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2話
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突然ブルダから手紙が来た。
ギルがオリソン国に留学生としてやってくると手紙には書いてあった。
わたしの侍女だったマチルダと護衛だったブルダの息子、あの頃まだ9歳だったギル。
彼はわたしにとって可愛い弟のような存在だった。ちょっと生意気でなのにわたしの後ろにいつもついてくる男の子。
親に怒られてしょぼくれてわたしのところに来てはお菓子を強請り、一人ぶつぶつと文句を言ってスッキリさせて「おれ、がんばるよ」とまた元気になって帰って行く男の子。
ギルはこの国の騎士学校に通い、騎士を目指すらしい。
久しぶりに会えるギルにわたしはワクワクしていた。
◇ ◇ ◇
ギルから手紙が来た。
『イアン様!お久しぶりです、俺、オリソン国の騎士学校に通うことにしました。だからそこに住まわせてください』
お伺いとかないのか!
俺にだってもしかしたら誰か女と暮らしているとか恋人がいるとか、こいつは思わないのか!
………まぁいないけど。
何度も諦めようと思ったのに目の前にオリエがいると思うといまだに諦められない。
何年も思い続けて、何度も諦めてまた恋をする。
まさか俺がオリソン国で働くとは思ってもいなかった。
アルク国とオリソン国が友好国で、出向という形でこちらで仕事をしている。
イーサン様は同じ王太子だったが、彼は今シャルトー国との架け橋としてオリソン国で働いている。たくさんの向こうの国の人たちもこちらに移り住んで活発に交流を始めている。俺も同じ元王太子として動くことができるかもしれない。そう思いオリソン国でイーサン様のもと働かせてもらっている。
この国に来て王宮を歩いている時、騎士達の訓練場の近くを通った。思わず足を止めた。
オリエがいるわけがない。そう思いながらも目は彼女を探していた。
だが彼女の姿はなかった。
いるわけがない。もし会えたとしても、告白を断られた俺にもう合わせる顔はない。
なのに出会いはその後すぐに……
イーサン様達との顔合わせの後すぐに街への視察に出る事になった。
その時の護衛騎士の一人がオリエだった。
オリエは俺を見た瞬間呆然として固まっていた。
俺がこの国に来ていることを知らなかったようだ。
まぁ考えてみたら当たり前だ。騎士にそこまでの通達はしない。
お互い顔を見ないようにぎこちなくしていることに気がついた者はいなかった。
後で知ったことだがオリエはカイさんに聞いて俺がオリソン国に居ることは知っていたらしい。でも俺との接点はないだろうと安心していたとギルが話てくれた。
ギルがオリソン国に留学生としてやってくると手紙には書いてあった。
わたしの侍女だったマチルダと護衛だったブルダの息子、あの頃まだ9歳だったギル。
彼はわたしにとって可愛い弟のような存在だった。ちょっと生意気でなのにわたしの後ろにいつもついてくる男の子。
親に怒られてしょぼくれてわたしのところに来てはお菓子を強請り、一人ぶつぶつと文句を言ってスッキリさせて「おれ、がんばるよ」とまた元気になって帰って行く男の子。
ギルはこの国の騎士学校に通い、騎士を目指すらしい。
久しぶりに会えるギルにわたしはワクワクしていた。
◇ ◇ ◇
ギルから手紙が来た。
『イアン様!お久しぶりです、俺、オリソン国の騎士学校に通うことにしました。だからそこに住まわせてください』
お伺いとかないのか!
俺にだってもしかしたら誰か女と暮らしているとか恋人がいるとか、こいつは思わないのか!
………まぁいないけど。
何度も諦めようと思ったのに目の前にオリエがいると思うといまだに諦められない。
何年も思い続けて、何度も諦めてまた恋をする。
まさか俺がオリソン国で働くとは思ってもいなかった。
アルク国とオリソン国が友好国で、出向という形でこちらで仕事をしている。
イーサン様は同じ王太子だったが、彼は今シャルトー国との架け橋としてオリソン国で働いている。たくさんの向こうの国の人たちもこちらに移り住んで活発に交流を始めている。俺も同じ元王太子として動くことができるかもしれない。そう思いオリソン国でイーサン様のもと働かせてもらっている。
この国に来て王宮を歩いている時、騎士達の訓練場の近くを通った。思わず足を止めた。
オリエがいるわけがない。そう思いながらも目は彼女を探していた。
だが彼女の姿はなかった。
いるわけがない。もし会えたとしても、告白を断られた俺にもう合わせる顔はない。
なのに出会いはその後すぐに……
イーサン様達との顔合わせの後すぐに街への視察に出る事になった。
その時の護衛騎士の一人がオリエだった。
オリエは俺を見た瞬間呆然として固まっていた。
俺がこの国に来ていることを知らなかったようだ。
まぁ考えてみたら当たり前だ。騎士にそこまでの通達はしない。
お互い顔を見ないようにぎこちなくしていることに気がついた者はいなかった。
後で知ったことだがオリエはカイさんに聞いて俺がオリソン国に居ることは知っていたらしい。でも俺との接点はないだろうと安心していたとギルが話てくれた。
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