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番外編 アルバード④
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まさかお母さんがお父さんに会いに行っていいと言うなんて思ってもみなかった。
だって、お母さんがどれだけ頑張ってきたか知ってるのは僕なんだ。
お父さんに会ってみたい……なんて我儘は言ってはいけないと思ってた。グレン様に相談はしたけど、本当は無理だと思ってたから手紙で感謝の言葉を書くつもりでいたんだ。
それだけで十分だと思ってた。
おばちゃんに相談したら後押ししてくれて会おうと決めた。なのにお母さんまで後押ししてくれるなんて……黙って会いに行かなくてよかった。後で報告するつもりだったけど、それはそれでお母さんを傷つけるかもしれないと思うと、なかなか会いに行く勇気がでなかったんだ。
「キズリー、今度お父さんに会うんだ」
学校でキズリーに話すとーー
「へぇ、あのアルにそっくりな人?」
「うん、あの時初めて見かけたんだ」
「………よく鍛錬場の近くで見かけてたよ……」
「えっ?」
キズリーの言葉に驚いた。鍛錬場?いつ?僕は見かけたことなんてないよ?
「たぶん……隠れて見てたんじゃない?アルのこと……だから助けてくれた時すぐにわかったんだ、アルのお父さんだって」
「僕のこと気にかけてくれてた……んだ……」
今いるのは教室の中。僕はもうすぐ14歳になろうと言うのに、目には涙がいっぱい溢れてきた。
「うわっ、アル、はい、ハンカチ!」
キズリーが慌ててハンカチを貸してくれた。
周りはたぶん気づいていると思う。
だけど何も言ってこない。
うちのクラスのみんなは貴族の子供が多い。なのに平民から貴族になった僕に対してみんな優しい。
馬鹿にしたり意地悪をしたりする奴はいなくて、みんなで試験勉強を一緒にしたり休み時間は笑い合って過ごしている。
それも全てキズリーがクラスの中心にいる子で、僕のことを親友としていつも一緒にいてくれるから周りも僕のことを快く思ってくれている。キズリーのおかげで泣いていても変に思われない。
今だって情けないくらい泣いてしまった。
ーーーお父さんは僕のことを見てくれていた。あの時助けてくれたのも、僕のことをわかってくれていたんだ。
もうそれだけで嬉しい。
お父さんと会うことになった日。
アーバンおじさんの家に遊びに行くことになった。幼い頃、お母さんと住んでいた家。
今もたまに遊びに行くんだけど、やっぱり懐かしい。
近所を歩けばーー
「アル!」
「元気にしていたか?」
「お腹空いていないか?」
みんなが声をかけてきてくれる。
アーバンおじさんの家に行けば、アルテおばさんがいつも美味しい料理を作って待っていてくれる。
「いらっしゃい!」
「アルテおばさん、近所のおばちゃん達からもらった!」
手にいっぱい持ったお菓子や果物をおばちゃんに手渡した。
「アルは人気者ね。いつも来る時には手にいっぱい物があるわね」
クスクス笑いながらアルテおばさんが受け取ってくれた。
「アーバンももうすぐ帰ってくると思うわ」
「うん、じゃあ、アリアと遊んでるよ」
アーバンおじさんの娘のアリアは今6歳。おしゃまで可愛い僕のいとこ。
「アルにいちゃん、なにしてあそぶ?」
「本を持ってきたんだ。一緒に読もう」
僕の膝の上にちょこんと座るアリア。僕はアリアに6歳にしては少し難しい本を読んであげた。アリアは物語が大好きでいつも喜んでくれる。
アリアは字が読めるんだけど難しい字はまだまだ読めない。だから、僕が本を読んであげると目をキラキラさせて楽しそうに聴いてくれる。
「アーバンが帰ってきたわ」
アルテおばさんの声に頭を上げた。
「ただいま、アリア、アル!」
「「お帰りなさい」」
アリアと二人でアーバンおじさんの方を向くと………
「あっ……」
ーーーお父さん……オズワルド……
僕はアリアを膝からおろして、思わず立ち上がった。
アリアはそんな僕を見て、手を握ってきた。
「おじちゃん、お兄ちゃん、いらっしゃい!アルにいちゃんと本を読んでいたのよ!お兄ちゃんも一緒に読もうよ」
オズワルド君が一瞬どうしようか躊躇った。
「僕も……いいの?」
「うん、この本とっても面白いの。ねっ?アルにいちゃん、三人で読もうよ」
「そうだね。おいで。オズワルド君だよね?僕はアルバード…………君のお兄ちゃんだよ」
自分のことをお兄ちゃんと言うのは恥ずかしかった。声も震えていたと思う。笑顔もぎこちなくて引き攣っていたかも。
オズワルド君もやっぱりぎこちなかった。
アリアがいてくれなかったらどう話していいか分からなかった。
少しずつ慣れてきて……
ーーーなんだ、緊張しなくてもよかったみたい。オズワルド君ってとってもいい子だな。
アリアにも優しいし、僕のことも気を遣って話しかけてきてくれる。
「あっ、あの、アルバード様……僕ももうすぐ同じ学校へ通うんです」
「あ、2歳年下だから12歳か……」
「はい、特待生の試験を受けて合格したんです」
「僕と同じだね。僕も特待生なんだ。分からないことがあったら聞いて。僕は寮生活だからいつでも遊びに来てよ」
「いいんですか?」
「もちろんだよ。それから僕はアルバード様じゃない。アルってみんな呼ぶんだ」
「アル…兄ちゃんと呼んでもいいですか?」
「お兄ちゃん、アリアと同じだね。アリアもアルにいちゃんって呼んでるもの」
アリアが嬉しそうに笑う。
「あ、あの、僕もオズワルド君じゃなくて…みんなからはルドと呼ばれているんです」
「ルド……僕もルドと呼んでもいいの?」
「はいっ‼︎嬉しいです」
僕はルドと学校の話をいっぱいした。騎士団の訓練生として鍛錬をしている話を聞いたルドは「僕も試験を受けたい!」と言い出した。
ルドとは仲良くなったけど、まだお父さんとは話してない。
どう話しかけたらいいのかタイミングが分からない。
何度かチラッとテーブルに座ってアーバンおじさんと話している姿を見てはいるんだけど……きっかけがない。
こんな時、アーバンおじさんが話しかけてくれたらいいのに……
なんて、他力本願なことを考えていた。
「おじちゃん、アルにいちゃんのこと知ってる?アリアのいとこなの!」
僕とルドが話してばかりで退屈になったアリアがお父さんに突然話しかけた。
だって、お母さんがどれだけ頑張ってきたか知ってるのは僕なんだ。
お父さんに会ってみたい……なんて我儘は言ってはいけないと思ってた。グレン様に相談はしたけど、本当は無理だと思ってたから手紙で感謝の言葉を書くつもりでいたんだ。
それだけで十分だと思ってた。
おばちゃんに相談したら後押ししてくれて会おうと決めた。なのにお母さんまで後押ししてくれるなんて……黙って会いに行かなくてよかった。後で報告するつもりだったけど、それはそれでお母さんを傷つけるかもしれないと思うと、なかなか会いに行く勇気がでなかったんだ。
「キズリー、今度お父さんに会うんだ」
学校でキズリーに話すとーー
「へぇ、あのアルにそっくりな人?」
「うん、あの時初めて見かけたんだ」
「………よく鍛錬場の近くで見かけてたよ……」
「えっ?」
キズリーの言葉に驚いた。鍛錬場?いつ?僕は見かけたことなんてないよ?
「たぶん……隠れて見てたんじゃない?アルのこと……だから助けてくれた時すぐにわかったんだ、アルのお父さんだって」
「僕のこと気にかけてくれてた……んだ……」
今いるのは教室の中。僕はもうすぐ14歳になろうと言うのに、目には涙がいっぱい溢れてきた。
「うわっ、アル、はい、ハンカチ!」
キズリーが慌ててハンカチを貸してくれた。
周りはたぶん気づいていると思う。
だけど何も言ってこない。
うちのクラスのみんなは貴族の子供が多い。なのに平民から貴族になった僕に対してみんな優しい。
馬鹿にしたり意地悪をしたりする奴はいなくて、みんなで試験勉強を一緒にしたり休み時間は笑い合って過ごしている。
それも全てキズリーがクラスの中心にいる子で、僕のことを親友としていつも一緒にいてくれるから周りも僕のことを快く思ってくれている。キズリーのおかげで泣いていても変に思われない。
今だって情けないくらい泣いてしまった。
ーーーお父さんは僕のことを見てくれていた。あの時助けてくれたのも、僕のことをわかってくれていたんだ。
もうそれだけで嬉しい。
お父さんと会うことになった日。
アーバンおじさんの家に遊びに行くことになった。幼い頃、お母さんと住んでいた家。
今もたまに遊びに行くんだけど、やっぱり懐かしい。
近所を歩けばーー
「アル!」
「元気にしていたか?」
「お腹空いていないか?」
みんなが声をかけてきてくれる。
アーバンおじさんの家に行けば、アルテおばさんがいつも美味しい料理を作って待っていてくれる。
「いらっしゃい!」
「アルテおばさん、近所のおばちゃん達からもらった!」
手にいっぱい持ったお菓子や果物をおばちゃんに手渡した。
「アルは人気者ね。いつも来る時には手にいっぱい物があるわね」
クスクス笑いながらアルテおばさんが受け取ってくれた。
「アーバンももうすぐ帰ってくると思うわ」
「うん、じゃあ、アリアと遊んでるよ」
アーバンおじさんの娘のアリアは今6歳。おしゃまで可愛い僕のいとこ。
「アルにいちゃん、なにしてあそぶ?」
「本を持ってきたんだ。一緒に読もう」
僕の膝の上にちょこんと座るアリア。僕はアリアに6歳にしては少し難しい本を読んであげた。アリアは物語が大好きでいつも喜んでくれる。
アリアは字が読めるんだけど難しい字はまだまだ読めない。だから、僕が本を読んであげると目をキラキラさせて楽しそうに聴いてくれる。
「アーバンが帰ってきたわ」
アルテおばさんの声に頭を上げた。
「ただいま、アリア、アル!」
「「お帰りなさい」」
アリアと二人でアーバンおじさんの方を向くと………
「あっ……」
ーーーお父さん……オズワルド……
僕はアリアを膝からおろして、思わず立ち上がった。
アリアはそんな僕を見て、手を握ってきた。
「おじちゃん、お兄ちゃん、いらっしゃい!アルにいちゃんと本を読んでいたのよ!お兄ちゃんも一緒に読もうよ」
オズワルド君が一瞬どうしようか躊躇った。
「僕も……いいの?」
「うん、この本とっても面白いの。ねっ?アルにいちゃん、三人で読もうよ」
「そうだね。おいで。オズワルド君だよね?僕はアルバード…………君のお兄ちゃんだよ」
自分のことをお兄ちゃんと言うのは恥ずかしかった。声も震えていたと思う。笑顔もぎこちなくて引き攣っていたかも。
オズワルド君もやっぱりぎこちなかった。
アリアがいてくれなかったらどう話していいか分からなかった。
少しずつ慣れてきて……
ーーーなんだ、緊張しなくてもよかったみたい。オズワルド君ってとってもいい子だな。
アリアにも優しいし、僕のことも気を遣って話しかけてきてくれる。
「あっ、あの、アルバード様……僕ももうすぐ同じ学校へ通うんです」
「あ、2歳年下だから12歳か……」
「はい、特待生の試験を受けて合格したんです」
「僕と同じだね。僕も特待生なんだ。分からないことがあったら聞いて。僕は寮生活だからいつでも遊びに来てよ」
「いいんですか?」
「もちろんだよ。それから僕はアルバード様じゃない。アルってみんな呼ぶんだ」
「アル…兄ちゃんと呼んでもいいですか?」
「お兄ちゃん、アリアと同じだね。アリアもアルにいちゃんって呼んでるもの」
アリアが嬉しそうに笑う。
「あ、あの、僕もオズワルド君じゃなくて…みんなからはルドと呼ばれているんです」
「ルド……僕もルドと呼んでもいいの?」
「はいっ‼︎嬉しいです」
僕はルドと学校の話をいっぱいした。騎士団の訓練生として鍛錬をしている話を聞いたルドは「僕も試験を受けたい!」と言い出した。
ルドとは仲良くなったけど、まだお父さんとは話してない。
どう話しかけたらいいのかタイミングが分からない。
何度かチラッとテーブルに座ってアーバンおじさんと話している姿を見てはいるんだけど……きっかけがない。
こんな時、アーバンおじさんが話しかけてくれたらいいのに……
なんて、他力本願なことを考えていた。
「おじちゃん、アルにいちゃんのこと知ってる?アリアのいとこなの!」
僕とルドが話してばかりで退屈になったアリアがお父さんに突然話しかけた。
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