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私が番らしい
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天候の良い春先、まだ少し風は冷たいが今日の昼間は温かく、招待状を片手に王宮に来ていた。
従弟の王太子の婚約者からお茶会のお誘いがあったのだ。
婚約者の女性とは学生時代同じ刺繍クラブ活動で知り合っており親友と同様に仲良くさせて頂いていた。
侯爵家の次女で長女の姉は他国の王太子と結婚し家から出ていた。
従弟と彼女は幼馴染でこちらも両思いだと聞いている。
「最近体調の方はどうかしら?」
「大分つわりの方も落ち着いてきた所ですわ」
「少し前まで顔色が悪く心配していたから今日かこうして顔が見れて嬉しいわ」
学生時代と同じように三人で楽しく会話をしながら最近集まれていなかったので近日あったことなどを色々と聞かせて頂いた。
今日は他国の王太子と従弟と叔父様(国王)とで最近起きている隣接地についての会議があるとのことを教えて頂いた。前々から問題になっていたことなので聞いてはいたが今日その王太子がここに来られていることは聞いていなかったので少し驚いた。
でも彼女曰く、場所が王宮ではなく別の所でとのことだったのと元々王太子が到着される予定も今日ではなく明後日の予定だったとのことでそれがずれ込んでしまったと教えて頂いた。
「あの隣接地は噴火活動が活発な山があると聞いています。ですがそこでは良質な鉱石も発掘されるようだと。それを巡っての話し合いだと父が申しておりましたが本当にそれだけなのでしょうか?」
親友の父は優秀な宰相で彼女は時期伯爵家を継ぐ後継ぎなのでその話を聞いたのだという。伯爵家ながらも侯爵家同等の力を持ち多くの鉱石が取れる山を所有し、港も持っている。なのでこういう関連の話は彼女が一番詳しいといっても過言ではない。
「他に何か目的があると・・?」
「はい。最近というもののその他国の王太子は何故かこの国に頻繁に訪れていたと・・・。しかも内密に。何か目的があってもおかしくないと思ってしまって・・・考えすぎでしょうか・・・」
「内密に・・・ね・・。もしかしたら誰か探してたりしているのかもね。噂では王太子は番を探していると聞いたことがありますわ。あの国は番という特別なものがあり、貴族の血が濃ければ濃いいほどその番を求めると聞いたことがありますの。」
「確かに私も耳にしたことはありますわ。でもこの国にいるのかしら・・・?」
「それにしても番だなんてロマンチックですわね。憧れはしますけどでもそれは小説などの話だけで充分だと思いますわ。実際に知らない相手に急に番だなんていわれても困惑してしまいますわ」
「確かにそうね。話によると番の相手はそういう事が分からいらしいですから・・・」
三人でそんな話をしていたら、メイドが追加の紅茶を運んできてくれた。
温かい紅茶を入れ直し、最近人気のお菓子を頂きながら会話を引き続き楽しむ。
ついこの三人で話していると時間があっという間に過ぎてしまうのでそろそろお開きにしようという事になった。時刻は夕刻前という頃でしょうか。
私は夫は今日は王太子と一緒に会議があると聞いておりそれを客室で待って一緒に帰ることにした。
従弟の許嫁の彼女は王妃教育があるので自分の部屋に戻り、親友は迎えに来た馬車で帰っていった。
「今日は風が少し強いわね・・・」
窓の外に目をやると、先程まで天候がよかったのに段々雲が出てきて風が強いのか吹く音が聞こえる。草木もざわざわと音を立てているのでなんだか少し不安な気持ちになる。
そう思っていたら客室の外の廊下が何処か騒がしい。
「少し様子を見てきてもらえるかしら?」
専属の侍女のメルにそう伝えると、彼女はゆっくりと扉を開けて出ようとした瞬間勢いよく扉が開かれる。そこには今日のお茶会で話していた他国の王太子………ベルメルド・シュレインが息を切らしてそこいいた。その背後から沢山の足音が聞こえる中、ズンズンと彼は私に近付いてきて
ベルメルド「私の番……やっと見つけた」
そう……確かにそう言ったのだ。
彼は私の手を取り手の甲にキスを落とす。急な事で頭が停止していたが直ぐに気を取り直しその手を振り払いに月曜にしてメルの背後へ回った。
メルは警戒する様な体制で私を背中に隠し睨みつける。
本当であればただの侍女が他国の王太子にそんな対応をしてはいけないのだが先に無礼な対応をしたのは彼自身だ。彼の方を見ると何故か振り払ったのにも関わらずとても嬉しそうな顔をこちらに向けていてとても気持ち悪い。
「フローラ!!!」
私の名前を叫ぶように彼は呼ぶ。扉の方を見ると愛しい彼がそこにいた。
フローラ「アクア!!!」
彼の胸に飛び込み抱きしめる。飛び込んできた私を優しく抱きとめ彼はそっと背中をさすってくれた。
ベルメルド「なっ!!離せ!!彼女は私の番だ!!!」
王太子は叫び怒号する様に彼へ告げる。
そこに遅れて従弟の王太子と叔父様と近衛兵がやってきて王太子を制止する。
ベルメルド「離せ!!!離せ!!!我が番に会いに来てなにが悪い!!」
「分かりませんか。彼女はもう既婚者の女性です。そんな人のもとに夫でもない貴方が此処に来ること自体が間違いなのです!!」
ベルメルド「な………既婚……しゃ……だと……」
「詳しく話をお聞かせ願おうかな。アクア君とフローラは此処にいなさい」
叔父様はそう言うと王太子を逃がさぬよう伝えこの部屋から出て行った。
従弟の王太子の婚約者からお茶会のお誘いがあったのだ。
婚約者の女性とは学生時代同じ刺繍クラブ活動で知り合っており親友と同様に仲良くさせて頂いていた。
侯爵家の次女で長女の姉は他国の王太子と結婚し家から出ていた。
従弟と彼女は幼馴染でこちらも両思いだと聞いている。
「最近体調の方はどうかしら?」
「大分つわりの方も落ち着いてきた所ですわ」
「少し前まで顔色が悪く心配していたから今日かこうして顔が見れて嬉しいわ」
学生時代と同じように三人で楽しく会話をしながら最近集まれていなかったので近日あったことなどを色々と聞かせて頂いた。
今日は他国の王太子と従弟と叔父様(国王)とで最近起きている隣接地についての会議があるとのことを教えて頂いた。前々から問題になっていたことなので聞いてはいたが今日その王太子がここに来られていることは聞いていなかったので少し驚いた。
でも彼女曰く、場所が王宮ではなく別の所でとのことだったのと元々王太子が到着される予定も今日ではなく明後日の予定だったとのことでそれがずれ込んでしまったと教えて頂いた。
「あの隣接地は噴火活動が活発な山があると聞いています。ですがそこでは良質な鉱石も発掘されるようだと。それを巡っての話し合いだと父が申しておりましたが本当にそれだけなのでしょうか?」
親友の父は優秀な宰相で彼女は時期伯爵家を継ぐ後継ぎなのでその話を聞いたのだという。伯爵家ながらも侯爵家同等の力を持ち多くの鉱石が取れる山を所有し、港も持っている。なのでこういう関連の話は彼女が一番詳しいといっても過言ではない。
「他に何か目的があると・・?」
「はい。最近というもののその他国の王太子は何故かこの国に頻繁に訪れていたと・・・。しかも内密に。何か目的があってもおかしくないと思ってしまって・・・考えすぎでしょうか・・・」
「内密に・・・ね・・。もしかしたら誰か探してたりしているのかもね。噂では王太子は番を探していると聞いたことがありますわ。あの国は番という特別なものがあり、貴族の血が濃ければ濃いいほどその番を求めると聞いたことがありますの。」
「確かに私も耳にしたことはありますわ。でもこの国にいるのかしら・・・?」
「それにしても番だなんてロマンチックですわね。憧れはしますけどでもそれは小説などの話だけで充分だと思いますわ。実際に知らない相手に急に番だなんていわれても困惑してしまいますわ」
「確かにそうね。話によると番の相手はそういう事が分からいらしいですから・・・」
三人でそんな話をしていたら、メイドが追加の紅茶を運んできてくれた。
温かい紅茶を入れ直し、最近人気のお菓子を頂きながら会話を引き続き楽しむ。
ついこの三人で話していると時間があっという間に過ぎてしまうのでそろそろお開きにしようという事になった。時刻は夕刻前という頃でしょうか。
私は夫は今日は王太子と一緒に会議があると聞いておりそれを客室で待って一緒に帰ることにした。
従弟の許嫁の彼女は王妃教育があるので自分の部屋に戻り、親友は迎えに来た馬車で帰っていった。
「今日は風が少し強いわね・・・」
窓の外に目をやると、先程まで天候がよかったのに段々雲が出てきて風が強いのか吹く音が聞こえる。草木もざわざわと音を立てているのでなんだか少し不安な気持ちになる。
そう思っていたら客室の外の廊下が何処か騒がしい。
「少し様子を見てきてもらえるかしら?」
専属の侍女のメルにそう伝えると、彼女はゆっくりと扉を開けて出ようとした瞬間勢いよく扉が開かれる。そこには今日のお茶会で話していた他国の王太子………ベルメルド・シュレインが息を切らしてそこいいた。その背後から沢山の足音が聞こえる中、ズンズンと彼は私に近付いてきて
ベルメルド「私の番……やっと見つけた」
そう……確かにそう言ったのだ。
彼は私の手を取り手の甲にキスを落とす。急な事で頭が停止していたが直ぐに気を取り直しその手を振り払いに月曜にしてメルの背後へ回った。
メルは警戒する様な体制で私を背中に隠し睨みつける。
本当であればただの侍女が他国の王太子にそんな対応をしてはいけないのだが先に無礼な対応をしたのは彼自身だ。彼の方を見ると何故か振り払ったのにも関わらずとても嬉しそうな顔をこちらに向けていてとても気持ち悪い。
「フローラ!!!」
私の名前を叫ぶように彼は呼ぶ。扉の方を見ると愛しい彼がそこにいた。
フローラ「アクア!!!」
彼の胸に飛び込み抱きしめる。飛び込んできた私を優しく抱きとめ彼はそっと背中をさすってくれた。
ベルメルド「なっ!!離せ!!彼女は私の番だ!!!」
王太子は叫び怒号する様に彼へ告げる。
そこに遅れて従弟の王太子と叔父様と近衛兵がやってきて王太子を制止する。
ベルメルド「離せ!!!離せ!!!我が番に会いに来てなにが悪い!!」
「分かりませんか。彼女はもう既婚者の女性です。そんな人のもとに夫でもない貴方が此処に来ること自体が間違いなのです!!」
ベルメルド「な………既婚……しゃ……だと……」
「詳しく話をお聞かせ願おうかな。アクア君とフローラは此処にいなさい」
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