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21話 ミラーネ編
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アイシャ様はわたしの黒魔法で新しい記憶を持った。
ううん、彼女に関わるみんなも、アイシャ様とシルヴィオは仲の良い婚約者だと思い込んでいるわ。ははは、幸せね、みんな。
そしてわたしは聖女として神官長の養女となったことになっている。もちろんわたしが彼らの記憶を操作したのだけど。
だって前回と同じ設定にしないと面白くないじゃない?
でも二人に近づいたら二人は上手く行ってなかった。だから、二人は仲の良い婚約者にしてあげたの。
わたしって優しいわよね?愛し合う二人を引き裂かないと面白くないもの。いっぱい愛し合って、アイシャ様の心をズタズタにしていくの。
考えただけでゾクゾクするわ。
なんて楽しそうなの。今回は簡単には死なせないわ。
ミランダの頃は確かに聖女で聖力があり癒しの力もあった。でも、嫉妬から魅了の力を持って、それを悪用してしまったわたしの聖力は黒い魔力へと変わっていった。
おかげで今世では黒魔法が使えるわ。
アーシャのそばにいた精霊達もわたしの黒い魔力に封じられ身動きできない。
そして精霊達は今も檻の中。アーシャを守ろうとした罰よ。アイシャのことは守らせないわ。ずっと檻の中でアイシャの苦しむ姿を見ていたらいいのよ。
精霊の愛し子なんて、精霊がそばにいなければなんの力もないの。
わたしはなぜずっと記憶を持って生まれ変わるのか。みんなは持っていないのに。
それは復讐するために神様が力をくれたからよ。そうでないと不公平だわ。
こんな辛い記憶だけを持って生まれるわたしが。
みんな何も覚えていなくて幸せに暮らしているなんて狡い。
復讐のため黒魔法で人を魅了し騙し続け、シルヴァと生涯を共にした。
アーシャを傷つけ死なせたのに全然心は満足しない、満たされない。
つまらない人生だった。
わたしが愛したのはジル。
シルヴァはジルではない。結婚して、どんなにシルヴァに(魅了で)愛されても心は満たされなかった。
今世では愛されようなんて思わない。
アイシャを傷つけ、それをシルヴィオに見せつけ二人を傷つける。
それだけを目的で楽しんでやるわ。
ううん、彼女に関わるみんなも、アイシャ様とシルヴィオは仲の良い婚約者だと思い込んでいるわ。ははは、幸せね、みんな。
そしてわたしは聖女として神官長の養女となったことになっている。もちろんわたしが彼らの記憶を操作したのだけど。
だって前回と同じ設定にしないと面白くないじゃない?
でも二人に近づいたら二人は上手く行ってなかった。だから、二人は仲の良い婚約者にしてあげたの。
わたしって優しいわよね?愛し合う二人を引き裂かないと面白くないもの。いっぱい愛し合って、アイシャ様の心をズタズタにしていくの。
考えただけでゾクゾクするわ。
なんて楽しそうなの。今回は簡単には死なせないわ。
ミランダの頃は確かに聖女で聖力があり癒しの力もあった。でも、嫉妬から魅了の力を持って、それを悪用してしまったわたしの聖力は黒い魔力へと変わっていった。
おかげで今世では黒魔法が使えるわ。
アーシャのそばにいた精霊達もわたしの黒い魔力に封じられ身動きできない。
そして精霊達は今も檻の中。アーシャを守ろうとした罰よ。アイシャのことは守らせないわ。ずっと檻の中でアイシャの苦しむ姿を見ていたらいいのよ。
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わたしはなぜずっと記憶を持って生まれ変わるのか。みんなは持っていないのに。
それは復讐するために神様が力をくれたからよ。そうでないと不公平だわ。
こんな辛い記憶だけを持って生まれるわたしが。
みんな何も覚えていなくて幸せに暮らしているなんて狡い。
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つまらない人生だった。
わたしが愛したのはジル。
シルヴァはジルではない。結婚して、どんなにシルヴァに(魅了で)愛されても心は満たされなかった。
今世では愛されようなんて思わない。
アイシャを傷つけ、それをシルヴィオに見せつけ二人を傷つける。
それだけを目的で楽しんでやるわ。
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