3 / 5
約束事
しおりを挟む
今日はメアにお茶会に呼ばれているため、アルと共に城に向かう。もう家の前には王家からの馬車が来ており、私達を待っていた。
青いシンプルなドレスを身にまとい髪にはアルから貰った青い薔薇の髪留めを付けている。アルは黒い騎士服にオールバックでカッコイイ。
「それじゃぁ向かうか」
そう言ったのはアルの友人で騎士団長をしているレビィン。伯爵家の次男でアルとは幼い頃知り合い助けてあげてからずっと仲が良い。
本当は平民に騎士団長が迎えに来ることは無いのだが、2人は特別だった。
それは今から約4年前の出来事だった。2人がまだ魔道士と聖騎士として王家に仕えていた際に、王家の王妃、メアの母が呪いをかけられたのだ。他国からの呪いでゆっくり干からびていくように死んでいくものだった。
国王は愛妻家で王妃が呪いにかかった際、国中から呪いを解いてもらうために魔術師を呼び集めた。
しかしその呪いはその呪いをかけた本人の命を使うものであった為、解く方法を見つからなかった。
どんなに魔術師で呪いを解こうにも途方もない時間がかかるほどであった。
メアは毎日王妃に付き添い泣いていた。それに寄り添うようにノアのまた静かに泣いていた。
ノア「せめて祈りましょう。少しでも辛くないように……」
ノアは毎日王妃に小さな祝福をかけた。腕が痛ければ腕の痛みが和らぐようにと、苦しければ苦しさが少しでも無くなるようにと。
それを1週間続けていくと王妃は少しづつ体調を戻していき、呪いは弱くなっていった。
小さな祝福が少しづつ重なり合い大きくなるにつれて祝福は女神の祝福と同等になったのだ。
王妃にかかっていた呪いは消え、細くなった身体も元の体に戻り肌にも艶ができ以前よりも綺麗になったのだ。
それだけでなく、アルの方は王妃に呪いをかけた首謀者を見つけ出し国に連れ帰ってきていた。
2人はその事で王家に膨大な恩を作ったことで平民ながら丁重に扱われている。
その際に伯爵家の身分を互いに渡されたが2人は断り、その代わりとして1つの約束を王家と交わしたのだ。
「「もし私達の間に産まれてくる子供になにか危険が迫った時、1番に助けてくれたらそれでいい」」
ただ2人は静かにそうお願いをしたのだ。
勿論王家はそれを契約と交わし、それと同じように王家からのも1つの約束をされた
「「2人になにか危険が迫った際、全力で助けよう」」
その事があって以来2人は王家を救っただけでなく、小さな英雄と言われていた。
ノアは、貴族からも平民からも聖女と敬われ、アルは聖女の騎士と呼ばれていた。
青いシンプルなドレスを身にまとい髪にはアルから貰った青い薔薇の髪留めを付けている。アルは黒い騎士服にオールバックでカッコイイ。
「それじゃぁ向かうか」
そう言ったのはアルの友人で騎士団長をしているレビィン。伯爵家の次男でアルとは幼い頃知り合い助けてあげてからずっと仲が良い。
本当は平民に騎士団長が迎えに来ることは無いのだが、2人は特別だった。
それは今から約4年前の出来事だった。2人がまだ魔道士と聖騎士として王家に仕えていた際に、王家の王妃、メアの母が呪いをかけられたのだ。他国からの呪いでゆっくり干からびていくように死んでいくものだった。
国王は愛妻家で王妃が呪いにかかった際、国中から呪いを解いてもらうために魔術師を呼び集めた。
しかしその呪いはその呪いをかけた本人の命を使うものであった為、解く方法を見つからなかった。
どんなに魔術師で呪いを解こうにも途方もない時間がかかるほどであった。
メアは毎日王妃に付き添い泣いていた。それに寄り添うようにノアのまた静かに泣いていた。
ノア「せめて祈りましょう。少しでも辛くないように……」
ノアは毎日王妃に小さな祝福をかけた。腕が痛ければ腕の痛みが和らぐようにと、苦しければ苦しさが少しでも無くなるようにと。
それを1週間続けていくと王妃は少しづつ体調を戻していき、呪いは弱くなっていった。
小さな祝福が少しづつ重なり合い大きくなるにつれて祝福は女神の祝福と同等になったのだ。
王妃にかかっていた呪いは消え、細くなった身体も元の体に戻り肌にも艶ができ以前よりも綺麗になったのだ。
それだけでなく、アルの方は王妃に呪いをかけた首謀者を見つけ出し国に連れ帰ってきていた。
2人はその事で王家に膨大な恩を作ったことで平民ながら丁重に扱われている。
その際に伯爵家の身分を互いに渡されたが2人は断り、その代わりとして1つの約束を王家と交わしたのだ。
「「もし私達の間に産まれてくる子供になにか危険が迫った時、1番に助けてくれたらそれでいい」」
ただ2人は静かにそうお願いをしたのだ。
勿論王家はそれを契約と交わし、それと同じように王家からのも1つの約束をされた
「「2人になにか危険が迫った際、全力で助けよう」」
その事があって以来2人は王家を救っただけでなく、小さな英雄と言われていた。
ノアは、貴族からも平民からも聖女と敬われ、アルは聖女の騎士と呼ばれていた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

【完結済】ラーレの初恋
こゆき
恋愛
元気なアラサーだった私は、大好きな中世ヨーロッパ風乙女ゲームの世界に転生していた!
死因のせいで顔に大きな火傷跡のような痣があるけど、推しが愛してくれるから問題なし!
けれど、待ちに待った誕生日のその日、なんだかみんなの様子がおかしくて──?
転生した少女、ラーレの初恋をめぐるストーリー。
他サイトにも掲載しております。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢は7年前の姿をしている
五色ひわ
恋愛
ドラード王国の第二王女、クラウディア・ドラードは正体不明の相手に襲撃されて子供の姿に変えられてしまった。何とか逃げのびたクラウディアは、年齢を偽って孤児院に隠れて暮らしている。
初めて経験する貧しい暮らしに疲れ果てた頃、目の前に現れたのは婚約破棄寸前の婚約者アルフレートだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる