3 / 13
願いは塵となる
しおりを挟む
あれから気が付けば二週間。私達は嫌でもこの世界に慣れていった。人々の暮らしを見て学び、近々職を見つけるために市役所近くにあるいわゆるハローワークみたいな所で話を聞いたり求人票を見たりとしていた。
職が決まれば家を探し、借りて住もう。お金がある安心と親友がいることで私は今こうして何とか生きている。
多分私一人だと此処まで動き出すまでに時間がかかると思う。
「私は取り合えず前々職に接客業してたし………販売員の仕事かなぁ………」
「なら私は受付かなぁ………。」
貰って来た求人票を片手に話し合う。そんな中、テレビを見ると海辺でイベントをすると流れていた。
「へ~、いいなぁ」
「行ってみる?此処から電車で一時間弱の所だし日帰り旅行みたいな」
「いいの?」
「いいよ」
「やったー!」
フラメンは優しく微笑む。甘やかされてるな~と思うけどこの世界では姉妹という設定で、誕生日的にフラメンが姉で妹が私になってる。まぁそれ関係なく元々フラメンは私に甘いのだが。
そして次の日、軽く荷物を持ってテレビでしていた海に向かうことに。
切符を買い電車に乗って揺られること一時間弱。そこは透き通る様な海が広がる場所で観光地のようになっていた。人は多いがそれでも圧巻されるのこの光景。海辺ではイベントを行っており、それに伴い屋台が多く立ち並んでいた。海で泳ぐ人もいたが私達は屋台で買い物をして食事を楽しみ観光を楽しんでいた。
昼頃に到着して早五時間が経とうという頃には流石に2人とも遊び疲れベンチに座り込んで休憩をした。だがそこで少し違和感に気が付く。
「何か前よりも疲れにくくなったような………。」
「確かに………」
遊び疲れるにしては前世だと2人とも運動不足で体力がないからもっと早く着かれていた。フラメンは体力はあるが足が疲れやすく、私は体力はないが足が疲れにくいみたいなかんじだったのだが………明らかにこの世界に来て運動神経というか全体的に変わったと思う。
まず元々目が悪かった私も今は眼鏡無くてもいいし目が悪くなる前よりも視力がよくなったきがする。フラメンは聴力がいいのだが今ではそれ以上に耳がいいらしくたまに困っている。
「転生した特権かもね~」
「だったらいいな~」
2人顔を見合わせて笑いあう。時刻は夕方の18時前になろうという頃、私達は観光で海辺より少し離れた場所まで来ていたのでそろそろ駅に向かい歩きだそうという時聞いたことのない警告音が町中に響き渡る。
【襲撃、襲撃を受けています。住民の皆さんは速やかに〇〇まで避難してください!繰り返します!】
まるで日本であったアメリカが日本へと襲撃をしにきた時の………
「逃げるぞ!!」
フラメンに手を引かれ私は転びそうになりながらも走り出す。
無我夢中で走っていると何処からか発砲音が響き渡る。それを聞いたフラメンは近くの森林へシフトを変えて走り出し草木に隠れるように身を潜める。
お互いに抱き着き合い息を潜めると声が聞こえる。
「こちら〇〇部隊、目的地B鎮圧」
そこで見えた旗はかつてこの国と戦争で負けた国の旗だと気が付いた。敵兵・・・それだけでどっと汗が吹き出し体が震える。
力強くフラメンに抱きしめられ声を抑える。
少しすると敵兵はこの場から離れていった。
「………まずいな……」
ボソッとフラメンは呟く。
「静かに此処から離れるぞ………」
「うん」
腰を低くして・・・・草木に隠れるようにして森林を進む。段々日が落ちて辺りが暗くなっていくのが分かる。心臓がドクドクと早く鼓動を鳴らし息が落ち着かない。手をギュっと握られる。まるで大丈夫だと言われている様で少しだけ、気持ちに落ちつきを取り戻す。
「後10分ほど歩けば避難所に着くはず………」
「流石・・・よく覚えてるね」
「一応来る前に下調べしたからね………」
後少しで助かる、そう思っていた矢先
「おかぁさぁぁぁん!!」
子供の泣きじゃくる声が響き渡る。これは………
「くっそ!ルア!お前だけでも逃げろ!!」
フラメンは苦い顔でそう言うと手を離し子供の方へ走り出した。私は………私は………
「助けを………呼ばないと!!」
指示された方を向き避難所へ走り出した。
・
・
・
*
ルアを避難所に向かわして私は子供を見つけると直ぐに抱き上げて森林の奥を進み走り出す。
子供の泣き声で遠くから足音が聞こえ、発砲音も鳴り響く。子供の口を手でふさぎ、草むらの中に身を隠す。此処なら子供だけだと隠れてやり過ごせるだろう。
今日買ったお土産のぬいぐるみを取り出して子供に渡す。
「ここで静かに出来るかな?」
「ぅん………」
「いい子」
軽く子供の頭を撫で………少し当たりの様子確認。
まだ足音は此方に向かって聞こえてくる。音を出して離れなければ………2人とも危ない。私は深く息を吸って………履いて………
「いい子でね」
森林の中を走り出した。
何で無視できなかったんだろう。多分それは自分に弟がいたからだろうと思う。子供を犠牲にしてなんた後味が悪すぎるから・・・無視できなかったんだよね。
(我ながら馬鹿だよな………)
馬鹿すぎで嫌になるよ。
木々に身を隠しながら息を殺す。最悪このナイフも使わないといけないかもしれない。
「………………っ………」
死にたくないなぁ………。
頑張って逃げよう。
(まだルアを残して死ねない)
私はケースからナイフを取り出して静かに呼吸を整えた。
・
・
・
私は避難所まで足を休めることなく走らせること約五分。
明かりが見え見覚えのある軍人の人達がそこにいた。
「た………助けてください!!」
私は無我夢中で叫ぶように伝える。早くしないとフラメンが………!!!
出来るだけわかりやすく簡潔に何があったか伝えるとそこに見覚えのある・・・人が天幕から出てきて
「案内。お願い出来るかね」
彼は私を真っ直ぐに見つめてそう言った。
覚悟を決めるしかない。
「はい」
私は彼と彼の仲間をフラメンの所まで案内するため駆けだした。
森林の方で別れたこと、フラメンの事だから子供を何処かに隠して自分は別の場所に逃げた可能性が高いことを伝え守られるようにして森林を進むと
``グガァァッ!!‘‘
誰かが叫ぶような声が聞こえそこに向かいライトを照らすと
「ふ………ら………めん………」
片手にナイフを握っており血でべっとりと赤くなった右手に額と右腕から流れる鮮血。息を荒くして握っていたナイフをまた強く握りしめる。
駆け寄ろうと………その時遠くからフラメンを狙っている敵兵が見えた私は
「フラメンしゃがんで!!!!」
落ちていたピストルを拾い無我夢中で敵兵に向かって即座に発砲をした。初めての拳銃の振動に手がビリビリと痺れ手から零れ落ちる。
遠くからドサッと倒れる音が聞こえる。
当たったの………?か……?
何処に………
「………………………(フラッ」
自分が呆然としていると軍人の人達が制圧する様に動き出すと同時位にフラメンが気を失ってその場に倒れ込む。
駆け寄ろうとするが腰が抜けて立てない。
「フラメン………」
そこに背の高い男性が駆け寄りフラメンを抱きかかえる。
「出血多量だ!急いで医療部隊に!」
部下に指示を出しフラメンは彼に運ばれる。私は何処か安心した様子でそれを眺めた後………いつの間にか意識を手放した。
・
・
・
?
2人の女性が医療部隊よって病院へ運ばれた。
一人は頭と左肩に傷を受けており他に細かい傷が見られる。もう一人も細かい傷が見られるがそれ以外の外傷はなく極度のストレスと緊張感に寄り気絶。
との報告が来た。
「………………」
少々考えた後、私は側近にインカムで伝える。
「お客様をご案内しろ」
これは何かの導きという事だろう。
職が決まれば家を探し、借りて住もう。お金がある安心と親友がいることで私は今こうして何とか生きている。
多分私一人だと此処まで動き出すまでに時間がかかると思う。
「私は取り合えず前々職に接客業してたし………販売員の仕事かなぁ………」
「なら私は受付かなぁ………。」
貰って来た求人票を片手に話し合う。そんな中、テレビを見ると海辺でイベントをすると流れていた。
「へ~、いいなぁ」
「行ってみる?此処から電車で一時間弱の所だし日帰り旅行みたいな」
「いいの?」
「いいよ」
「やったー!」
フラメンは優しく微笑む。甘やかされてるな~と思うけどこの世界では姉妹という設定で、誕生日的にフラメンが姉で妹が私になってる。まぁそれ関係なく元々フラメンは私に甘いのだが。
そして次の日、軽く荷物を持ってテレビでしていた海に向かうことに。
切符を買い電車に乗って揺られること一時間弱。そこは透き通る様な海が広がる場所で観光地のようになっていた。人は多いがそれでも圧巻されるのこの光景。海辺ではイベントを行っており、それに伴い屋台が多く立ち並んでいた。海で泳ぐ人もいたが私達は屋台で買い物をして食事を楽しみ観光を楽しんでいた。
昼頃に到着して早五時間が経とうという頃には流石に2人とも遊び疲れベンチに座り込んで休憩をした。だがそこで少し違和感に気が付く。
「何か前よりも疲れにくくなったような………。」
「確かに………」
遊び疲れるにしては前世だと2人とも運動不足で体力がないからもっと早く着かれていた。フラメンは体力はあるが足が疲れやすく、私は体力はないが足が疲れにくいみたいなかんじだったのだが………明らかにこの世界に来て運動神経というか全体的に変わったと思う。
まず元々目が悪かった私も今は眼鏡無くてもいいし目が悪くなる前よりも視力がよくなったきがする。フラメンは聴力がいいのだが今ではそれ以上に耳がいいらしくたまに困っている。
「転生した特権かもね~」
「だったらいいな~」
2人顔を見合わせて笑いあう。時刻は夕方の18時前になろうという頃、私達は観光で海辺より少し離れた場所まで来ていたのでそろそろ駅に向かい歩きだそうという時聞いたことのない警告音が町中に響き渡る。
【襲撃、襲撃を受けています。住民の皆さんは速やかに〇〇まで避難してください!繰り返します!】
まるで日本であったアメリカが日本へと襲撃をしにきた時の………
「逃げるぞ!!」
フラメンに手を引かれ私は転びそうになりながらも走り出す。
無我夢中で走っていると何処からか発砲音が響き渡る。それを聞いたフラメンは近くの森林へシフトを変えて走り出し草木に隠れるように身を潜める。
お互いに抱き着き合い息を潜めると声が聞こえる。
「こちら〇〇部隊、目的地B鎮圧」
そこで見えた旗はかつてこの国と戦争で負けた国の旗だと気が付いた。敵兵・・・それだけでどっと汗が吹き出し体が震える。
力強くフラメンに抱きしめられ声を抑える。
少しすると敵兵はこの場から離れていった。
「………まずいな……」
ボソッとフラメンは呟く。
「静かに此処から離れるぞ………」
「うん」
腰を低くして・・・・草木に隠れるようにして森林を進む。段々日が落ちて辺りが暗くなっていくのが分かる。心臓がドクドクと早く鼓動を鳴らし息が落ち着かない。手をギュっと握られる。まるで大丈夫だと言われている様で少しだけ、気持ちに落ちつきを取り戻す。
「後10分ほど歩けば避難所に着くはず………」
「流石・・・よく覚えてるね」
「一応来る前に下調べしたからね………」
後少しで助かる、そう思っていた矢先
「おかぁさぁぁぁん!!」
子供の泣きじゃくる声が響き渡る。これは………
「くっそ!ルア!お前だけでも逃げろ!!」
フラメンは苦い顔でそう言うと手を離し子供の方へ走り出した。私は………私は………
「助けを………呼ばないと!!」
指示された方を向き避難所へ走り出した。
・
・
・
*
ルアを避難所に向かわして私は子供を見つけると直ぐに抱き上げて森林の奥を進み走り出す。
子供の泣き声で遠くから足音が聞こえ、発砲音も鳴り響く。子供の口を手でふさぎ、草むらの中に身を隠す。此処なら子供だけだと隠れてやり過ごせるだろう。
今日買ったお土産のぬいぐるみを取り出して子供に渡す。
「ここで静かに出来るかな?」
「ぅん………」
「いい子」
軽く子供の頭を撫で………少し当たりの様子確認。
まだ足音は此方に向かって聞こえてくる。音を出して離れなければ………2人とも危ない。私は深く息を吸って………履いて………
「いい子でね」
森林の中を走り出した。
何で無視できなかったんだろう。多分それは自分に弟がいたからだろうと思う。子供を犠牲にしてなんた後味が悪すぎるから・・・無視できなかったんだよね。
(我ながら馬鹿だよな………)
馬鹿すぎで嫌になるよ。
木々に身を隠しながら息を殺す。最悪このナイフも使わないといけないかもしれない。
「………………っ………」
死にたくないなぁ………。
頑張って逃げよう。
(まだルアを残して死ねない)
私はケースからナイフを取り出して静かに呼吸を整えた。
・
・
・
私は避難所まで足を休めることなく走らせること約五分。
明かりが見え見覚えのある軍人の人達がそこにいた。
「た………助けてください!!」
私は無我夢中で叫ぶように伝える。早くしないとフラメンが………!!!
出来るだけわかりやすく簡潔に何があったか伝えるとそこに見覚えのある・・・人が天幕から出てきて
「案内。お願い出来るかね」
彼は私を真っ直ぐに見つめてそう言った。
覚悟を決めるしかない。
「はい」
私は彼と彼の仲間をフラメンの所まで案内するため駆けだした。
森林の方で別れたこと、フラメンの事だから子供を何処かに隠して自分は別の場所に逃げた可能性が高いことを伝え守られるようにして森林を進むと
``グガァァッ!!‘‘
誰かが叫ぶような声が聞こえそこに向かいライトを照らすと
「ふ………ら………めん………」
片手にナイフを握っており血でべっとりと赤くなった右手に額と右腕から流れる鮮血。息を荒くして握っていたナイフをまた強く握りしめる。
駆け寄ろうと………その時遠くからフラメンを狙っている敵兵が見えた私は
「フラメンしゃがんで!!!!」
落ちていたピストルを拾い無我夢中で敵兵に向かって即座に発砲をした。初めての拳銃の振動に手がビリビリと痺れ手から零れ落ちる。
遠くからドサッと倒れる音が聞こえる。
当たったの………?か……?
何処に………
「………………………(フラッ」
自分が呆然としていると軍人の人達が制圧する様に動き出すと同時位にフラメンが気を失ってその場に倒れ込む。
駆け寄ろうとするが腰が抜けて立てない。
「フラメン………」
そこに背の高い男性が駆け寄りフラメンを抱きかかえる。
「出血多量だ!急いで医療部隊に!」
部下に指示を出しフラメンは彼に運ばれる。私は何処か安心した様子でそれを眺めた後………いつの間にか意識を手放した。
・
・
・
?
2人の女性が医療部隊よって病院へ運ばれた。
一人は頭と左肩に傷を受けており他に細かい傷が見られる。もう一人も細かい傷が見られるがそれ以外の外傷はなく極度のストレスと緊張感に寄り気絶。
との報告が来た。
「………………」
少々考えた後、私は側近にインカムで伝える。
「お客様をご案内しろ」
これは何かの導きという事だろう。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる