番と言うだけで

紅紫

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予知

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 馬車で約2時間ぐらい揺られていると王家の城に着いた。

 白と金を基調とした城は隅々まで磨かれ綺麗にされている。庭は王妃とメアの好きな花でいっぱいに咲き乱れており、いつ見ても見事なものだ。

 門の前に付き、馬車からおりるとメアが笑顔で2人を出迎えた。



メア「久しぶりね2人共!ノアは前よりも母親らしい顔つきになったわね」


ノア「ふふ……。後半年で産まれますもの。楽しみだわ……」


 
 メアはノアのことを姉の様に慕い、親友のように思っている。生まれてくる子供も楽しみで今日もその話で盛り上がる予定だ。



 アル「それじゃぁ俺は練習場に行ってからそちらに向かうよ。メア様、ノアをよろしくお願いします。」


メア「えぇ。ビシバシ騎士達を鍛えてくださいな。」



 そう言うとメアとノアは、執事の案内で城の中に入っていく。



「ノレアさん。いらっしゃい。」



 お茶会の部屋の扉を開けると王妃が優雅に紅茶を呑みながら優しく微笑んだ。



ノア「この度はお茶会のお誘いありがとうございます。」


 
 ドレスの裾を摘み優雅にお辞儀をした。



メア「今日は私とお母様とノアだけのお茶会なんだから畏まらなくていいのよ!」



王妃「ふふ……でも一応礼儀は必要よメア。」



 優しくメアに注意をするとメアは笑いながら「はーいお母様」と少しお茶目に返事を返しメアを椅子に座らせる。

 4年前の事件以来3人は定期的にこうやってお茶会をするようになった。元々王妃はメアの母と高校の友人だったこともあり、ノアをずっと気にかけていたこともあり、3人はまるで家族のようだった。




 楽しくお茶会をしているとメアが「うっ……!!」と小さく呻き声を上げ頭を抑えた。

 急なことに驚き王妃とノアはメアに寄り添う。


 
王妃「メア、大丈夫?」


ノア「もしかして……予知……?」



 そう尋ねるとメアは少し目を伏せたようにして、小さく頷いた。



メア「これは……直ぐに起きる予知……」



 メアは時折危険を感じた際に夢見とまた別に予知を稀に見ることがある。

 メアはノアにしがみつくようにして腕を掴み



メア「ノア……あなたに危険がせまって……」



 そう何かを告げる前に扉の前の廊下が騒がしくなる。誰かが口論をしながらこちらにやって来ているようだ。

 勢いよく扉が開くと1人の獣人と彼の付き人達、そして城の騎士が彼等を止めようとしていた。



王妃「誰ですか。私のお茶会を邪魔するものは!」


 
 鋭い目で獣人達を睨み付け、王子は私達を護るように前に立つ。

 すると獣人の1人がゆっくり口を開いた。




??「ついに……ついに見つけた……我の運命の人よ」
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