外抜け目なく通りを監視する役を置いていたのか……。なんにせよ、これは非常にまずい。
彼らは明らかに奥の路地へと入っていく人影を見た様子で、その後を追おうとしている。
どうする? 出ていって彼らを止めるか? ガラが悪く人数が多いと言っても相手は子どもだ。出てきた第三者を巻き込んでまで凶行には及ばないだろう。いや、彼らの言動はどこか異常だ。何らかの薬でもキメているかも知れない。とすると楽観できない。とは言え、ならばなおのこと追われている子が心配だ。彼らが仲間を呼ぶ様子はまだない。それに、もうすぐ警察が来るはず。路地裏の奥に入っていかれる前に通りで騒ぎを起こしておく方がまだ安全か? ええい、ままよ!
「あー、こんばんは。そこの君たち、ちょっと良いかい?」
通りへ駆けだし、なるべく友好的な態度をと意識しながらヤンキー二人組に声を掛ける。
不自然に頬がこけた長身のヤンキーAと目つきが悪く小柄で手に鉄パイプを持ったヤンキーB。
本来なら絶対に近付きたくない、見るからにヤバそうな連中である。やだやだ、おっかない。
「あん? なんだオッサン」
「き、き、きやすく話しかけてくんじゃ、ね、ねーよ!」
「いや、こんな雪の中、悪いね。実は人を捜していて、少し話を聞かせてもらえないかな?」
「アアん!? 知るかボケ! 俺らになんの得があるんだよ。死なすぞ!」
「ほんと困っててねぇ。もう警察に連絡してあるんだけど、もし協力してくれたらとても助かる」
「こここっちぁ忙しいんだ。う、うせろ!」
と、言うやいなや、こちらの顔めがけ、小さなモーションで拳が飛んでくる。
「うわっ!」と、咄嗟に後ろに下がって躱せたが、そのまま数歩たたらを踏む。
参ったな。やっぱりたがが外れちゃってるタイプだ。
聞く耳を一切持っておらず、見ず知らずの大人相手であっても暴力を振るうのに躊躇がない。
目の前の二人相手の時間稼ぎすらままならないか。しかも、すぐに彼らの仲間も集まってくる。対して、こちらの援軍は一向に到着する気配がない。……焦って判断を誤った。
「てめぇ!! な、な、なによけてんだァ!」
ジャブのように小振りで打ち出してきた先の拳と異なり、今度は踏み込みながら大振りで殴りかかってくるヤンキーA。
『あー……、これは仕方ないか』
僕はその拳の外側方向に身を躱しつつ、前のめりになってすれ違っていく相手の腰のベルトを掴むと、相手の体重が掛かった方の脚――大腿外側部へ思いっきり膝を打ち込む。
人体の急所の一つ。ここに打撃を受けると激痛が走り、しばらく脚が痺れて立ち上がれない。
「――ぃっ!?」
声にならない呻きを上げて崩れ落ち、路面の雪を巻き上げるヤンキーA。
「は? ……このヤ――」
残るもう一人のヤンキー――ヤンキーBは、こんな冴えないおっさんが反撃してくるとは予想していなかったのだろう、まだ事態に反応できず、手に持った鉄パイプもだらりと下げたまま、無警戒で突っ立っている。僕は、道路の凸凹を短距離走のスターティングブロックのように蹴り、身を投げ出す勢いで体当たりをぶちかました。
威嚇の叫び声を上げようとした瞬間、胸に強い衝撃を加えられたヤンキーBは、「ガはっ!!」という声と共に大量の呼気とよだれを吐き出しながら後ろへと吹き飛び、小柄な身体を背中から路肩の電柱に激しく叩きつけた後、白目を剥いて前のめりに倒れていく。
しかし、視界に映るそんなヤンキーたちの様子は、既に僕の意識に留まることはない。
素早く立ち上がると、彼らが向かおうとした先――少女?が消えていった路地へと踏み込み、奥に向かって目を凝らす。
どうやら店舗の裏口として使われていた、他の道へは通り抜けられない袋小路のようだ。
パッと見る限りでも数ヶ所の物陰があり、そのどこかに先ほどの少女?が隠れているのだろう。
「君、出てきてくれ……! この場所はバレてしまっている。今すぐ逃げた方が良い……!」
未だ健在なヤンキーたちの耳に届かぬよう声を潜めながら、路地の奥へ呼びかける。
が、返事はない。
代わりに……殺気? 背後からっ!?
後顧すれば、倒したはずのヤンキーBが蘇り、鉄パイプを両手で振りかぶって既に間合いまで踏み込んできていた。
「ブッこ――! ――っんの! クソがぁ……――!!」
タックルで与えたダメージはしっかり残っているのだろう、息絶え絶えで足下も覚束ない様子。
しかし、ぶち切れて血走った目は後先考えない殺意に満ち、唸りを上げて襲い来る鉄パイプは込められた凄まじい威力をたやすく予想させる。
『あぁ、これは死んだかな? ホント、慣れない荒事なんてするもんじゃないよ』
走馬灯みたいに想い出が映し出される……なんてことは起こらなかったが、スローモーション映像のようなお約束の演出により、ゆっくり振り下ろされてくる鉄パイプを悟りの心境で眺める。
当然、身体は疾うに回避行動を取っているが、どう考えても避けられない頭への直撃コースだ。
瞬間、そこに影が差す。
すべてがスローモーションでゆっくり動く中、僕の横を目にも留まらぬスピードですり抜けた人影が、その勢いのまま両手で持ったバッグを振り回し、ヤンキーBの両腕へと叩きつける。
が、その動きを僕の脳が認識したときには、既に人影は身を低く沈め、彼の脚を払っていた。
跳ね飛ばされた鉄パイプが路面に落ちるよりも早く、受け身も取れずに顔面から転倒するB。
そして次の刹那、倒れ伏したBの首筋へ掌による当身を浴びせ、まるでフィクションのように一撃で意識を刈り取った人影は、地面に落ちて転がる鉄パイプがカラーン! カランカラン……と甲高い音を響かせている中、すたすたと僕の側まで歩み寄ってくると、躊躇いなく手を取り、「こっちです! 急いで!」と言って駆け出すのだった。
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